2025年8月28日、株式会社しかくいまるは、関西で活躍するライター・編集者を対象としたオフラインイベントを開催しました。セミナーと交流会の2部構成で行い、キャリアやスキル、そして日々の悩みを共有する場となりました。

イベント開催の背景
株式会社しかくいまるは、オウンドメディアの運用支援をはじめ、WEBコンテンツやクリエイティブ制作に携わってきました。代表の伏見も長く業界に関わるなかで、記事コンテンツの“質の低下”を肌で感じています。AIが記事を自動生成できるようになり、ライター人口は増えている一方で、「選ばれ続けるライター」になるのは簡単なことではありません。
そこで今回は、これからのライターに必要なスキルを考えるセミナーと、参加者同士が本音で語り合える交流会を企画。特に大阪での開催とすることで、関西のライター同士が直接つながり、首都圏では得られにくいリアルな交流や学びを持ち帰れる場を目指しました。
第1部:現代のライターとしての適正なスキルとは

背景にある「質」の低下
セミナー冒頭、「勝手ながら、“質”の低下を嘆いています」と切り出した伏見。クラウドソーシングの普及による低単価案件の増加、SEO至上主義で量産される表層的な記事、AIツールで自動生成された独自性の乏しいコンテンツ──。こうした状況のなかで、十分なリサーチや推敲に時間をかけられないまま記事が作られ、業界全体の水準が下がっていると指摘しました。
「低単価案件はライターのモチベーションを奪うだけでなく、質を上げる努力すら阻む要因になります」「AIは確かに便利ですが、そこに人間ならではの視点や深掘りがなければ、読者に届くものにはなりません」
現場を知る立場からの言葉に、参加者は深く頷いていました。

ライター戦国時代に必要なスキル
まず挙げられたのは、リサーチ力と提案力。
「クライアントの意向をくみすぎると、結局“読まれない記事”になってしまいます。ライターは常に読者に向き合い、どうすれば響くのかを考えるべきです」
そのためには案件ごとに的を絞って調べる“短距離型”のリサーチと、日頃から幅広く情報を仕入れる“長距離型”のリサーチを使い分けることが欠かせないと説明しました。
次に挙げられたのが文章構成力と企画力です。
「記事は構成が導線になります。読者が最後まで読み進められるように、タイトルやリード、見出しを工夫して設計しなければなりません」
また、同じテーマでも切り口を変えて企画化できる力があれば、差別化につながり、企画段階から任せてもらえる存在になれるとも話しました。
そしてセルフブランディング力についても言及しました。
「自分の得意分野や専門性を明確に打ち出してください。“SEOに強い”“インタビューが得意”など、具体的に示せると発注者にとっても安心材料になります」
さらに、ポートフォリオを整えておくことで選ばれる理由を視覚的に示せると強調しました。

いちばん大切なこと
最後に伏見は、スライドに大きく掲げられた言葉を紹介しました。
「いちばん大事なのは──自分を知ることです」
自分の適性・特性・個性をどう活かすのか、どこを伸ばせばより輝けるのか。業界の環境が大きく変わる今だからこそ、自分自身としっかり向き合う必要があると呼びかけました。
会場ではうなずきながらメモを取る姿が多く見られ、「自分にとってのスキル」や「数年後の理想像」を考えるきっかけを得ていた様子でした。
第2部:交流会 ライター同士でリアルに語ろう

交流会では、事前質問に答える形から始まり、次第に参加者同士の意見交換へと発展しました。
「発注者目線でどんなライターに任せたいか」「単価をどう上げていくか」といった実務的なテーマに加え、「企画まで担えるライターの価値」「編集者からライターに転身した経験」「ディレクターが進捗管理にとどまっている現状」など、多様な視点が飛び交いました。
副業ライター、フリーランスライター、それぞれの立場からリアルな課題感が語られたのも印象的でした。率直な声を共有し合うことで互いの気づきにつながり、「よりよいアウトプットを目指したい」という熱量が会場全体に広がっていました。
まとめ
今回、高知から遠征して参加してくださったライターさんもおり、オフラインならではのつながりを感じられる会となりました。参加者のみなさんからは、以下のような声をいただきました。
- みなさんの体験談を伺えてとても学びになり、今の自分ができることをまたしっかりがんばろう!と気合を入れ直せました。
- やっぱり同業の方々と交流できるのはいいなぁと思いました!
- また関西でイベントしていただけたら喜んで参戦します!
こうした声に励まされながら、しかくいまるでは今後もライターや編集者のみなさんとともに、コンテンツの質を高め、業界を盛り上げていく取り組みを続けてまいります。ご参加ありがとうございました。