超夜型の話〜朝苦手なわたしが社会生活を送るための習慣〜

パフォーマンスが出やすい時間帯は人によって違う。
わたしは超がつく夜型で、ネット上の診断で遊んでみてもやはり結果はそうだった。

社会生活は朝型のスケジュールが一般的だけれど、わたしのように夜型の人間もいるはずだ。

夜型の人間は普段どんなことを考えて、どんなふうに折り合いをつけながら生きているのか?
自分が心地いい生活のリズムについて思いを馳せてみる。

朝起きられないわたし

朝起きて一日の活動を始める。
これには結構、気合いがいる。
まず布団から起き上がることが第一の試練だ。

アラームはスヌーズ前提。
起床予定時間の何十分も前から2台体制で鳴らして、何度も止めながらようやく起きなければという気になる。
二度寝どころではない。ひどいと五度寝くらいまでいく。

とある目覚ましアプリを入れてから寝坊自体はなくなったけれど、目が覚めていても体を起こす気になれるかどうかは別だ。

たとえば誰かとの約束の時間がなく自分のタイミングで行けばいい用事(買い物やおでかけ)なんかは、起き上がるまでに強めの決意が必要。

楽しみにしていた予定すら「なんで今日にしたんだろう…休みにしておいてよ…」と過去の自分に文句を言いたくなる(行ったらちゃんと楽しいのに)。

前日早く寝ようとしても、0:00〜2:00くらいには目が覚めてしまいその後3時間くらい眠れなくなるから意味がなかった。

ついでに過敏性腸炎の気配があるわたしにとって、起き抜けに胃腸を整えるまでがひと苦労。
とにかく朝からフルパワーで動くにはかなりの気合いがいる。

平日だろうと休日だろうと、朝活できる人が羨ましい…!

超夜型にとっての社会生活

社会に出てみると、一般的な企業のタイムスケジュール(勤怠時間)は、基本的に朝型の人間に合わせて設定されていると改めて気づく。
フレックスタイム制を導入している企業だってコアタイムはほとんどが日中だろう。

働き方やライフステージにもよるけれど、生活リズムを会社や学校のスケジュールに合わせている人は少なくないはず。
わたしも同じで、平日は午前中に始動して活動のピークタイムを作る必要がある。

ただし超夜型人間のわたしとしては、その時間帯に最高のパフォーマンスを出せるかと言われればかなり微妙。

本来は深夜0:00〜2:00あたり、一般的には“睡眠のゴールデンタイム”とも呼ばれる時間帯にこそスイッチが入る(なんなら3:00〜4:00くらいがもっとも調子がいいまである)。

早く寝ようと思ってもなかなか寝付けないし途中で起きるし、眠るのが遅いからさらに朝が辛くなるという悪循環。
学生時代はまだ体力があったから平日3時間睡眠でもなんとかやっていけたけれど、どうやらわたしは超夜型に加えてロングスリーパーのようなのだ。

10時間だって寝ていたいし、起きるのは12:00、いっそ14:00くらいがいい…!

心の叫びを突き詰めると、“自分は社会生活に向いていないのでは?”という思いもよぎる。

世の中が“朝”だとする午前6:00はほぼ深夜(これから寝る時間)の感覚で、9:00でもまだまだ早すぎるのが正直なところだ。

なんとか頑張って起きたとしても夕方くらいまでエンジンがかからないなんてこともザラで、朝なんて力の2割も発揮できていない

…そうはいっても、わたしは朝型サイクルの企業で働く身。
重たい体を起こし、すっきりしない脳とやる気をなんとか起動させなければ。

PCの電源を入れるようにそれができたら苦労しないのだけれど、人類は2024年になっても電脳化すら進んでいないのだから自力でどうにか乗り切るしかない(※)。

深夜残業代が出るなら早朝作業代もあったらいいのになぁ(多分、朝9:30からの会議ですら悲鳴を上げるようなわたしには適用されないだろうけれど…)。

※「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」を参照のこと。

超夜型が朝起きて活動するために取り入れていること

とにかく朝、決めた時間に目覚めることが第一の目標。
そしてダラダラせず支度を終えて、仕事なり用事なりを済ませに行く。

文字にすると簡単なのに、実際は自分の中の睡魔や甘えとの戦いだ。

わたしがなんとか日々やっていけている理由を振り返り、取り入れている習慣を挙げてみる。

  • 自分に合う目覚ましアプリを使う
  • スマホのアラームをスケジュール化して自動で鳴るようにする
  • アプリとアラームは別のスマホで設定する(2台体制)
  • 前日に着る洋服や持ち物の準備を終えておく
  • 仕事の日は朝からコーヒーを飲む
  • 会議はむしろ早めの時間に入れて強制的に目を覚ます
  • 休憩時間はなるべく遅く取る(一度かかったエンジンを切らない)
  • 日中眠たくなったら休憩時間に仮眠する

わたしの場合は、睡眠の深さを計測してレム睡眠のときに起こしてくれる目覚ましアプリ
が合っていた。

ただし何度かあったトラブルとして、“気づかないうちにアプリが落ちている”、“端末が勝手に再起動して設定が飛んでいる”、“充電ケーブルが外れて電源が切れている”ことがあり、寝坊してしまうことも…。

その対策として、2台のiPhoneを使って片方はアプリ、片方は自動アラームのスケジュールを設定している。
これならどちらかが落ちてしまっても大抵もう片方が鳴ってくれる。

遅刻や忘れ物対策としては、前日にすべての準備を済ませておき、朝は着替えてメイクするだけの状態にするのが有効だった。

朝の時間帯、わたしの頭は回転が鈍っているから、あれこれ判断したり思い出したりするのに向かない。
どうしても夜やる気になれないならその分早めに起きるのが重要。

コーヒーを淹れたり人と話してみたりするのも、強制的に体を動かすという点ではありだった(会議は本当はちょっとしんどいので雑談や軽めの朝会くらいがよい)。

いかに目を覚ましてスムーズにエンジンをかけるか。
そして、いかに一度かかったエンジン(=集中力)を切らさずに走り抜くか。

朝から効率よく働くには、トップスピードまで自分をもっていく習慣作りも大切だと思う。

朝型の社会に思うこと

自分に合った時間に起きて、調子のいい時間に作業する。
まだまだ世の中にはこの考え方で働ける会社は少ないように思う。

夜勤の職場を選ぶとか個人事業主になるとかの選択はもちろんあるけれど、
“自分のやりたい職種や仕事内容であるかどうか”に加え、“それで生計を建てられるのか”まで含めるとなかなか難しいのもわかるから、
今のわたしの肌感では“どこかで折り合いをつける”というのが着地点になる。

悩んだ末にわたしは、週5フルタイムだった会社勤めを減らして、半分は個人事業主として働くことにした。

定常的な収入源を確保しながら、自分の生活リズムに合った働き方の割合を増やす。
これが今できる自分への譲歩だったから。

いつか、企業に所属しながら好きな時間に働く…なんて生き方も選べるようになったらいいな。

今はまだ夢の夢かもしれないけれど、超夜型人間のわたしは今日も明け方近くにベッドへ潜り込みながらそう願う。

織詠 夏葉

おりえ なつは。暮らしのメディア、おでかけメディアにてライターを務める。約3年間エディターやコンテンツディレクターとして稼働し、個人でも執筆活動を開始。映画や音楽、ファッション、雑貨、香水、推し活などに広く浅く興味津々。