家でも、おいしいコーヒーが飲みたい

カフェ巡りも楽しいけれど、家でカフェのようにくつろげたらとっても気楽。素敵なカフェの条件ってなんだろう。やっぱりおいしいコーヒーかな。

そんな風にはじまった、夫と私のコーヒー修行。まだまだ道半ばだけれど、じっくり淹れるコーヒーのおかげで、家がうんと心地よい空間になりつつある。

わたしのこと

  • 年齢:30代
  • 性別:女
  • 職業:PRプランナー
  • ライフスタイル:一児の母、インドア派時々アウトドア派、朝型、コーヒーはブラック派

おうちコーヒー、始めます

夫も私も、お酒が大好き。ふたりして浴びるように飲んできた人生だった。

だから、私の妊娠はふたりの生活に大きな変化をもたらした。もちろん私は、すぐに断酒。そして、健康診断で肝臓の数値の悪さを長年指摘されてきた夫も、「いい機会だから」と一緒にお酒をやめることになった。

もうひとつ、大きな変化があった。妊娠をきっかけに私が甘党になったのだ。以前は、砂糖の入ったものを思い浮かべるだけで気持ちが悪くなるぐらいだったのに。齢34にしてスイーツの素晴らしさを知り、夕食後は毎日のように夫婦でぱくつくようになった。

飲んで騒いで倒れるように寝落ちする生活から、ジャズなんかを聴きながらまったりとスイーツを食べてくつろぐ生活へ。まるで、家が居酒屋からカフェへ生まれ変わったかのよう。そうとなると、どうしても欲しくなるのがおいしいコーヒーだ。

ふたりとも、コーヒーは好きだったけれど、家で飲む習慣はなく、こだわりも強くなかった。飲むときは、もっぱらスターバックス。浅煎りと深煎りの違いはなんとなくわかるけれど、品種を言われてもピンとこない。

10年以上前、少しだけハンドドリップの練習をしたことはある。けれども、当時買った電動ミルは、キッチンの棚ですやすや眠っていた。

いざ、おいしいコーヒーの探求をはじめよう。まずは、コーヒー豆を探すところからだ。

増えるこだわり

自家焙煎など、こだわりのコーヒー豆を買えるお店は、出かけた先の町に大抵1店舗はある。私は苦味の強いタイプが好きで、夫は酸味の強いタイプが好きだから、店員さんに好みを伝えて何種類か購入することにしている。妊娠していたころは、カフェインレスのコーヒー豆を買い求めていた。

気に入ってよく訪れているのは、麻布台や下北沢、桜新町にある『オガワコーヒーラボラトリー』。コーヒー豆の種類が多く、それぞれのフレーバーを示したチャートもわかりやすい。

『オガワコーヒーラボラトリー』のラインナップの中には、“スペシャルティコーヒー”とされている、100gで4,000円ほどするコーヒー豆もある。普段から飲むにはお高いけれど、夫の誕生日プレゼントにはぴったりだった。「なんか、コーヒーじゃないみたいだね」としみじみしてしまったほどの、芳醇な香りが忘れられない。

せっかくいい豆を買っているのだから、と、次第にコーヒーの淹れ方にもこだわるようになった。というより初めの頃が適当すぎたのだ。大さじ2杯分のコーヒー豆に対して、お湯はマグカップいっぱい、じゃぼじゃぼと注いでいた。今考えると、お湯の量が多すぎたため、悲しいほど薄いコーヒーになっていた。

ある日、コーヒーのおいしい淹れ方を調べた夫から指令が出た。コーヒー1杯あたり、コーヒー豆は15g。お湯は250cc。しっかりスケールで測って淹れること。

「なんだかパンチがないなあ。コーヒー水みたいだなあ」なんて思っていたカフェインレスコーヒーも、夫の言う分量で淹れてみたところ、普通のコーヒーのようにおいしく飲めるようになった。

コーヒーを淹れるタイミングはさまざまだ。初めは夕食後にスイーツと合わせて飲んでいたけれど、子どもが生まれて目覚めが早くなってからは、朝に淹れることも多くなった。休日は、多めに作ってタンブラーに入れ、ドライブ中の気分転換用のために持っていくこともある。

コーヒーを楽しむ道具

コーヒー豆を挽く電動ミルは、カリタのセラミックミル C-90を使っている。これは、10年以上前、私がひとり暮らしをしていた頃に買ったものだけど、先述したとおり長いこと使っていなかった。豆を挽く粗さを9段階で変えられるのが便利だ。音はかなり大きくて、話している声が聞こえなくなるぐらいではあるものの、手動のミルと違って早く挽き終わるので大して気にならない。

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使っているドリッパーは、これまた10年以上前に買ったカリタのガラスドリッパー185ドリッパーには一つ穴のものと三つ穴のものがあり、穴の数によって味わいに違いが出るという。こちらは三つ穴だ。公式サイトによると、三つ穴は「長時間フィルターとウェーブゾーンにコーヒー液がとどまらないので、雑味成分の抽出が少なく美味しさだけをドリップ」できるのだそうだ。

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このドリッパーに、最初はスーパーで適当に買った安いペーパーフィルターをセットしていたが、専用のウェーブフィルターを使うようにしたところ、抽出の速度が上がってさらにおいしく飲めるようになった。

コーヒーを淹れるマグカップも大事だ。新婚旅行で訪れたミラノの『スターバックス・リザーブ・ロースタリー』の黒いカップは、ざらりとした質感がお気に入り。最近、イッタラとミナ ペルホネンがコラボしたマグカップも買い足した。北欧を思わせる木々や動物のイラストがかわいらしく、眺めていると心がゆるっとする。

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おわりに

朝、目覚めたときに聞こえる、夫がコーヒー豆を挽く音が好きだ。挽きたてのコーヒーのいい香りに包まれて、心地よく一日が始まる。

窓を開け、鳥のさえずりを聞きながら、本を片手にコーヒーを飲む。幸せって、実はこんなにすぐ手が届くところにあるんだ。陳腐かもしれないけれど、そんな風に思う。

東樹詩織

食や旅の領域でPR・ブランディングに携わる傍ら、執筆活動を行う。アートと本にのめり込み、「as human footprints」名義でZINE出版を開始。写真と動画の撮影・編集も。最近の関心事は、アジア各国のカルチャー、映画、海外文学、批評、3DCG、AI。キャンプ好きが高じて、東京↔︎信州・上田で2拠点生活中。