実は日本人の口に合う“フィリピン料理”を紹介したい

日本から飛行機で約4時間30分の国フィリピン。日本から近い国ではありますが、「何があるんだろう?」とイメージが湧かない方も多くいるでしょう。

そこで今回は、実は日本人の口に合う“フィリピン料理”をテーマに、フィリピン生まれ日本育ちの私がおすすめの逸品を紹介したいと思います!

フィリピンの食事スタイル

フィリピンでは醤油や香辛料がたっぷり入ったお酢、にんにくが多くの料理に使われています。フィリピンの醤油は塩味が強く濃い味で、お酢はさっぱりした味わい。全体的にこってりした味の料理が多い印象です。

ご飯は水分と粘り気が少ないインディカ米が主流で、メニュー構成はご飯+おかず1品~2品が一般的。大皿にドーンと盛り付けられ、各々自分のお皿によそい、ワンプレート風にして食べます!

また、右手にスプーン、左手にフォークを持って食べるのが基本的な食事の仕方です。家族間やラフな食事の場では“Kamayan(カマヤン)と言って、手づかみで食べることもあります。

カマヤンは親指以外の4本の指でご飯とおかずをつかみ、親指を使って口に押し出して食べるスタイル。手の平が汚れず、思いのほか綺麗に食べられるので少し不思議な感じがするかもしれません。

“Merienda(メリエンダ)”は欠かせない

撮影:南かいり

“Merienda(メリエンダ)”は日本で言うおやつタイムのこと。フィリピンでは、食事と食事の間におやつタイムをはさむ習慣があり、メリエンダをあわせると1日の食事が5回以上になることもごくごく一般的です。

私が育った環境では、昼食前、夕食前、就寝前を基本に、朝食前に食べることもありました。そのためフィリピンでは、いつでも小腹を満たせるように、バラエティー豊かなストリートフードがたくさんあります!

朝食なら、温かい絹豆腐にタピオカと黒蜜がたっぷりかかった『Taho(タホ)』

夕食前なら、素揚げしたバナナにたっぷり砂糖がかかった『Banana cue(バナナキュー)』や、魚の練り物を揚げた『Fish Ball(フィッシュボール)』などがとくに人気です!

これは外せない!フィリピンフードベスト3|料理編

ここからは日本人にはあまり馴染みがないけど、フィリピンではよく食べられているメニューを紹介したいと思います。

ベスト3では足りないくらい紹介したいおいしいフィリピン料理がありますが、そこをグッとこらえ、日本人の口に合うであろう3品を厳選しました。

1. Adobo(アドボ)

『アドボ』は醤油とお酢をベースにお肉を煮込んだ、フィリピンの代表的な家庭料理。レストランに行けば必ずと言っていいほどメニューに載っている国民食です!

シンプルな料理ですが、お酢の酸味と醤油のコク深い味わいがクセになり、ニンニクとローリエの香りが食欲をそそります。お肉はチキンや豚肉を使うのが定番。

個人的には、アドボは日本人の口にとても合うフィリピン料理だと思います。実際に我が家でもよく作りますが、夫がいちばん好きなフィリピン料理です。

少ない材料で簡単に作れるので、記事の後半でレシピを公開します!

2. Sinigang(シニガン)

『シニガン』もフィリピンを代表する家庭料理のひとつ。見た目が枝豆に似ている『タマリンド』という、甘酸っぱいフルーツを使ったおかず系スープです。

豚肉または、魚介類をメインに、トマトやオクラ、大根、ナス、空心菜といった野菜がたっぷり使われています。日本ではなかなか味わえないタマリンドの独特な甘酸っぱさと、具材の旨味が凝縮されたスープはハマる味わいです!汁も具材も、ご飯の上にかけて食べます。

3. Dinuguan(ディヌグアン)

ディヌグアン』は、豚の血と豚の内臓肉、香辛料を一緒に煮込んだ料理。見た目から若干のインパクトがあり、なかなか手が出しづらそうな料理ですが、フィリピンではいたって普通の家庭料理です。

日本にない味わいなので説明が難しいのですが、濃いめのビーフシチューに香辛料の酸味が加わった感じが近いかもしれません。豚の血を使っていますが生臭さはなく、食べてみると「意外とイケる」と思えるはずです!

