秋のアウトドア気分にぴったりの少女まんがはコレ!【少女まんがの沼から】

最近は急に冷え込んで、近づいてくる冬の訪れを意識する日々だ。

とはいえまだ本格的に寒くなる前の過ごしやすいこの季節、アウトドアのアクティビティに惹かれる方も多いのではないだろうか。

そこで今回の“少女まんがの沼から”では、登山やバイクなどアウトドアな活動がテーマの少女まんがをご紹介する。

まんがで楽しむ、アウトドア・アクティビティ

夏の暑さが遠のいて、秋が深まってくると、思いきり体を動かしたり、屋外に出て自然を堪能したりしたい気分。

実際に体を使うのはもちろん、アウトドアがテーマのまんがも読んでみるのはいかが?

アウトドア・アクティビティといえば…?

アウトドア・アクティビティ、略してアウトドア。日本語で野外活動とも言う。屋外で行う活動は何でもこの語で括れるので、そこに含まれる内容はさまざまだ。

すごく大まかに分類すると山でやるものと海でやるものに分けられ、山ならキャンプや登山、ハイキング。海なら海水浴や釣りなどが代表的なものだろう。

子どもの時分には誰しも、学校の校外学習でハイキングに行ったり自然観察をしたり、ボーイスカウトの活動を通して親しんだ経験があるはず。

大人になってから趣味で楽しんでいる方も多いことと思う。

アウトドアまんが

実際に体を動かすことがアウトドアの醍醐味のひとつではあるけれど、外に行きたい気分にさせてくれるアウトドアを扱ったまんがもまた魅力的だ。

アウトドアまんがで外せないのは、矢口高雄さんの『釣りキチ三平』

タイトルの通り釣りが大好きな少年・三平が日本や世界を巡ってさまざまな魚釣りに挑戦する、まんが界きっての釣りまんがだ。

作者の経験に基づいたリアルな釣りの描写が、釣り好きはもちろん、釣りになじみのない読者も魅了して、本編だけでも65巻も続く長寿作品になった。

最近人気のある作品では、あfろさんの『ゆるキャン△』が思い浮かぶ。

こちらは女子高校生たちがキャンプを楽しむゆるい日常物語。作者の経験が盛り込まれた魅力的なアウトドアの描写に、読むとキャンプに行きたい気分になってくる。テレビアニメ化、ドラマ化もされた人気作だ。

少女まんがに描かれるアウトドア・アクティビティ

アウトドアは自然相手だから、時には危険なこともあるし、体力も必要。そんなイメージがあると、「アウトドアな少女まんがなんてあるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれない。

けれど、少女まんがの中にも探せば意外とあるものだ。

代表的なのは海水浴・スキー・ハイキング

少女まんがで取り上げるアウトドア・アクティビティでぱっと思い付くのは、夏休みに家族や友だちと一緒に海水浴に出掛けるというパターン。でもこれは寒い時期にはあまり想像したくないシチュエーションなので、暑い時期に取り上げることにして今回は割愛する。

次に思い浮かんだのが、スキー。スポーツをテーマにした少女まんがは数多く、その中でもウィンタースポーツの花形であるスキーは、特に冬場に発表される1話読み切りの作品で描かれがちだ。でもウィンタースポーツはそれだけで特集を組みたいしなあ…という筆者の都合でこちらも割愛(近いうちにご紹介するつもりなので、乞うご期待!)。

それから学校行事でハイキングやちょっとした山登りに行く話も、低年齢向けの少女まんがでよく見かけるけれど、大人の趣味に合うものを取り上げたい今回の気分とはちょっと違う。

ステレオタイプを覆すアウトドア少女まんがを探して

こうして簡単に思い付いた海水浴・スキー・ハイキングを除くとすると…作品選定は少し難しくなる。

わたしが日頃主に読んでいるのは、昭和の時代の少女まんが。昭和の価値観を前提に描かれている作品が大多数だ。それはつまり、「男は外、女は内」「女の子は大人しく慎ましやかに」といった固定観念が色濃いことを意味する。

