お祭りのある夏

こんにちは。
みなさん、もう暦は9月ですが、今年の夏、満喫されましたか?
僕は、採れたて枝豆とビールを味わったり、海水浴に行ったり、色々と満喫しました!
花火大会や阿波踊り等、さまざまなお祭りにも行きました。
今日は僕が感じている、お祭りのある夏のありがたみについて書いてみたいと思います。

夏が好き

7/23葛飾区の花火大会にて。最寄りの金町駅が大混雑だったため、隣の松戸駅で降りて、江戸川沿いを3キロくらい歩きながら花火を眺め、最終的には打ち上げ会場の対岸で間近に見ることができました。大迫力で感動。

さて。好きな季節について。
僕は春、夏、秋、冬、この4つの季節がどれも凄く好きです。順番をつけるとすると春→夏→秋→冬、といった順番となり、つまり夏は2番目に好きということになるのですが、2番目ではあるものの、それでも物凄く好きなんです。4つとも大好き過ぎるんです。

夏。夏って暑いですよね。ここ数年の夏は特に、従来の夏よりもずっと暑くて、身の危険を感じるくらい。ここから先、ちょっとおかしな話が始まりますが、まだまだ暑いので、みなさんどうか熱中症等にお気をつけてお過ごしください。

僕は元々暑さが得意というわけではないのですが、とあるきっかけによってかなり暑さへの耐性がつきました。20代半ば頃、5年間程高円寺の風呂無し四畳半のアパートに住んでいたのですが、そこにはエアコンがありませんでした。非常に密度の高い住宅街の、細い路地を入って行ったところにあり、陽当たりが悪くて風も通らない部屋でした。夏の暑い日は、扇風機を回すと逆に熱風で暑く感じて、いてもたってもいられず、駅前のロータリーまで行って寝たこともありました。純情商店街入口の看板を眺めながら、「あの商店街を進んで行くと向こうにはビーチが広がっているんだ」「海で気持ち良く泳いだり、お洒落な海の家で素敵な女性と出会ったりするんだ」なんて妄想を膨らませながら。

まぁそんな感じで、当時は若さのエネルギーも手伝ってどうにかこうにかエアコン無しの夏を乗り越えていくごとに、暑さそのものにも強くなっていきました。
暑さに耐えられるようになると、俄然「夏」のことが大好きになりました。ここ数年はあまりにも暑すぎたり、加齢や甘えも含む暑さ耐性の劣化もあって感覚が変わって来ている部分もあるのですが、暑さの中に気持ち良さを感じて、快感が身体中を駆け巡り、夏ってサイコー!なんて叫んだりして。

春にいろんな生命がワッと起き出して、気温が高まっていくにつれてどんどんエネルギーが漲っていく。その漲りが夏で頂点を迎える。そして夏が終わると気温が下がっていくのにつれてエネルギーの高まりも落ち着いていく。ぎゅっと身を固めて縮こまって寒い冬を乗り越えていく。
こんな四季の流れの中で、エネルギーの漲りの頂点にお祭りが行われるって、人間の社会において物凄く重要な事なんじゃないかな、と思います。
生きる喜びを感じるきっかけを与えてくれる装置、みたいな、非常に重要な役割を担っているのではないかな、と。

夏のお祭り

7/27フジロックにて。まったく行くつもりがなかったのに。当日お昼、家でビールを飲みながら配信を見ていたらいてもたってもいられなくなり、勢いで行きました。こんな無謀な勢い、自分でも信じられませんでしたが、行って本当に良かったです。翌朝5時までレッドマーキーで過ごし、急いで帰って昼から井の頭公園で自分のライブを無事敢行。

ひと口にお祭りと言っても実にいろんな種類のお祭りがありますが、夏のお祭りは特に、生の爆発とも言えるようなものがいくつもあります。
自分が体感した事があるもので言うと、阿波踊り、盆踊り、花火大会、音楽フェスなど。
見る側でも感動ひとしおですが、演者側、作り手側は、それこそ非常に大きな生き甲斐になっている面があるのではないかと思います。

主催の方、協賛の方、出店者の方、演者さんや地域の方、そしてそのお祭りに参加される方、などなど。非常に多数の方々によって作られる、お祭り。たくさんの熱い熱い思いがこもった、とても素敵な集まり。たくさんの人々にとって、お祭りで生まれる感動が、生きる上で重要な活力になっているのではないでしょうか。

8/21東本願寺盆踊りにて。ajateというバンドのライブを見に行ったのですが、会場全体で一体感が生まれていて大いに盛り上がりました。アフロビートにお囃子と日本語の歌で、身も心も思わず踊り出してしまいます。気になった方、是非こちらの楽しいMVをご覧下さいませ。10月5日(土)狛江駅前広場“地べた音楽祭2024”等、いろんなお祭りで演奏されるようなので、是非どこかの現場で体感してみてください!

お祭りが無い夏なんて未来永劫来ないでほしい。でもお祭りが行われるって、ぜんぜん当たり前の事じゃないよな。そんなことを思って、平和への思いも込めながら地元富山県の海で曲を作りました。約10年前です。
その後、コロナによって、本当にお祭りのない夏が来てしまいました。地震や豪雨などの自然災害も多く、なかなか安心することが難しい世の中ですが、改めて、これからも素敵なお祭りのある夏が毎年やってきますように。微力かもしれないけど、自分にもできることを模索しながら。



「お祭りのある夏」

作詞、作曲:山下健太

ああ、懐かしいなって嬉しくなる
子供の頃からずっと記憶に染み込んでいる
煙の香りや風に揺れる鈴の音
込み上げる気持ちに暑さもはねて

車掌さんが宣伝する
花火大会の最寄駅
たくさんの人々が
思いを寄せて待ち侘びた
この日はいくつもの夜を越えて
やっとやってきた特別な一日

友達や恋人や家族や大事な人たち
一緒に寄り合ってゆこう
何か良い事ありそうな気がしてくる日
胸ときめかせながら

長いようで短いような季節が始まって
ひとつひとつ過ぎ去りゆく
愛しい今を焼き付けて
いつかまた綺麗に思い出せるようにって
閉じ込めたい
だけどこぼれていっちゃう

大きな花火が散って
まばらになった人ごみ
余韻が優しく包む
提灯通り
またねってうつろいゆく夏に
手を振って
後ろ髪引かれながら
月夜の帰り道

巡り巡ってまた夏がくる頃にも
こんな風に笑ってたいな
ずっとずっと巡り巡る
僕らの季節に
胸ときめかせながら

越ヶ谷のライブハウス、音楽茶屋ごりごりハウスでのライブ動画に、地元富山の、自分にとってとても大切な風景の画像などを重ねて作りました。

夏はあっという間に終わってしまう。
夏って、それ自体がお祭りみたい。
儚くて、それがまた凄く良い。
夏の終わりに感じる切なさも含めて
とても愛おしい。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ごきげんよう。

山下 健太

音楽ユニット「鼻ホームランの森」のギター&ボーカル。作詞作曲や、自主レーベル「鼻ちょうちんRECORDS」での音源制作等も担当。井の頭公園アートマーケッツ所属。お酒、料理、散歩、サイクリング、海水浴など好きな事がたくさん。基本的には端っこで静かに佇んでます。