カナダ人との遠距離恋愛も、オタ活も、就職も【タッタヒトリヲシル#5】

たったひとりの“感性”を深くくわしく知ることで、世の中が見えてくる!?
本当に実現するたったひとりを取材し、さまざまな観点から掘り下げる連載企画「タッタヒトリヲシル」。第5回は学生さんが登場です。

これは人間ウォッチング? マーケティングペルソナ? はたまたライフスタイルの参考に…!?
あなたの感性でこのたったひとりを見つめてみたら、何か新しい気持ちに出会えるかも!


鈴木葵(仮名)の場合

20代前半、学生。

カナダでのワーホリから帰国して、日本の企業に就職することになった。
カナダ人の彼氏と遠距離恋愛をしながら、休みの日はオタ活に勤しんでいる。

自分の将来のことも、彼氏との関係性もちょっとずつ考えていかなくては。

鈴木葵(スズキアオイ)

  • 年齢:24歳
  • 性別: 女
  • 職業:大学生
  • 年収:200万円未満
  • 居住地:東京都千代田区
  • 学校:東京都
  • 家族構成:両親とご本人
  • おもな特徴:オタ活と海外旅行が趣味。

鈴木葵の共感マップ

見ていること

  • あしたが変わるトリセツショー
  • Dua Lipa
  • Smi(コスプレイヤー)
  • Bonten(コスプレイヤー)

していること

  • Instagram
  • LINE
  • Discord
  • 漫画を読む(キングダム、ブルーロック、Dr. Stone)
  • アニメ
  • コスプレ
  • サイクリング
  • ゲーム
  • 旅行

言っていること

  • ブルーロック』の2期が楽しみ
  • 『ハイキュー!!』の劇場版がよかった
    今の大学生がいちばんハマっている漫画と言ってもいいのでは
  • イベントの準備が楽しい!
    国際交流系のサークルに所属。七夕のイベントやって留学生呼んで流しそうめんをした
    ハロウィン・クリスマスの企画・運営も
  • (花火大会に際して)浴衣はどこが安い?髪型どうする?
  • 円が安い

聞いていること

  • パリオリンピックのこと
    『ハイキュー!!』の影響でバレーボールについ注目しちゃう
  • 彼氏と別れたんだ〜
    デートの時ずっとスマホいじっているし付き合っている意味あるのかな?と思ってたからちょうどいい
  • 就活の結果や進捗、後輩のインターンの話

考えていること

  • カナダに住むか、日本に留まるか
  • カナダ人の彼氏のこと

ネガティブな悩み(恐れていること、嫌なこと)

  • そもそもまだ社会を知らないけど、ちゃんと社会人になれるのかな
  • 就職先はどんな会社なんだろう
    パワハラや残業があったら嫌だな…

ポジティブな欲求(欲しいもの、得たいと思っていること)

  • ブルーロック2期が楽しみ
  • 南米とアフリカに行きたい

おもなライフスタイル

平日の過ごし方

7:30 起床 朝ごはんを食べる
8:00 家を出る
8:45 学校に着く
9:00 学校で授業を受ける
12:00 ランチ コンビニで買って食べる
13:00 学校で授業もしくはアルバイト
18:00 家族と夕ご飯を食べる
22:00 入浴や歯磨きなど
24:00 彼氏と電話、ゲーム
1:30 就寝

休日の過ごし方

10:00 起床
11:00 予定のある日はお出かけ、ない日は銭湯かスパ
    コラボカフェ(ディズニー、名探偵コナン、ダンジョン飯)
22:00 入浴や歯磨きなど
24:00 彼氏と電話、仕事の話など
1:30 就寝

最近あった大きなできごと

コスプレイヤーを見るのが好きな私。
今の時代、SNSで海外のコスプレイヤーの動向も気軽に追えるわけだが、その見た目の美しさと再現性の高いこと。
魅了されているうちに、「なぜこの人たちは日本のアニメが好きなんだろう?」と疑問に思うようになった。
アニメが私と海外を繋いでくれた。

日本に来ている海外の人は、アニメ好きが多い。
アニメの話をすると大体通じる。

でも、日本に来ていない海外の人は、日本のアニメにどのくらい興味があるんだろう?
「日本アニメが人気!」ってニュースで聞くけど、どのくらい人気なんだ?
それが気になって気になって仕方がなくて、大学主催の海外留学プログラムに参加することにした。
(のちにわかったことだが、海外における日本のアニメというのは、日本人の多くが三国志についてある程度知識があるのと同じようなイメージらしい)

ところが、コロナの影響で、世の中が自粛ムードになった。
海外留学プログラムも中止になってしまった。
サークルにも行けず、運動もできず、友だちにも会えず。
ストレスが溜まった。爆発しそうだった。

2022年10月にカナダがコロナの制限をやめた。
フラストレーションが溜まりまくっていた私は、速攻でワーホリでカナダに行くことを決めた。
海外留学プログラムよりも、ワーホリの方が自由で自分に合っていると思った。

