お皿を変えたら、丁寧っぽい暮らしになった。

共働き歴25年のわが家。料理は主に妻・わたしが担当。
料理は好きだし得意ではあるが、それが毎日の“家事”になると、好きだけではモチベーションを維持できない。

そんなわたしのもろい料理心を、ほんの少しあげてくれるのが北欧が誇る食器ブランド、iittala(イッタラ)と Arabia(アラビア)である。
どうせ毎日料理を作るなら、楽しい方がいい。
お皿がすてきだと、それに合わせた料理が作りたくなる、美味しい相乗効果もあるのよう。

Sunnuntai(Arabia)

初夏。
今年も知人からそら豆が届いた。
そのままグリルで焼いて、ビールを飲む休日の夕下がりはわが家の夏の風物詩。

たくさんもらったときは、ちょっとお行儀良くおじゃがと茹で、削りたてのパルミジャーノレッジャーノを好きなだけ。
お皿はSunnuntai(スンヌンタイ)一択。

「スンヌンタイ」とは、フィンランド語で「日曜日」っていう意味なんだって。
キリッと冷えた白ワインが美味しい日曜日。
うん、丁寧っぽい。

24h Avec (iittala)

盛夏。
今年も暑い夏がやってきた。暑さにめっぽう弱いわたしは、もりもりごはんを食べて夏を乗り切る。
たとえば、エスニックな味付けの鶏の唐揚げに野菜をたっぷり。

揚げ物って美味しいけど後片付けも含め、少し面倒よね。
でも、面倒よりも「食べたい」が勝る食いしん坊のわたしは、キッチンでビールを飲みながら揚げ物を作るのが好き。
後片付けもふたりならあっという間。
なんでもひとりで抱え込まないことが、日々を笑って過ごす秘訣だ。

トマト、ナス、ズッキーニ、パプリカが美味しい夏はラタトゥユを鍋いっぱいに作ります。
冷やしても美味しいラタトゥユ。作り過ぎたら冷凍するといいよ。
グリルしたお肉やパスタにかけても美味しい。

放射線状に描かれた手書き風のラインが美しい24h Avec(24アベック)のデザインは、アジア料理にもよく似合う。

ニラとキャベツ、豚ひき肉の餡を餃子の皮に包み、たっぷりお湯で茹でる。仕上げにフライパンで熱したごま油をふりかければ20個なんてあっという間に食べれちゃう。
う〜ん、丁寧っぽい。

Paratiisi(Arabia)

秋。
フレッシュないちじくが手に入ったら、甘いものが苦手な夫もリクエストするいちじくのタルトを作る。
お皿はいちじくのキュートさに負けないカラーパラティッシュにサーブしましょう。
too much?
いいんです。これくらいのゴージャスさが秋のスイーツにはよく似合うのです。
美味しい紅茶を淹れて(ときどきブランデーを数滴)、ひもすがら、読書三昧の丁寧な時間を。

BlackParatiisi(Arabia)

1年を通して、わが家でいちばん出番が多いのがBlack Paratiisi(ブラックパラティッシ)。通称“ブラパラ”とも呼ばれ、1969年から続くArabiaを代表するParatiisiシリーズのひとつ。

シックなブラックパラティッシュは菜葉や果物をそのまま。
ほうらね、パラティッシュなら食材をのせるだけでも丁寧っぽくなるんだから。

Esteri(Arabia)

冬。
リンゴって生でも煮ても焼いても美味しいパーフェクトな果物だ。
少し酸味が強い品種が手に入ったら、アップルパイを作りましょう。

フィリングはシナモンとラム酒を増し気味にするのがわが家流。
お皿は1973年にARABIA社100周年を記念して作られたEsteri(エステリ)。
白地に映える青の花模様は、冷凍のパイ生地をも丁寧かつ、特別なものにしてくれる。
(手作りが難しいパイ生地は四の五の言わず、冷凍に頼る)

Pastoraali& Huvila(Arabia)

小鉢としても使えるArabiaのボウルシリーズ。
野薔薇みたいなピンク色の花がキュートなHuvila(フヴィラ)と、古代ギリシャのラブストーリー「ダフニスとクロエ」をモチーフとしたPastoraali(パストラーリ)は、娘からのフィンランド土産。

陶器や焼き物の絵付けって、その国のカルチャーを感じられるから楽しい。
娘にとって、初めてのひとり旅だったフィンランドの思い出話しが、食事のエッセンス。
この器を使うたびに、離れて暮らす娘を思い出す。

丁寧ではなく、“丁寧っぽい”ゆるさでいい。

この記事は、iittalaの「ORIGO」にサーブしたマフィンを食べながら書いています。

思考がごちゃついて、気持ちを切り替えたいとき、わたしは仕事の手を止めてでも料理をする。
理由は、野菜を切ったり、あれこれ味を想像しながら鍋でコトコト煮込むと“無”になれるから。

そうやって生まれたレシピは数知れず。思考や悩みを料理でアウトプットをしているんだなあ。
そうか。
だからわたしが作るひと皿にはいつもひとさじばかりの“クセ”があるんだ。

でもねえ、それは
最高のスパイスになるのだ(そうであって欲しい)。

丁寧な暮らしが心地良いことは知っている。
でも、丁寧であるがゆえに、こだわりは増える。
増えると、窮屈に感じてしまうわたしには、“丁寧っぽい”がちょうどいい。

ほどよく、ゆるくそれを叶えてくれるiittalaと Arabia。
丁寧っぽい暮らしがやがて、意識せずともわたしの一部になってゆくことを願う。

おだりょうこ

猫と旅、音楽と映画で形成されたライター&エディター。旅欲が止まらない旅ジャンキー。雑誌編集、テレビ局勤務を経てフリーランスに。料理は作るの食べるのも得意だったりする。