10月下旬、自宅で初めて本の虫干しを行った。
長らく自分の蔵書をきちんと管理したいと思いつつ、なかなかできていなかったところに、ようやく一歩踏み出せた形だ。
まだ虫干しできていない本も山のようにあるし、本の整理に当たって虫干し以外にもやりたいことはある。今回の作業はほんの序の口なのだけれど、本を大事に扱いたい気持ちを、まずは行動に移せたことを嬉しく思っている。
わたしのこと
- 年齢:30歳
- 性別:女
- 職業:少女漫画ライター
- ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク、夜型、外食派
虫干しを思い立ったきっかけ

もともと、わたしの本棚は絵本や文芸書がメインだった。
そこに自分の趣味の本を少しずつ買い足して、緩やかに蔵書が増えていくのが日常だった。
それが昭和の少女まんがを集め始めたここ数年で、数百冊の単位で一気に本が増えてしまった。
ネットオークションでまとめ買いをしたものも多く、自分が今何を持っていて何を持っていないのか把握しきれていない状態だ。
また、ほとんどが本棚に入らず、段ボールに入れたままになっていたり、床積みになったりしている。日差し避けのために布をかぶせているとはいえ、湿気や埃も気になる。
不本意ながらぞんざいな扱いになってしまっていても、どれもわたしにとって大切な本だ。できればきちんと整理・管理をして、良好な状態で保管したい。
そんな時たまたま目についたのが、何の気なしに手に取ったフリーペーパーの、虫干しのやり方について書かれたページだった。
今虫干しをすることにした理由
そのフリーペーパーには、虫干しに適した季節として、以下の3つが挙げられていた。
(後で確認したところ、媒体によって前後1ヵ月ほどの誤差はあるようだ)
- 7月下旬~8月頃
- 10月下旬~11月頃
- 1月下旬~2月頃
虫干しをするのに最適な日は、雨が少なくて湿度が低く(40~60%)・空気が乾燥していて・2~3日晴天が続いている日とのこと。
つまりそういった日が多いのが、この3つの時期ということなのだ。
折しももうすぐ10月下旬に入るところ。
ちょうど年内には蔵書整理を始めたいと考えていたこともあり、
「これは、まずは虫干しから、本の整理に着手するタイミングがきたということなのでは!」
とピンときたわたし。
フリーペーパーの記事にあったやり方に則って虫干しをしてみることにした。
また、わたしの目的は“虫干し”だけではなく、“本を大事に扱って長持ちさせること”、そして“自分が何を持っているのかきちんと把握すること”。
なので、虫干しが終わってからgoogleスプレッドシートに1冊1冊の情報を入力していくことにした。入力項目は、タイトル、著者・訳者・原作者、出版社、発行年月日、大きさ、ジャンル、状態など。
なるべく検索に引っ掛かるキーワードを多くして、今後の自分のデータ活用に役立てたい気持ちだ。
そして状態を記しておくことで、今のコンディションをなるべく維持しようという意識を持ちやすくなるのではないかと思っている。
便利なもので、現在ではgoogleスプレッドシートのデータを使って、オリジナルの蔵書管理アプリを手軽に作れるらしい。
アプリの作り方を懇切丁寧に解説してくれているサイトがいくつかあり、プログラミングの知識が皆無のわたしでもどうにかなりそうだ。
アプリで手軽に蔵書を確認できれば、たとえば出先で「シリーズものの何巻まで持っているのか」知りたくなったときに、即座に調べることもできる。
まずは虫干しを終わらせることが目標なので、アプリ作成は大分先のことになりそうだけれど…。
わたしがやった虫干しはこんな感じ
基本的に、わたしが最初に見た虫干しのやり方の記事通りに行っていった。
今回わたしのスケジュールの関係で虫干しをできる日が限られていたため、蔵書のすべてをやることは諦め、3日間でできるところまでやることに。
気温が20度以下の10~14時頃がベストタイミングで、概ねその通りのタイミングで実行することができた。
しかし3日間やったうちの最終日は午後雨が降ってきてしまった。
本当であればその日はやらない方が良かったのだろうが、雨が降り出す前に撤収したのでセーフということにしておきたい。
場所は風通しの良い日陰か、直接日光の当たらない屋内でとのことだったので、家の玄関からリビングまでの床を使った。
具体的なやり方は、“数回パラパラ捲ってすべてのページを空気に触れさせてから、本を立てて90度以上180度以内の角度で広げたまま数時間放置する”。

