育児も仕事も人生の楽しみも両立するには、どうしたらいいの?【タッタヒトリヲシル#3】

たったひとりの“感性”を深くくわしく知ることで、世の中が見えてくる!?
本当に実現するたったひとりを取材し、さまざまな観点から掘り下げる連載企画「タッタヒトリヲシル」第3回をお届けします。

これは人間ウォッチング? マーケティングペルソナ? はたまたライフスタイルの参考に…!?
あなたの感性でこのたったひとりを見つめてみたら、何か新しい気持ちに出会えるかも!


久保絢(仮名)の場合

30代前半、研究者。

ゴリゴリ研究して実績を積んできたけれど、旦那さんの海外赴任が決まって、妊娠もして、急にいろいろ考えなくちゃいけなくなった。

旦那さんについて海外に行けるのは、すごく楽しみではあるんだけど。

子育てはやっぱりちょっぴり不安だな。

久保絢(クボアヤ)

  • 年齢:32歳
  • 性別:女
  • 職業:公務員(食品の分析)
  • 年収:600〜800万円
  • 居住地:東京都品川区
  • 勤務地:東京都品川区
  • 家族構成:配偶者と二人暮らし
  • おもな特徴:研究職で、妊娠7ヶ月。

久保絢の共感マップ

見えているもの

  • ZIP!
  • 家事ヤロウ!!!
  • ドラマ全般
  • コストコや旅行の情報をあげているインフルエンサー
  • Twitter
  • LINE

していること

  • 雑誌、漫画を読む
  • 体重管理アプリ

言っていること

  • 子どもを連れて旅行するなら、どこがいいかなあ
  • おいしいものを食べたい、おいしいお店を教えてほしい
  • 赤ちゃんグッズ何買ったら良いかわかんない

聞こえていること

  • おいしいラーメン屋さんあるよ
    生まれたら行きにくいから行っておきな!
  • 体気をつけてね
  • (月齢の割に)お腹大きいね
  • 旦那さんの海外赴任についていくの?

考えていること

  • これから生まれる子どものこと
    SNSなどに情報が溢れすぎていて、何が正しいのかわからない…。
  • 子どものために何を買い揃えよう
  • いつ仕事復帰しようかな?
  • 良いタイミングで保育園に入りたいな

ネガティブな悩み(恐れていること、嫌なこと)

  • 出産が未知すぎる
    私なんかが子どもを育てられるのかという不安
  • 夫が単身赴任になるのが寂しいような、海外に頻繁に行けてうれしいような
  • あんまりお金が貯めれてない
    子どもの教育格差が広がる中で、お金がないとしっかりフォローしてあげられない

ポジティブな欲求(欲しいもの、得たいと思っていること)

  • 趣味に費やす時間
  • ちょっと良いホテルステイ
  • 都内や旅行先の美味しいごはん
  • お得な買い物(食材、日用品とか)

おもなライフスタイル

平日の過ごし方

6:30  起床 お弁当を作りながら朝ごはんを立ち食い
7:30  旦那さんと一緒に出発 出勤時間は日による
8:30  オフィスに到着
    デスクワーク or 実験 or 会議 or 出張
12:00 ランチ 作ったお弁当かコンビニ弁当
13:00 午前と同じ
17:30 旦那さんと同じころに退勤 
18:30 帰宅 夕飯作り、夕飯、洗濯 夕飯を作るのが面倒な日は旦那さんと外食
20:30 入浴しながらドラマをみる
22:00 TVを見る or 旦那さんとお話
23:00 就寝

休日の過ごし方

11:00 起床 ブランチを用意して食べる
13:00 平日の家事はルンバと食洗機に頼りっきりなので、休日は整理整頓、ソファーカバーの洗濯などしっかり掃除
21:00 なにもしないことも多く、昼も夜もウーバーのことも
    お気に入りのスーパーで買い物 友人や親戚と飲みに行ったりパーティーをしたり
22:00 入浴しながらドラマをみる
23:00 TVを見る or 旦那さんとお話
24:00 0時に更新されるジャンプのワンピースを読んでから就寝

旅行に行けそうな休日は旅行(最近は箱根と名古屋に行った)

最近のパートナーとの関係

私も旦那さんも、昔から「海外で働きたい!」と思っていた。
二人とも職場で海外赴任の申請を出していて、旦那さんが一足早くその希望が通った。

そのタイミングで、私の妊娠が発覚。
まさかの、今?

