読書はわたしの趣味だ。好きな作家の新刊をこまめにチェックし、時間があれば書店に立ち寄って気になる本を購入していた。しかし、子どもが生まれてからは、自分の時間が驚くほど減り、紙の本をゆっくり開く余裕がなくなった。空いた時間には、ついスマートフォンでSNSを眺めてしまう。
そこで紙にこだわるのをやめて電子書籍という選択肢に目を向け、専用端末Kindleリーダーを取り入れてみたところ、わたしの生活に読書が戻ってきたのだ。

わたしのこと
- 年齢:30代
- 性別:女
- 職業:ライター
- ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク、朝型、自炊派
- 好きな作家:伊坂幸太郎
子どもが生まれてから本が読めなくなった

子どもが生まれる前、読書はわたしにとって至福の時間だった。仕事休みの前夜は、お気に入りの紅茶を片手に心ゆくまで本を読む。休日は書店で気になる本を購入して、その足でカフェに入りじっくりと本を読む。しかし、育児が始まると、そんな余裕は一気になくなった。
新生児期は常に赤ちゃんのお世話が優先で、細切れの時間があっても、読書をする体力と気力が残っていない。育休が終わり仕事に復帰すると、さらに時間に追われて読書に集中するのが難しくなった。
加えて、スマートフォンの存在が読書の時間を奪っていく。ついSNSや動画アプリを開いてしまい、本を読む時間はますます減ってしまうのだ。
このままでは、子どもが成長してもスマートフォンに時間を乗っ取られ、読書という楽しみを完全に手放してしまうのではないか。そんな危機感が芽生えた。
電子書籍のなかでもKindleを選んだ理由

Kindleが読める、読書専用端末Kindleリーダーを取り入れたことで、わたしの生活に再び読書の時間が生まれた。その魅力を3つ紹介したい。
1.Kindleリーダーは“読書しかできない”のが良い
スマートフォンやタブレットで読書すると、ついSNSやニュースアプリを開いてしまうことがある。しかし、Kindleリーダーは読書専用のデバイスであり、ブックマークやハイライト、電子書籍ストアといった読書に不要な機能は備わっていない。そのため、本を開けば自然と読書に集中できる。
また、通知が一切来ないのも大きな利点だ。スマートフォンでは、メールやSNSの通知が表示され、読書中でも気を取られてしまうことがある。しかし、Kindleリーダーにはそうした邪魔がなく、没入感を損なわずに本の世界に入り込める。
電子書籍のメリットを受け取りながらも、余計な機能が排除されているため、紙の本に近い読書体験を味わえるのが魅力だ。
2.Kindleリーダーは目が疲れにくい
目が疲れにくいこともKindleリーダーの魅力だ。スマートフォンやタブレットはディスプレイ自体から光を発するバックライト方式を採用している。そのため、液晶画面の明るさが目に負担をかけ、長時間の読書には向かないことがある。
しかし、KindleリーダーはE Ink(電子インク)技術を採用しており、紙のような質感で文字が表示される。このため、画面の明るさや反射による目への負担が軽減され、長時間でも快適に読書を楽しめる。
長く読書を趣味にしたいからこそ、目は大事にしたいもの。だからこそ、スマートフォンやタブレットではなく、Kindleリーダーを使って電子書籍を読むのがおすすめだ。
3.軽さと安さがありがたい
電子書籍を読むデバイスとして『iPad mini』を選ぶ人も多いが、同じくらいの画面サイズのモデル、『Kindle Paperwhite』と比較すると、読書専用のデバイスを求める場合はKindleリーダーの方が適していると感じた。
Kindle Paperwhite シグニチャーエディション (第12世代) | iPad mini (第7世代) Wi-Fiモデル | |
価格(税込) | 32,980円 | 78,800円〜 |
発売年 | 2024年 | 2024年 |
画面サイズ | 7インチ | 8.3インチ |
重量 | 214g | 293g |
(出典:Kindle Paperwhite シグニチャーエディション、iPad mini 商品ページ)
例えば、『Kindle Paperwhite』と『iPad mini』の本体重量の差は79g。短時間の読書では気にならないかもしれないが、長時間読むとなると、少しでも軽い方が負担も軽い。特に、わたしの場合、寝転びながら本を読むこともあるので、手首にかかる負担を減らせる点は重要だ。
価格の面でも、『Kindle Paperwhite』は『iPad mini』の最安モデルに比べて45,820円安く、手に取りやすい。さらに、Amazon系のデバイスは定期的にセールの対象になるため、よりお得に購入できる機会も多い。
コストを抑えながら快適な読書環境を手に入れられるKindleリーダーは、読書専用のデバイスとして申し分なく使えるだろう。
電子書籍ならではのメリットも

Kindleリーダーの魅力について語ってきたが、電子書籍全般にも紙の本にはないメリットが挙げられる。
1.デバイスをまたいで読書できる
電子書籍の大きなメリットのひとつは、デバイスをまたいで読書できることだ。例えば、移動中の隙間時間にはスマートフォンで読み、じっくり読書時間を確保できたときはKindleリーダーで続きを楽しむといったシームレスな読書体験が実現できる。クラウド上で進捗が同期されるため、デバイスが変わってもすぐに続きを読み始めることが可能だ。
また、わたしは10.2インチのiPadを持っているため、図や写真が多い本はiPadで、長文をじっくり読みたいときはKindleリーダーで、というように使い分けている。
生活スタイルに合わせて最適なデバイスを選べる電子書籍は、仕事や子育てに忙しい今のわたしにとって非常にありがたい。
2.音声読み上げという選択
電子書籍のもうひとつのメリットは、スマートフォンやタブレットの読み上げ機能を活用して、耳で本の内容をインプットできること。
特に、家事をしながら読書を楽しみたい人には最適だ。例えば、洗濯物をたたみながら、料理をしながらなど、手がふさがっている状態でも本を聴ける。また、長時間ディスプレイを見続けると目の負担が大きくなるが、音声読み上げを活用すれば、その心配もない。
わたしの場合、ビジネス書や実用書など、一度頭に入れたい本を音声で聴き、その後、改めてKindleリーダーで読み返すことが多い。短期間で効率よくインプットしたいときに重宝している。
読書のある日常にKindleが戻してくれた
こだわりの装丁、ページをペラペラとめくる感触、読み進めるたびにページが減っていく達成感…。紙の書籍には電子書籍にはない魅力があることは十分わかっている。それでも、仕事と家事と子育てに追われるなかで、読書を身近にしてくれたのはKindleだった。
子どもを寝かしつけた後、わたしが布団から出ると起きてしまいそうなタイミングでは、Kindleリーダーで静かに読書をする。料理をしながら専門書を音声読み上げでインプットする。念願のひとり時間には、Kindleリーダーにたくさんの本を詰め込み、お気に入りのカフェでそのときの気分に合わせて読む本を選ぶ。
気が付けばスマートフォンに手を伸ばしてしまいそうな毎日に、Kindleが読書時間を取り戻してくれたのだ。