「心が動く瞬間」という、わかるようなわからないことを切り取って言語化したい。
そんなことから心が動いた瞬間、とくに「選ぶ」ということに着目した連載をしております。
編集長自らの一週間のなかから“選んだ”ことをまとめた「今週の選択肢」。
第8回をお届けします!
話さなくても、いい(1月13日14時35分)
この日は昨年から決まっていた20代からの仲間内、5人組での新年女子会。
銀座で、個室で、香港料理!!…には、もちろんテンション上がるんだけど、じつはちょっと重たい気持ちを抱えていた。
もう長い付き合いだから、これまでそれぞれにいろいろな出来事があったし、そのたびに報告したり、相談したり、時にはみんなで涙したり…。大人になっていく過程の痛みを分け合った大切な友だち。
それなのに、わたしは今の自分の状況を“話したくない”と思っているところがあった。
わたしは本当に不器用な人間で…上手に嘘をつくことができないし、隠すこと、話せないことがあることですら嘘をついているような気持ちになってしまう。
そんな気持ちがもたげた要因のひとつに、集まるのがすごく久しぶりだからというのがある。それぞれ結婚したり、子どもをもったり、住む場所もバラバラになってしまった。仕事へのスタンスもだいぶ違う。
久しぶりに会う友人たちには過程を伝えきれないから「自分の気持ちが正確に伝わらないのであれば、話さないほうがいい」みたいな感情がとぐろを巻いてしまった。
単純に言えば、「何を話せばいいのかわからなくなってしまった」ってだけかもしれない。
会えなかった時間をさみしく思って、拗ねているのかもしれない。
料理はとてもおいしかった。
薬膳スープのくせになる不思議な味わいをみんなが個性的な表現をして、その語調が心地よかった。
大好きな友だちに対してそんな気持ちになる自分を責めたり、もっと会いたいタイミングはあったのにそのときには会えなくて、なんで今なんだろう…みたいなことも思っていた。
そして、わたしは自分の状況についてはあまり話さなかった。
聞かれなかったということもあるけど、わたしは静かに「きょうはわたしのことは話さなくていい」という選択をしていた。
「無理して話さなくてもいいんだよな」という当たり前のことがわたしをまた少し大人にした。
ドトールのハニーカフェ・オレ(1月16日13時42分)
なんだかずっと忙しない。会社もプライベートも変化のときだ。
性に合わないこともしている。何よりも苦手な事務仕事に追われていて、禿げてしまいそう…。
そんなとき、訪問先に早く着いてしまったので、近くのドトールに入った。
わたしは飲み物へのこだわりが強い。
まず、ぬるい飲み物が苦手で、そのくせ猫舌。冬でも氷入りのお茶を常飲している。
コーヒーが飲めるようになったのは30代後半だし、後味が残るものも好まない。
この日はそもそもアポイントまでのほんの少しの休息。きっと、ホットを頼んでもぬるくなる前に飲みきれる。風も強くて、気温も低い。温かい飲み物でほっとひと息するのがいい。
そんな気持ちで注文した「ハニーカフェ・オレ」。
やさしいはちみつの甘さがその温度にのせられて全身をめぐった。
自分の投稿を振り返ると、このときわたしは解放感を感じていたんだな。
たしかに最近、ちょっと忙しすぎていた。
たしかに、わたしは「ぬるい飲み物が苦手」という呪いが強すぎる。少しずつ温かい飲み物を飲む機会を増やしてみようと思った。
整体を予約する(1月19日9時58分)
身体が悲鳴を上げている。とくにお尻のほっぺのガチガチが過ぎる。
お風呂はゆっくり入るようにしてるけど、入浴中に思う「お風呂から上がったらストレッチしよう…」は百発百中でお見送りしている。ごめんよ、わたしの身体。
危険信号を感じたので、ハガキをもらっていることにかこつけてお気に入りの整体にLINEをする。
なんやかんやと2年半くらいお世話になっているこの整体は誰に当たってもハズレがなくて、本当に本当にお上手でいつも助けてもらってる(院長はとくにゴットハンド!)。
一時は回数券を清水買いして週2くらい通ってたんだけど、あまりに依存度が高い自分に焦って今はちょっと距離を置いている。ハガキが届いたら「そう言うなら仕方ないから行ってやる」みたいな謎の演技をひとりでしている。
わたしが富豪だったら隔日で行きたいくらいだけど、富豪だったらきっとこんなに身体はバキバキにならないよね。ままならない。