びっくりしたけれど、正直、すごくラッキー。
そもそも、旦那さんの海外赴任が決まったら休職してついていこうと思っていた。
ただの休職だと収入がゼロになるな〜って不安だったけど、産休・育休中なら手当が出る!
超行きやすくなったじゃん!
ビザをとって、海外に住める!とルンルン。

でも、いざ調べてみたらビザが取れない。
ありとあらゆる手段を考えたけど、無理そう。
一緒に住めると思っていたから、私も旦那さんもしょんぼり。

でもでも、旦那さんのところに一度渡航したら30日間は滞在できる。
日本と旦那さんのところを行ったり来たりすればいっか。
定期的に日本に戻ってくるなら日本で予防接種も受けられるし行政サービスも使えるから、それはそれで悪くないかな。

日本にいる間は実家を頼ろっと。

赤ちゃんを飛行機に乗せるのはちょっと心配だけど、すっごく楽しみ。
早く、海外行きたいなあ。

最近買ったちょっといいもの

新婚旅行をしたときに、「長期宿泊をすると別日程での一泊分が無料になる」というサービスが適用になった。
「その一泊を来年の結婚記念日に使おう。高級なところに無料で泊まれたらうれしいよね」と旦那さんと話をしていた。

そして今年の結婚記念日に、約束通り高級フレンチつきの箱根のホテルに宿泊した。

「子どもが生まれたらラーメンと焼肉と高級フレンチは行けなくなるよ」という知り合いの話を信じて、今のうちに高級フレンチを食べたかったし、最後に二人でのんびり大人な旅行をしておきたかった。

子どもが生まれてからの旅行も楽しみだけど、今のうちに二人でしかできないこともしておきたいな。

最近あった大きな決断

大学生の頃から研究者として業界に名前を売るために、たくさん学会に出て、たくさん論文を書いてきた。
全力で取り組んだおかげで、業界の中では少し名が知れている。
将来は大学教授になりたいなあ、なんて。

でも、今の職場は業績にうるさくなく、自分のペースで仕事ができ、研究者としての席がなくならない安心感がある。
子どもを育てるにあたっては、ベストな環境だと思うようになった。
産休・育休を取ったとしても、会社での立場は変わらない。

でも、もし育休をとって一年以上学会にも出れず、実績も上げられなかったら、どうだろう。
業界の中での私のポジションはなくなっちゃうかもしれない。
育休から復帰する前にはプロジェクトを一緒に立ち上げてくれる人を新しく探さなきゃいけない。
ほぼゼロから、キャリアを積み直しだ。
それは悔しい。

かといって、産後すぎに仕事に戻ろうとも思えない。
知り合いの中には産後もバリバリ研究して、出張して、遅い時間まで研究して…って女性もいるけれど。

私は、仕事も育児も両立したい。

妊娠中の今も、来週は名古屋、来月は秋田に出張がある。
一緒にプロジェクトに取り組んでいる人たちに妊娠したことを報告して、研究を続けられないことを謝りに行かなきゃいけない。
今のうちにできる限りの成果を出して、データを引き継いでおかなくちゃ。

先のことを考えると不安になるけど、研究者を辞めるつもりはない。

一緒にプロジェクトをやろうよと声をかけてもらうこと、業界の中では頑張っているねと言ってもらうこと、研究を通して困っている人のお手伝いをして感謝されること。
研究者をしているからこそ出会える喜びが、たくさんある。

研究者として子育てをしながらどう働くか、考えていかなくちゃいけないなあ。

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