まだ明るいうちからお風呂に入るのが好きな話

いつもと違う非日常感を味わう手軽な方法。
そのひとつが、「まだ外が明るい時間帯にお風呂に入る」というもの。
なぜ昼間なのか?どんな楽しみ方をしているのか?「昼風呂派」のわたしの感性を言語化してみる。

あえて昼間、入浴する楽しみ

一般的な夜風呂ではなく、あえて昼間〜夕方にお風呂に入るのが楽しい。

きっかけはおうち時間の増えた時期。
当時住んでいた家は浴室が窓に面していて、光が入ってくる空間でのんびりと過ごすのが心地よかった。

  • 午後早めにお風呂を沸かして、試してみたかった入浴剤を入れる。
  • 防水ケースに入れたスマホを持ち込んで、お気に入りの音楽を流す。
  • ヘッドスパのような炭酸シャンプーをするなど、いつもよりゆっくりと体のメンテナンスに向き合う。

どれも時間がある日だからこそできる、ちょっぴりぜいたくな楽しみ方ではないだろうか。

湯気で浴室が温まったころ、少し熱めの湯船に浸かって深呼吸。

BGMを自然音(雨や川の音、蝉の声など)のASMRに切り替えて目を閉じれば、どこかの旅館や温泉宿へ旅行に来たかのような疑似体験も可能だ。

デジタルデトックスとは程遠いわたしはついお風呂の中でもSNSを見てしまうけれど、思い切ってスマホから離れる時間を作るのもありだろう。
休日ならドリンクを持ち込んで映画を観たっていい。

昼間、誰にもジャマされないお風呂時間には「わたしだけの自由」が待っている。

なぜ、夜でも朝でもなく「昼風呂」なのか?

毎日ではないにせよ、どうしてあえて昼間に入浴タイムを作るのか深掘りしてみよう。

明るい時間といえば朝シャンも昼風呂と似た良さがありそうなものだ。
でも、朝が苦手なわたしにとっては起きるだけでも精いっぱい…。

ただでさえお風呂って細々としたタスクが多く基本的に億劫なので、朝イチで眠気と闘いながら大量のタスクをこなせる気がしない(おそらく朝シャンをしたらそれだけで仕事を終えた気になって、ベッドに戻りすぐに二度寝に勤しむことだろう)。

夜は夜ですでに一日が終わってしまって、あとは寝るまでのタイムリミットをひたすらカウントダウンしているような気分になる。
もっともっとやりたいことは無限にあるけれど、自分の時間には限りがあるのだ。

ただ、昼間のうちにお風呂に入ってしまえば、その後は夜までたっぷりと時間を使える(実際一日の総活動時間は変わらないけれど、感覚として「まだ〇〇時間残っている!」という喜びが湧き上がる)。

その日のうちにやらなきゃいけないことがたくさん残っているとそれだけで体力を消耗するから、
「マストで行う入浴がすでに終わっている」状態に持ち込めるのはかなり楽。

わたしにとって毎日同じことを繰り返す生活は、ただただタスクを消化しているだけのような気がして飽きやすい。

昼風呂に慣れたら突然夜風呂に戻してみたり、入る時間帯も気分で変えてみたり。
「ルーティーンにならない程度のゆるい習慣化」はどうやら自分に合っているらしい。

人工的な照明の明かりが苦手

昼風呂が好きな理由として、もうひとつ思いつくものがある。
浴室の明るさだ。

わたしはLEDや蛍光灯の白い光が苦手。
自宅だけでなく、オフィスで働くときも照明が合わないとなんだかそわそわしてしまう。

集中力やクリエイティブ用の思考回路がうまく働かなくて、自宅やカフェで作業するよりも明らかにパフォーマンスが落ちやすい。

お店で洋服を買うときも、オレンジ系の照明のショップをより好ましく感じていることに気づいた。
インテリアショップで見かけるオシャレなペンダントライトや白熱電球などは大好物。

多分これは白系の光に感じるような、目に突き刺さるような眩しさや冷たさが軽減されるからだろう(あくまで感覚なので、実際に軽減されているかは別の話)。

わたしが住んでいた家の浴室は光がよく入り、昼間なら電気をつけずとも大丈夫。
自然光が差し込む明るい空間は例えるなら温室のようで、それだけでのびのびと過ごせて心地いい。

これが夜になると、一気に光の冷たさが増す。
蛍光灯が苦手なあまり脱衣所の電気だけを点けて入ることもあるが、そうなると浴室自体は結構暗くて、なんだか気分も沈んでくる。

だからわたしは、昼間〜日が暮れる前までの時間帯に入浴するのが好きなんだと思う。

入浴剤選びは自分へのごほうび

わたしは本来入浴を面倒くさいと思っているけれど、そんな自分をなだめてお風呂を楽しむためのエサ=ごほうびが入浴剤。

「LOFT(ロフト)」や「ナチュラルローソン」など、街のショップで入浴剤コーナーを見かけるとどれを試そうかわくわくしながら選ばずにはいられない。
特にお気に入りなのは「クナイプ(Kneipp)」のバスソルトや、バスクリンの「アーユルタイム」シリーズで、好きな香りはボトル買いも嗜んでいる。

「今日はどの香りにしようかな」とストックを見比べているうちに、入浴への心理的ハードルがぐんぐん下がっていく(ちなみにお試し用のシャンプーとトリートメントもストックしていて、たまに気分転換で違うものを使ってテンションを上げている)。

香りだけでなく、パッケージデザインも重要な決め手

わたしと同じく活字中毒な人にとっては、パッケージ裏に香りや世界観の説明文がある入浴剤ってたまらないのでは?
ポエムなどが書いてあった日には嬉しすぎて笑顔になる。

浴槽に浸かりながら、どんな表現がされているのか文章を読む時間もまた、バスタイムの楽しみ方のひとつである。

好きなタイミングでお風呂に入れる幸せ

あえて昼間に入浴を楽しむこと。
それは「いつでも好きなとき、思い立ったタイミングでお風呂に入れる」という環境があってこそ成り立つ幸せだ。

身体が重くてお風呂に行くのが面倒なときもあるけれど、自分へのごほうびだと思えば楽しみに変えられる。

次の休日はまた昼間からお風呂に入ろうかな?
日常の選択肢として、こんな考え方があってもいいよね。

織詠 夏葉

おりえ なつは。暮らしのメディア、おでかけメディアにてライターを務める。約3年間エディターやコンテンツディレクターとして稼働し、個人でも執筆活動を開始。映画や音楽、ファッション、雑貨、香水、推し活などに広く浅く興味津々。