ついにカナダへ飛び立つ日が来た。
カナダまでは飛行機で約9時間。
こんな長いフライトは初めて。
海外に住むのも初めて。
でも、不安はなかった。
それよりも、一刻も早く、自由に過ごしたかった。
コロナで抑圧されていた反動で、カナダに行けるのが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

夢にみたカナダでの生活は、もちろん楽しかったが毎日が違和感との戦いだった。
1日に数回は、「日本だったらこんなことないのに」と思うのだ。
電車は火花を散らしながら走るし、バスは建物に突っ込むし、2杯までならお酒を飲んでも車の運転ができる。
医療費が無料なのは良いけど、予約が取れなくて1週間くらい通院できないし。
ブロック肉しか売ってないから、自分でスライスしなきゃいけないし。
あと、レストランで食べる食事がまずい。
出された時点ですでに冷めてる。

1年間のワーホリから帰国して、日本がいかにすばらしい国か身に染みた。
日本ほど治安、食べ物、気温などが最高な国はない。
エンタメも多いから、日々飽きることもないし。

でも、ひとつ、日本に帰ってきて違和感を覚えることがあった。
カナダでは職場に遅刻してもOK、イヤホンをしながら仕事をするのは当たり前、クレームをつけてくる人がいたら追い出せたし、お客さんがいなければレジの前にいる必要はなかった。
仕事は娯楽のひとつという感じで、楽しかった。
一方日本では、遅刻なんて言語道断、イヤホンをしていればクレームが入るし、クレーマーに対しても丁寧に接さなければならない。人がいなくてもレジの前で立っていなくてはいけない。
逆カルチャーショックだった。
なんて窮屈なんだろう。

カナダでの働き方が染み付いてしまった私が、来年の4月に日本の企業に就職する。
家からも近いし、給料も良い。
フルリモートではないけれど、出社は少なめだし、お休みもきちんと取れそう。
エントリーシートを作るのがめんどくさくて、真面目に就活はしなかったけど、その割には良い会社に内定をもらえたと思う。
でも、そもそも働き方が合うのかな。

日本の真面目で勤勉な国民性はすばらしいけど、自分がそこに合わせられるのか、ちょっと不安だ。
仕事のしにくさが理由で、カナダに戻る可能性もあるかもしれないと思っている。

最近買ったちょっといいもの

正直言って、物欲がない。
洋服もアクセサリーも化粧品もプチプラでOK。

物を買うお金をすべて貯めて、旅行に行きたい(オタ活は必要だけど)。
社会人になってからもらう給料も、ほとんどを旅行に費やすつもりだ。

昔からの友人がバングラディッシュの男性と結婚して、現地で日本語学校を運営している。
治安には不安を感じるけど、その子に会いに行きたいと思っている。

あとは、南米とアフリカに行ったことがないので近いうちに行きたいな。

最近のパートナーとの関係性

ワーホリで出会ったカナダ人男性と遠距離恋愛をしている。
カナダでの職場はすごく雰囲気がよく、仕事終わりにみんなでタピオカ、食事、カラオケに行くことも多かった。
その中で、彼氏は日本のアニメが好きで話が合い、仲良くなって付き合うに至った。
ワーホリの終盤は同棲もした。

日本に戻ってきてからも、ほぼ毎日、彼氏とはオンラインでゲームをしたり画面共有でアニメを一緒に見たりしている。
時差はあるものの、問題なくコミュニケーションが取れるので、充実した遠距離恋愛ができていると思う。

彼氏との会話は、英語8割、日本語2割だ。
伝わらなくてイラッとすることはあるけれど、理解し合うのが難しいからこそ、お互い言葉を尽くしている。
今までお付き合いした相手の中で、いちばん良好な関係を築けていると思う。
コミュニケーションに時間をかけているからこそ、ミスマッチがあまりない状態でいられていて、居心地が良い。

日本人は、仕事に対して真面目で、家族のために働く!というイメージ。
それに対して彼氏は、私が「生理痛が辛い」というだけで仕事を早退してきてしまう。
もちろん嬉しいのだけど、「そんなことで仕事を休んで良いの!?」とびっくりする。
でも、真面目な日本人も、家族を優先してしまうカナダ人も、どっちも素敵だ。

結婚はまだ考えていないけれど、将来を考えると、彼氏が日本に来るか私がカナダに行くかの2択になる。
結婚をしなくても、同棲した経歴があれば「パートナービザ」というものが取れる。
これでカナダに滞在している日本人女性も多い。
結婚をせずに、パートナーとして一緒に過ごすこともありだと思う。

彼氏がいるから、カナダで就職するのもアリなのだ。
とりあえず日本で働いてみて、どうするかゆっくり決めようかな。

Sense of…編集部

あなたの感性は、あなたのもの。Sense of...を運営する編集部です。