実際に並べてみるとこんな感じ。
横長の絵本などは1冊が占める面積が多いので、あまり量を並べられなかったが、単行本だとずらりと並んで圧巻だ。
床面積が限られているので、10~14時の間で2、3度入れ替えつつ、3日で800冊ほど虫干しをすることができた。
淡々と並べるよう心掛けたが、困ったことが2つ。
ひとつ目は、虫干しの途中でついつい読み耽ってしまうこと。
特にすぐ読み終わる絵本は、「どんな話だったかな」「懐かしいな」と最初から最後まで目を通してしまうことが何度もあった。
1冊にかかる時間は大したことがなくても、何冊も続けばいつの間にやら数十分が経っていることも。
ふたつ目は、ちょっとした衝撃でせっかく並べた本がすぐドミノ倒し状態になること。
ソフトカバーの本は、歩く時の振動や風など、本当にちょっとしたことですぐ倒れる。
1冊倒れれば連鎖反応で一気に倒れてしまうので、元通りに直すのに苦労した。
一度などは折悪しく小さな地震が起こって、なぜこのタイミングで、と泣かされた。
虫干しを終えたものから蔵書管理用のデータ入力をして、そこまで完了したら本棚に移すようにした。
3日間でデータを登録できたのは540冊だった。こちらの作業の方が時間が掛かるので、今わたしの部屋にはデータ入力待ちの本が山と積まれている。
虫干しをしてよかったこと

本を手に取ってみると、段ボールに入れっぱなしになっていたものだけでなく、本棚に並べていたものも思っていた以上に埃が溜まってしまっていた。
こまめに取り出したり、はたき掛けをしたりしなくては駄目だと分かってはいたものの、ちゃんと手を掛けてあげなくちゃなと再認識した。
それから、特に絵本に関して新たな発見が多かった。
昔はあまり面白いと思えなかったものも、時を経て見返すと何だか面白そうに見えてくるから不思議だ。
苦手だった絵がむしろ好ましく思えたり、文章の多い絵本のよさに気付けたり、自分の変化や成長も感じられた。
内容を全く覚えていなかったものや、持っていることすら忘れていたものも多々あり、そういったものはぱらぱら捲っているうちに中身が気になって、うっかり読み耽ってしまったわけだけれど。
それから蔵書管理のデータ入力作業の方では、以前古本屋でアルバイトをしていた際に、ネット通販のためにしていたPC業務を思い出した。
慣れてくると昔の勘を思い出して早くこなせたし、1冊ずつ状態や情報を確認するため、それぞれの本のことを記憶しやすくなったのでよかった。
蔵書整理はこれからも続く
虫干しは一度やったら終わりというものではない。
今回ひとまずこれまでの埃を取り払い、湿気もいくらか取れたと思うので、ぜひ継続的に虫干しをして状態をキープしていきたい。
年に3回もやるのはさすがに難しいかもしれないが…。
次の虫干しシーズンは1月下旬~2月頃なので、まずは残りの本をそこで整理するつもりだ。
本の虫干しをしたいと思っていた、という方も、よかったらそのタイミングで取り組んでみてはいかがだろうか。
虫干しができない12月の間、わたしは蔵書管理の方の作業を進めていきたいと思っている。
データを溜めるだけでなく、アプリの作成にも着手しなければ。
わたしの蔵書整理は始まったばかり。
無理せず、気長に、大切な本たちと付き合っていこう。