少女まんがの中で女の子たちに与えられる趣味は料理に手芸、お琴にお花などといったところ。

アウトドアは男性の趣味と捉えられがちで、少女まんがに登場する場合も、どうしても“外に行った男性の帰りを、女性がじっと耐えて待つ”展開になりがち。

でも実際にはアウトドア・アクティビティを楽しむのに性別なんて関係ない。せっかく取り上げるのなら女性が積極的にアウトドアを楽しんでいる作品がいい。

そう思って見つけたのが、次の項で紹介する作品たちだ。

アウトドアな少女まんが3選

現代を生きる大人のアウトドア気分にも合う、女性が自由にアウトドア・アクティビティを楽しんでいる少女まんがを3作ピックアップした。

登山に、バイクに、天体観測とモチーフも三者三様なので、ぜひ気になるタイトルを手に取ってみてほしい。

山に魅せられる。吉田秋生さんの『海街diary』

2015年に実写映画化されて話題を呼んだ、鎌倉が舞台の四姉妹の物語。

姉妹3人で暮らしていた香田家に、父の死をきっかけに父の再婚相手との子・すずがやってきて、一緒に暮らすことになる。彼女たちの悩みや葛藤を丁寧に描写し、次第に四姉妹が本当の家族になっていく様子を追い掛けている。

全体的には夏の雰囲気が漂い、アウトドアがテーマの作品というわけでもないけれど、終盤に登山のエピソードが登場する。

三女・千佳の彼氏、浜田は登山が趣味なのだが、過去のエベレスト登山で負ったトラウマが原因で、山から遠ざかっていた。一方の千佳は、浜田と一緒に登山に行くことを夢見ているのだが…。

浜田のトラウマ克服に、出産や結婚といったライフイベントも絡んでくる。 登山の感動的なシーンはもとより、現実の暮らしに即した物語なので感情移入しながら読みやすい作品だ。

2000年代に入ってからの作品なので、やっぱり感覚が現代に沿っているということもあるのだろう。

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レーサーのかっこいい姿に痺れる!上座理保さんの『RUNNING』

オートバイに惹かれ、その楽しさに目覚めていく女の子の姿が描かれる、かっこいい作品がこちら。

凄腕のバイク乗りに才能を見出された主人公・充緒は、3日間の特訓で免許を取り、レースに挑戦することになる。

バイクに夢中になっている彼女はキラキラ輝いていて、泥臭い練習風景も素敵に見えてくる。また、同じくバイク乗りの男の子との恋愛模様も見どころだ。

“レーサーの帰りを心配しながら待つしかない女性”として描かれる先輩の彼女と対比されることで、自らバイクを乗り回す主人公がより生き生きと映る。

精神性はもとよりファッションもかっこいいキャラクターが多く登場し、乗り物に興味のないわたしも「バイクかっこいいなあ」「こんな人たちと一緒なら乗ってみたいかも」なんて思いながら読んだ。

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星空を見上げてロマンチックな気分に。柊あおいさんの『星の瞳のシルエット』

上でご紹介した2作品とは違う方向性の、恋愛が主軸のロマンチックな少女まんががこちら。1980年代に雑誌『りぼん』で連載されていた当時、人気No.1を誇った大ヒット作だ。

幼い頃に見知らぬ男の子に“星のかけら”をもらった思い出を、大切に胸に抱いているヒロイン・香澄。彼女はその“すすき野原の男の子”を思いつつも、新たに出会った文武両道なイケメン同級生に惹かれていく。そしてその恋は彼女の優しいゆえにはっきりしない性格が災いして、友人と泥沼の三角関係に発展していき…。

そんな香澄が高校生になって、相手の男の子と共に入部するのが天文部だ。

星が持つロマンチックなイメージから、星を仰ぎ見るシーンがある少女まんがは数多あれど、日常的に天体観測をするシーンがあるものは珍しい。

ストーリーのキーワードになるのも“星のかけら”で、夜空と縁の深い作品である。

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アウトドア少女まんがのススメ

登場人物たちが趣味に打ち込み活躍する姿を見ていると、あなたも外に飛び出てアウトドア・アクティビティに取り組みたくなるかも。

秋深まるこの季節、少女まんがでアウトドアの気分を高めてみては?

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逆盥水尾

さかたらいみおと読みます。昭和の少女漫画が好きで、最近はもっぱら漫画を読みふけりながら普及活動をする日々です。