実際にフィリピン旅行でディヌグアンを食べた夫は、料理の説明をしたときこそ引いていましたが、食べてみたら気に入ったようで翌日もリピートしていました(笑)。

これは外せない!フィリピンフードベスト3|スイーツ編

フィリピン人は甘党にとって天国だといえるほど、おいしいスイーツがたくさんあります!フィリピンの伝統的なスイーツの中から、私自身も大好きな個人的ベスト3をピックアップしてみました。

1. Leche flan(レチェ フラン)

『レチェ フラン』はフィリピンの伝統的なプリンです。プリン界では世界でいちばんおいしいのではないかと思うほど自信をもっておすすめします!コンデンスミルク(加糖練乳)とエバミルク(無糖練乳)がたっぷり使われていて、超濃厚な甘さと重みのある舌触りは、ひと口食べたら絶対にトリコになってしまうほど絶品。

「日本でも流行るのになー」と常々思うほど、いち押しのスイーツです!

2. Ginataang Bilo Bilo(ギナタアン ビロ ビロ)

ギナタアン=ココナッツミルクで煮た、ビロビロ=白玉という意味。名前の通りで白玉団子やサゴ(タピオカ)、バナナやキャッサバ(芋)、ジャックフルーツなどを砂糖たっぷりのココナッツミルクで煮込んだスイーツです。

スイーツ=冷たいものというイメージがあるかもしれませんが、ギナタアン ビロ ビロはできたての温かいうちが最もおいしいタイミング!こちらもまた濃厚な甘さがクセになる味わいです。

ウベ(紫芋)を使った紫色のギナタアンも人気があります!

3. Halo-Halo(ハロハロ)

『ハロハロ』は日本のコンビニで販売されていることもあり、聞いたことがある方も多いと思います。実はハロハロはフィリピンのスイーツ!「ごちゃごちゃ混ぜる」という意味で、具沢山のかき氷を混ぜて食べるスタイルです。

本場フィリピンのハロハロは、ウベ(紫芋)アイス、レチェ フラン、ナタデココ、サゴ(タピオカ)、小豆、バナナやマンゴーといったフルーツが定番の具材として使われています。The南国感を感じられる、見た目もカラフルなスイーツです。

これは外せない!フィリピンフード|番外編

フィリピンフードを語るのに外せないのが『Jollibee(ジョリビー)』です!ジョリビーは圧倒的人気を誇る、フィリピンのファストフードチェーン。日本にこそまだ進出していないものの、アメリカやシンガポール、ドバイなど世界各国に展開しています。

私おすすめのメニューは、スパゲッティとフライドチキン!スパゲッティはバナナが原料の甘い「バナナケチャップ」が使われている味付けで、知らずに食べるとびっくりする味です。

また、フィリピンでは、フライドチキンにグレイビーソースをつけて食べるのが定番。ほかにも、ライスが注文できたりと日本のファストフード店にはないメニューがあるので、観光スポットとして訪れても楽しめる場所です。

フィリピンに観光に行かれた際は、ぜひ一度はジョリビーに足を運んでみてください!

【レシピ公開】フィリピンの家庭料理「チキンアドボ」を作ってみよう!

材料

  • 鶏もも肉1~2枚
  • にんにく 3かけ
  • 玉ねぎ 1/2個
  • ローリエ 1~2枚
  • お酢 50ml
  • 醤油 50ml
  • 粗びき胡椒 適量
  • 塩 適量 ・油 適量

作り方

  1. 鶏肉は1口大、玉ねぎは粗みじん切りにする
  2. にんにくは皮をむいて、潰す
  3. フライパンに油をひき、にんにく、玉ねぎをいれ、香りが出るまで炒める
  4. 鶏肉をいれ、焼き目が付くまで炒める
  5. 塩、胡椒をふったら、お酢、醤油、ローリエを入れて煮込む
  6. 鶏肉に火が遠ったら完成

『チキンアドボ』は少ない材料で作れる上に、工程も比較的簡単なので料理初心者でも挑戦しやすいメニューです。

胡椒は「入れすぎたかも!?」と思うくらいたっぷり使うのが我が家流!また、お酢と醤油の割合は1:1で紹介していますが、好みによってお酢を多くしたり、醤油を多くしたりするのもおすすめです。

フィリピンは、週末でも行ける海外旅行先です!おいしいグルメがたくさんあるので、興味がある方はぜひ訪れてみてください。

南かいり

離島やビーチリゾート系のトラベルコーディネーターとして働きながら、現在はライターとして挑戦中。旅と海を愛し、隙あらばどこかへ飛んで行きます。「日焼けは化粧」が合言葉!