パン屋さんで爆買いしてしまうわたしたちへ

パン屋さんを見つけるとつい入りたくなる。
この習性を持つ人は、世の中にわたしだけではないだろう。

昔ながらの街のベーカリーショップは雰囲気込みでステキだし、
店主の人柄や、時代が変わっても“この街の味”として愛されてきた歴史に心惹かれる。
素朴ながら約束されたおいしさのパンが並ぶところも魅力だ。

おしゃれなブーランジェリーはまず外観からして絵になるし、
一風変わった種類のパンを置いているところも多くあって、
さながらケーキ屋さんのショーケースを眺めるときのようなワクワク感が詰まっている。

コーヒースタンド併設の小さなショップなんかもたまらない。
さりげなく街角に馴染んでいる風でいて、
ちょっと足を止めて立ち寄りたくなる質感や存在感も両立している。

近所だけでなく、おでかけした先でもお気に入りのパン屋さんに出会えると、
次から電車や車でその街に降りるのが楽しみになるよね。

わたしと同じくパン好きのあなたと、小さな幸せを共有したい。

好みのパンをトレイに乗せる楽しみ

なにか食べ物を買うとなったとき、わたしは選択肢が多い方がうれしい。

味の種類や見た目のバリエーションがたくさんあるほど、
“好きなものを選んで手に取れる”状況を楽しめるから。

パン屋さんには大抵、たくさんの種類のパンが並んでいる。
それがほとんどすべて自分好みのセンスで作られたものなら、なおさら気分は上がる。

どれを買おうか目移りしながら、
結局絞り込めずに次々とトレーに載せていく幸せといったら…!

一つひとつはそれほど単価が高くないから、油断してたくさん盛ってしまい、
レジで会計すると意外と金額が膨れていてびっくりするのってパン好きのあるあるでは?

でも、あれもこれもと爆買いする瞬間はとてもハッピー。
このワクワク感のためなら、わたしにとっては日々を楽しく生きるための必要経費だ。

お気に入りのパン屋さんたち


好みのパン屋さんはたくさんあるけれど、ここではその一部を紹介する。

R Baker

全国規模で展開されているパン屋さん『R Baker|アールベイカー』。
たまたま品川駅で期間限定ポップアップストアをやっていたタイミングで立ち寄った。

もちもちの生地のパンには米粉が使われているそうで、
どれを食べてもその食感と風味の柔らかさに感動する。

種類もたくさんあって、ベーグルやクロワッサン、カレーパン、あんぱんなど
洋も和もカバーしてくれるメニューの数々はいちどでは食べきれないほど。

このときは台湾風のパンを買ってみたらとてもおいしかった(画像右)。

丸型で手のひらに乗るくらいのサイズのピザもおすすめ(画像左)。
通常でも十分おいしいけれど、運よく焼きたてに出会えたらぜひ優先して食べてみてほしい。

衝撃を受けたレモン入りのスコーン
しっとりした食感でまったくパサつきを感じず、食べる手が止まらなくなった一品。

関東だけでもいくつかお店があるので、降りる機会がある駅では必ず立ち寄りたいお店。
カフェ併設の店舗もあるようだ(2024年4月時点)。

THE STANDARD BAKERS FARM

渋谷駅、JRではなく京王井の頭線方面のマークシティ1Fにある
『THE STANDARD BAKERS FARM(ザ スタンダードベイカーズ ファーム)』。

イートインコーナー併設で、平日は数量限定のトーストも店内で食べられる。

こちらのパンはどれも生地甘さがちょうどよく、しっとりしていて飽きが来ない
何度リピートしたかわからないほど、渋谷に行ったほぼ必ず立ち寄るパン屋さんだ。

食パンはプレーンのほかに、ドライフルーツが入ったもの
時期によってイチゴやチョコが練り込まれた変わり種もある。

カンパーニュもドライフルーツ入りのものがお気に入り。
とちおとめやオレンジピール、イチジクなど、種類によって異なるが、
こだわりを感じる味のラインアップが魅力的。

