40代、ついにシミを取った。変わったのは肌だけじゃなかった

4月の終わり、ついにシミ取りをした。ついにというからには、長年の葛藤があったのだ。そして結果を先に記すと、いろいろと予想外だった

今回は、その紆余曲折と、なにがどう予想外だったのか、シミを取ってどうなったのかを紹介したい。

シミは5年前から気になっていたけど…

本格的にシミが気になり出したのは40歳を超えたころだ。

ファンデーションを塗れば気にならない程度の薄さだったシミが徐々に濃くなり、チークを塗るとよけいにシミが目立つようになってきたのだ。

たとえば青みピンクやパープル系のチークを塗ると、茶色のシミと混ざってグレーっぽくなってしまう。それではとコンシーラーを塗ると、逆にそこだけ浮いてしまい(これは私のつけ方の問題ではなく、肌質の問題だと思う)、いっそう手に負えなくなる。

スキンケアでどうにかならないかと試行錯誤はしたのだが、できてしまったシミは手ごわく、このシミをきれいにするには美容医療に頼るしかないと悟った。

私は稀代の痛がりだから

すでに5年前からシミが気になっていたにもかかわらず、なぜ今まで美容医療に手を出さなかったのか。

それはズバリ、私が稀代の痛がりだからだ。

友人の間で私は、「(私が言う)痛いは痛くないと同義」と思われており、私がなにかに対して「痛い」「痛かった」と訴えても誰も信じてくれない。それくらい痛みに敏感な体質なので、シミ取りレーザーの痛みが怖かったのだ。

シミ取り経験者に聞くと「まぁ多少は痛いけど、でも我慢できないほどじゃないよ~」というゆるふわな感想から、「すごく痛かった。ゴムではじく程度っていうけど、めっちゃ太いゴムだと思う」という屈強な感想まであり、そのたびに恐怖心が膨らんだ。

じつは5年の間にいちどだけ、美容クリニックに赴いてシミ取りのカウンセリングを受けたことがある。医師には「今日これから施術もできますよ」と言われたが、どうにも怖くて「やっぱり帰ります」となったのだ。医師は苦笑いしながら「そんなに痛くないんだけどなぁ」と言っていた。

悩むなら取れ!取らないなら悩むな!

そこまで怖がっていた私が、どうして今回シミ取りをする決心がついたのか。それはたぶん、シミに悩むことに飽きたからだと思う。

ここ5年、鏡を見るたびに、メイクをするたびに、「あーシミがあるのいやだなぁ。でもレーザーは怖いしなぁ」と悩んできた。そのグズグズな感情にようやく嫌気がさしたのだ。

もういい加減にしろ!悩むなら取れ!取らないなら悩むな!さぁどうする!と自分に詰め寄った結果、取る決心がついたように思う。

シミ取り当日。肝心の痛みはどうだった?

さて、諸々省いて、シミ取り施術当日まで話しを進める。

私が5年間恐怖におののいた痛みはどうだったのか。ギリ我慢できるくらいだったのか、それとも太いゴムでバッチーンとやられるくらいだったのか。

結果、どちらでもなかった。ほぼ痛くなかったのだ。あまりにも痛くもかゆくもないので、思わず「もう施術ってはじまってるんですか?」と聞いたら「はい、もうやってます」と言われた。
※補足しておくと、麻酔クリームを使用し、少し長めに時間をおいてもらっている

「へ~、全然痛くないんですね~、ふへへ~」と気の抜けた笑いと同時に、猛烈な怒りがわいた。怒りの矛先は、もちろん私自身に対してだ。

なんだ!こんなことならもっと早くシミ取りすればよかった!痛いかも~、怖いかも~で何年ムダにしたんだ!と。

百聞は一見に如かず

なにかことを起こすときに、情報を集めたり、実際に経験した人に話しを聞いたりするのはもちろん大切だけど、結局自分でやってみないと本当のことはわからないのだ。まさに、百聞は一見に如かず

でもこれと同じようなことは、これまでの人生で何度も経験している。そのたびに「百聞は一見に如かず」と思ってきたのに、また同じ過ちを繰り返している。いったい何度同じことを繰り返せば覚えるんだ私は…。

悩んだり考えたりする前にとにかくやる!自分でやらなきゃ真実はわからない!もう二度と同じ轍を踏むなよ!

パチンパチンとシミにレーザーを当てられながら、私はそんなことを心に誓っていた。

シミ取り後、どう変わった?

せっかくなので、シミ取りの経過も紹介したい。ちなみに私がやったのは下記だ。

・ピコスポット全顔シミ取り放題 1回
・トラネキサム酸&ユベラ内服 1か月
・ビタミンC内服 3か月
・ハイドロキノン&レチノール外用 3か月

もちろん日々の紫外線対策はかなりしっかり行っている。

左:シミ取り前の肌、右:シミ取り3か月後の肌

シミ取りをする前と3か月後の肌を比べると、正直そこまで大きくは変わっていない

濃いシミが少し薄くなって、頬にあるモヤモヤした色ムラが少なくなって、若干肌のトーンが上がった感じはするが、おそらくそれは自分だからわかる変化であって、人からはわからない程度なんじゃないかなぁと思う。

それでもやっぱり、気分がいいのだ。

好きなチークをつけられるようになった。最近では、青みピンクのチークにパープルのチークを重ねるなんて技も繰り出している。

ファンデーションも変えた。シミが目立たないという理由で長年地肌よりワントーン暗い色を使っていたのだが、調子に乗って一番明るい色に切り替えた。

髪の色も変えた。ずっとセルフカラーで済ませていたのに、美容室で韓国風の黒髪にしてもらった。

とはいえ別にシミがなくなったわけじゃない。なんならまだまだシミはある。なのに、心がこんなにも晴れるなんて思ってもみなかった。

きっとシミは、肌だけじゃなく心にも巣くっていたのだろう。そして心のシミは、かなりきれいに取り去ることができたようだ。なんだか、肌のシミがなくなるよりも満足感が高い気がする。

イトウ ウミ

昭和生まれのフリーライター。美容系メディアを中心に取材・執筆しています。今後はエッセイをたくさん書きたい!