渋谷の道玄坂をのぼると、左側にあった新大宗ビルがなくなり、すっかり開放的な空間ができてしまっているではないか。空が広がっていて、月まで見える。でも、僕が道玄坂に求めるのはこういうことじゃない。
道玄坂に空が広がった
渋谷はいま、とんでもなくデカい再開発の真っただなかにあり、あちこちでビルをぶっ壊しては新しい施設を建てまくっている。渋谷へ行くたびに街が変わっていく。本当にワクワクする。
そして道玄坂も再開発の対象になっている。あるとき道玄坂をのぼっていると新大宗ビルがなくなっていた。その土地はまっさらになり、隣接するビルの裏側が見えているし、その場所からは月も見える。間違いなく眺めは良くなって開放的になった。
駅直結ビルができて便利になるらしい
この道玄坂の再開発で京王井の頭線「渋谷」駅直結の複合施設ができるらしい。いままでいくつかのビルが集まっていた場所に、大きなオフィスビルやホテルが建つ。
三菱地所のプレスリリースからそのまま引用すると「道玄坂一・二丁目をつなぐ南北ネットワークを形成し、隣接する渋谷マークシティとの接続部には、来街者の交流・憩い空間として約850㎡の広場や約50mの樹木に囲まれた緑道を設置する計画」だそうだ。
いままでだと、渋谷マークシティから道玄坂に出る道は一つしかなかったのだが、今回の開発で「マークシティ→新施設→道玄坂」といった感じで直結するらしい。
「空の広がる道玄坂」の違和感
とまあ、何やら便利になりそうなのだが、ぶっちゃけどんな建物ができようがどうでも良い。渋谷の変化を感じられるならそれで良い。というか、一刻も早く「空が広がる道玄坂」をなくしてほしいと思っている。
道玄坂は娯楽に満ちた場所だ。快楽にふける場所だ。「今日をいかに気持ちよく過ごすか」だけを考えて過ごす場所だから、明日のことなんて考えるべきではない。
だから、道玄坂は空なんて、遠くなんて見えなくて良い。なんなら、見晴らしが悪ければ悪いほど良いとさえ思う。
東急百貨店、お前にも言ってんだぞ
2023年1月には東急百貨店もなくなった。あっという間に解体され、いまではこの有様である。空が広い。なんか配管まで見えちゃってるね。
でも、僕が見たいのはこんな景色じゃない。渋谷はコンクリートと人間とゴミのジャングル。ビルがバンバン建って、息苦しいくらいに窮屈な景色とどこ行ってもイライラするくらいの人混みこそ正義。
「空のせまい渋谷」に早く会いたい。