高校生のときみたいに、コスメのパッケージにときめきたい

スキンケアもベースメイクもポイントメイクも、最近はコスメをひとつ買うだけで、SNSの投稿や口コミ、成分表までくまなくチェックしている。本当にいいものだけを使いたいから、たとえプチプラだとしても、下調べを欠かすことはない。

そうやって情報を集める過程も楽しいし、コスメ選びで失敗することはほとんどなくなった。だけどふと、昔はコスメを買うときに、もっと「ときめき」を感じていたなと思い出した。

初めてコスメに「ときめいた」日

私が初めていわゆる「デパコス」を買ったのは高校1年生のとき。少ないお小遣いをやりくりして貯めたお金を持って、デパートの化粧品フロアに向かった。フロア全体に漂う独特ないいにおいにワクワクしながら、いろいろなブランドの店頭を眺めていく。店員のお姉さんに話しかけられてどきまぎして、それでも本当にほしいものを見極めようとしていた。

そのとき、身体に電流が走ったように、一気に引き寄せられたブランドがあった。薄いピンクを基調とした店内に、ところ狭しとキラキラしたコスメが並べられている。シルバーのパッケージにクラシカルな装飾があしらわれていて、まるで宝石のよう。とにかくすべてがかわいくて、夢中になって見入ってしまった。

一瞬で、初めてのデパコスは「ここで買う！」と決まった。そして、ファンデーションとアイシャドウパレットを買った。そのとき、口コミだとか評価だとかは、まったく考えていなかった。とにかく、パッケージに「ときめいた」から、何も迷うことなく買ったのだ。

今振り返ると、これが私にとって初めての「パケ買い」だったと思う。

その後も、このブランドのコスメは新作が出るたびにチェックして、お小遣いに余裕があれば買ったし、大学生になってアルバイトを始めてからは、けっこうな金額をつぎ込んだ。

自分の好きを具現化したようなパッケージだったし、周囲の友達から「似合ってる」「“っぽい”よね」と言われるのもうれしかった。そして「自分の好きなもの、似合うものはこれ！」と自信を持って言えることが誇らしかったのだ。

実は、初めて買ったファンデーションとアイシャドウはもちろん、このブランドのコスメは使い切ったあとも、とってあるものが多い。パッケージがかわいすぎて捨てられないのだ。どこかに飾るわけでもないのだけれど、宝石箱の中に閉まってあるような感覚で、たまに出しては眺めてうっとりしている。

正直、自分の肌質やパーソナルカラーには合わないものもたくさんあった。だからこそ、徐々にそのブランドのコスメを買う機会は少なくなっていってしまったのだと思う。

自分に合っていて、世間の評価も高くて、厳選された「一軍コスメ」だけを使っている今。それはそれで満足しているし、メイク上級者のような気分でいられるけれど、初めてコスメを買った日の「ときめき」を忘れるのはさみしい気もする。

久しぶりにあの「ときめき」を思い出したい

それが最近、久しぶりにパッケージに「ときめき」を感じるコスメを見つけた。韓国コスメブランド「オルタナティブステレオ （alternativestereo）」の新製品、「Lip & Cheek Blushing Pendant（リップ＆チーク ブラッシング ペンダント）」だ。

まず何より、ケースの形がかわいい。小さな宝石箱のようで、私の秘められた「女児心」をくすぐる。さらに、表面には透け感があって飴玉のようなかわいさだ。

高校生のころ、初めてときめいた「キラキラ＆クラシカル」なデザインとは少し違うけれど、成長した今の私には、子どもの遊び心と大人のこなれ感、どちらも併せ持っている感じが、ど真ん中で刺さった。

はじめはパッケージにときめいたけれど、くわしく調べてみると、コスメとしても優秀そうだ。使いやすい色味のリップ＆チークが2色並んでいて、簡単にレイヤリングしたり重ね塗りしたりできる。ツヤ感のあるテクスチャーも私好みだ。

荷物を少なくしたいから、コスメは基本的にリップ1本しか持ち歩かないのだけれど、これなら小ぶりでかさばらないし、実質リップ2本とチーク2色を持っているのと同じこと。「ときめき」だけでなく、「機能性」の面でも惹かれてしまう。

ちなみに、使いやすそうな色味で、パッケージのローズピンクがかわいい「04 ロージークウォーツ」と、水色のパッケージがおしゃれすぎる、日本限定カラーの「08 ムーンパール」が気になっている。

一般販売は3月20日から。全国のロフトやPLAZAでは、3月1日から先行発売されるそう。

実はこのごろ、コスメはもっぱらネット通販で買ってしまっている。事前にくまなく調べているので、実物を見たり試したりする必要性があまりないからだ。でも今回は、久しぶりに店頭まで赴いてみようと思う。高校1年生のあの日のように、コスメのパッケージにときめいて高揚する気分を味わいたいから。