食事系のパンもおすすめで、チョリソーが入ったパンはピリ辛度合いがクセになる
ドリンクもテイクアウト可能で、コーヒーはもちろん、おしゃれなフレーバーソーダ系もおすすめ。

系列店の『THE STANDARD BAKERS』は関東中心に展開されているが、
大阪にも阪急梅田店があるらしいのでぜひ行ってみて!(2024年4月時点)

サンモリッツ名花堂

東京・麻布十番商店街に佇む『サンモリッツ名花堂 (St Moritz)』。

朝6時台から開いていて、
まさに“街のパン屋さん”といった外観や内装にグッとくるお店。

パンの種類も豊富で、サンドイッチ系から惣菜パン、カステラ系、ロールパン系など
かなり充実している上にオリジナル色の強いものも多い

昔ながらの“シベリア”や、ふわふわの“紅茶ケーキ”、
しっとりした生地にほどよい酸味が効いた“あんずジャムロール”が特におすすめ

パンはどれもラップにくるまれているのでテイクアウトにぴったりで、
手提げではなく紙袋に入れて渡してもらえるところもよきポイント。

店内にはちょっとしたお菓子やカップ麺、ジュース類なども売っている。

都内ど真ん中でありながらどこか懐かしいローカル感も漂い、
店員さんの雰囲気も親しみやすくて好きだ。

会計は現金のみ対応、定休日は月曜日と木曜日(2024年4月時点)。

タカセ洋菓子 本店

東京・JR池袋駅の東口、角に本店を構える『タカセ洋菓子』。
大正9年に創業された、ケーキやパンを取り扱う老舗の名店だ。

2Fは喫茶室、3Fはレストラン、9Fはコーヒーラウンジになっていて、
本店の裏には別館として『コーヒーサロン・タカセ』も営業している(2024年4月時点)。

サンシャイン方面に抜けようと通りかかるたびに目を惹かれる外観
先日、ついに前後の用事の兼ね合いがうまくいったので、何個か購入できた。

あんぱんはうぐいすあんと迷ったけれど、この日はこしあん(画像右下)と白あんを食べてみることに。

1個200円ほどの買いやすい値段ながら、上品な味わいに驚く。
あっという間に食べ切ってしまった。リピート決定のおいしさ。

マドレーヌ(画像左上)は見た目やパッケージも美しい
コーヒーや紅茶と合わせると、ブレイクタイムが至福のものになる。

塩めかぶパン(わさび入り)なる味のパンも目に留まって正直かなり気になったけれど、
気温の高い日で持ち歩く自信がなく断念。次回まだ販売されていたら試したい。

同様に、各種洋菓子やケーキも泣く泣く見送ったが、
ショーケースに並ぶ品々はどれもおいしそうなものばかりだった。

東京都内にも何店舗かあるようなので、最寄り駅が近いあなたはぜひ行ってみて(2024年4月時点)。

パン屋さんっていいな。

好みのパンが並ぶお店を見つけるとワクワクする。
あれこれ迷いながら、トレーに載せていく瞬間はいつもうれしくなる

日常の中で、ささやかな幸せを感じられる場所。
わたしにとってはそのひとつがパン屋さん。

新しい街に降り立ったら、必ずといっていいほどまだ行ったことのないお店がないか開拓する。

だんだん好みの生地の食感や味わいがわかってきて、
またひとつ自分との対話や好きなものの掘り下げができたような気がする。

生地はしっとりもっちり、クロワッサンなら表面サクサク。
甘さはほどよく重たすぎず、ちょっと変わり種の味がたくさん並んでいて、
値段はいちどに8〜10個くらい買うのを躊躇しなくていいくらい。

これはもしできたらでいいけれど、
オリジナルのブレンドコーヒーやドリンクも一緒に楽しめる。

東京近郊にそんなパン屋さんがあれば、ぜひ教えてもらえたらうれしい。

織詠 夏葉

おりえ なつは。暮らしのメディア、おでかけメディアにてライターを務める。約3年間エディターやコンテンツディレクターとして稼働し、個人でも執筆活動を開始。映画や音楽、ファッション、雑貨、香水、推し活などに広く浅く興味津々。