バックパックひとつで10日間旅に出る。そんな旅が続くと欲しいものはだんだん変わってくる。かつては現地の古着、蚤の市で見つけた骨董品、手仕事が際立つ伝統工芸品。最近はそれが防犯グッズに変わった。そんな私が「これ、欲しい」と心底思ったのが、THULE(スーリー)のTSAケーブルロックだ。だってこれは、私のヒヤリハットな旅人生に、必要すぎるアイテムなんですもの。
バックパック旅の“隙”──軽やかさゆえの防犯リスク

バックパック旅の醍醐味は「軽やかさ」にある。預け荷物無しで飛び立てる快感は格別だ。飛行機はもとより、バスも列車も移動がスムーズ。
でも、軽やかさは、同時に「隙」でもある。
小さな隙間から忍び込んでくるのが、不安とかスリとか、そういうやつらだ。
ヒヤリの数だけ、防犯への愛が深まる

人は失敗からしか学べない。つまり、私は相当失敗している。
- ワイヤー南京錠で固定したのに、バッグごと持っていかれた事件(@ウィーン)
- メトロでバッグから小銭入れがスルリ事件(@パリ)
- スイカジュースに気を取られてバッグをガサガサされた事件(@バンコク)
- 南京錠が硬すぎて開けられずバスを逃した事件(@ベトナム)
南京錠付きの防犯ワイヤーでぎゅうぎゅうに縛ったはずのジッパーが、意外と簡単に「こんにちは」している瞬間を何度か目の当たりにしてきた。いつしか旅の前夜に荷物を触りながら「鍵、ちゃんとかかってる?」と自問自答する癖がついた。
それでも、旅はやめられない。
だったら、「失敗しにくい防犯グッズ」と付き合うしかない。
そんなときに見つけたのが、THULEのTSAケーブルロックだ。
TSAケーブルロック――なんだそれ? でも、欲しい

TSA(TS)ロックとは
そんな私が「これ、欲しい!」と膝を打ったのが、スウェーデン発のアウトドアブランドTHULEのTSAケーブルロック。これは、米国のTravel Sentry基準を満たしたTSA認可モデルである。
TSAとは、アメリカ運輸保安局(Transportation Security Administration)の略。物々しい名前だけれど、要するに「空港職員が壊さずに開けられる鍵」のこと。国際線で荷物を預けるとき、保安検査で怪しまれても、専用キーで開けられるから南京錠をバキっとやられずに済む。旅人にとっては、小さくて地味だけど、大きな安心をくれる仕組み。
TSAロックはもともとアメリカの国土安全保障省に認可された鍵で、当初はアメリカでのみ使われていたけれど、いまは世界中で利用されるようになり、「TSロック」と呼ばれている。
「スーツケース派なら“鍵はTS付きが当たり前」と思ってる人は多い。でも、そればバックパック派だって同じ。むしろ、だれでも触れるバックパックこそ、TSロックの恩恵を最大限に受けるべきである。
海外旅行でバッグの鍵をどうしてる?と聞かれ、“南京錠でがっちり”と答えていた過去の私。何度も失敗した末に、軽くて機能的な鍵こそ正解であることに気づいた。
見た目と機能、両方そろった「できる鍵」
とはいえ、正直、THULEのTSAケーブルロック公式サイトを見たときは、「ふーん、ただの鍵じゃん」と思った。でも、THULEのTSAケーブルロックは、その“ただ”が、ものすごくよくできている。

何がいいって、“見た目がごつくない”。
私は「ゴツいセキュリティ感」が苦手で、いかにも“やってます!”みたいなのが恥ずかしい。
でも、THULEのTSAケーブルロックは、主張しすぎず、でも賢そう。バッグの中で眠らせるには惜しいくらい、ロジカルで美しい。
ステンレス鋼のケーブルと使いやすい番号式は、貴重品を安全に保護しながら必要に応じて簡単に施錠、解錠ができる。バックパックはもちろん、ダッフルバッグ、スキーバッグ、スーツケースなど、ロッカブルジッパーを採用したさまざまなラゲッジ製品に対応しているのもポイント。
ツーリスト目線で感じたTSAケーブルロックの「本当の価値」

軽さこそ正義、だが安心感も欲しい
少しでも荷物を軽くしたいバックパッカーにとって、重量50gのTSAケーブルロックは決して軽いとはいえない。でも、何もつけないほうが「重い」不安を抱えてしまう。
TSAケーブルロックは小さい。でも頼れる。外側のジッパーがちょっと緩んでも、これがあるだけで心が軽くなるだろう。
ジッパー二段掛けに便利なフレキシブル構造
以前、トルコのバザールで買った布バッグに南京錠を無理やりつけたら、バッグの糸がほつれた。THULEのTSAロックなら、柔軟なケーブルが布もジッパーも外すことなく包み込んでくれそう。私のような雑な扱いでも大丈夫そうなのが嬉しい。
保安検査でこじ開けられる心配なしの安心設計
TSA職員に検査される国際旅でも、鍵をこじ開けられて壊れる恐れなし。彼らが目の前でスムーズに開けて、再施錠してくれる姿を心の中で「いいぞ、そのまま」と見守る私は、いっそ頼もしさすら感じることだろう。
TSAケーブルロックは“安心の最小単位”

旅は軽やかでいたいけど、防犯をおざなりにしたくない。
THULEのTSAケーブルロックは、その矛盾を解決してくれるプロダクト。
鍵にときめくなんて、昔の私なら信じなかった。でも、旅を重ねて、失敗して、やっと「本当に必要なもの」が見えてくる。
最後にひとこと言わせてほしい。
この鍵、絶対買う。
むしろ私みたいな人間が持たずにどうする。
「防犯?大丈夫っしょ」と言っていた過去の私を、軽く殴ってやりたい。
軽さと安心。美しさと賢さ。
THULEのTSAケーブルロックは、旅人の“わがまま”に、たった50gで応えてくれる防犯ギアなのだ。
たくさん失敗して、ようやく選べるようになった道具って、ちょっと誇らしい。
さて、私の次の旅はベトナム。もちろん、THULEのTSAケーブルロックをバッグに忍ばせるつもり。
「大丈夫」と言い聞かせるよりも、確かな安心を手に。
無骨で静かな相棒とともに、新しい景色へー。
【THULETSAケーブルロック】
カラー:Black
価格:¥3,080(税抜価格¥2,800)
サイズ:約3×1.5×9.5cm
重量:約50g