東京都内でサファリ体験!?多摩動物公園編【大人の社会見学#1】

“大人になった今なら、子ども時代とは違う景色が見える気がする。”
知的好奇心や五感を満たす体験を綴った【大人の社会見学】シリーズ

第一弾は、東京都内でライオンを間近に見られる「多摩動物公園」へおでかけ
園内を走るサファリ型のバス「ライオンバス」が60周年を迎える今、子どもはもちろん大人も楽しめる動物園の魅力をリポートします。

わたしのこと

  • 年齢・性別:30代、女性
  • 職業:ライター、編集者
  • ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク。引きこもりなのに遊びは全力でプラン立てする効率厨。

【きっかけ】テレビ番組でライオンバスを見かけて

小さい頃はよく動物園に連れて行ってもらっていて、動物の様子を見るのも好きなわたし。YouTubeで海外や国内の動物園のライブカメラ映像を眺めることもある。

久しぶりに動物園に行きたいと思ってはいたものの、「行くまでが遠い」「混んでいそうで覚悟ができない」と腰が重かった。

そうこうしているうちに暑い時期になってしまい、今度は「夏に屋外で遊ぶのは無理」「夏休みは子どもがたくさんいそうだし、落ち着いて見られないに決まっている」などと言い訳をしてなかなか実行できずにいた。

そんな折、TVerで配信していたテレビ番組で「多摩動物公園」の紹介を観る。なんでも園内に「ライオンバス」が走るエリアがあり、運がよければライオンが餌を食べる様子を窓ガラス越しに間近で見られるらしい。

このサファリ体験は多摩動物公園が初めて取り入れたとされていて、2024年で60周年を迎えた。自分でトングを持っての餌付けはできないが、バス本体に餌の肉が引っ掛けられており、ライオンが身を乗り出して食べる様子はかなりの迫力!

さらに、バスの周回コースの真横に骨付き肉が設置され、ライオンたちがそこへ集まるように工夫されている。実際にわたしが訪れた時間帯(11:00台前半)では、ほぼすべての台でライオンが食事をしていた。

こういった体験といえば「富士サファリパーク」も有名であるものの、関東圏から行くにはそこそこ遠いのがネックでもある(ライオン以外もサファリバスから見られる・自家用車でもサファリゾーンに入れるという点はメリット)。

その点、東京都内からでも気軽に日帰りで行きやすい多摩動物公園は、今のわたしの気分とぴったり合っていた。

調べてみると、ライオンバス以外にもさまざまな動物の展示があって、フードやドリンクのメニューもいい感じ。ちょうど夏休みシーズンも終わって過ごしやすい気温の日が増えた10月末、いよいよ【大人の社会見学】を決行することになった。

【当日のプラン】大人2人で“無理せず”楽しみ尽くすモデルコース

撮影:織詠 夏葉

普段ならおひとりさまでサクッと行動するわたし。テーマパークだって一人で一日中楽しめるタイプだが、今回は同行者ありの旅となった。

結果よかったと感じたのは、レストランやカフェの席取りがしやすくて助かったことと、動物を見たその瞬間に感動を共有できること。ときには予想外の行動をとる個体もいて、「今の動きかわいい!」「眠ってて動かないね」なんて観察しながら会話も弾んだ。

多摩動物公園はとても広く、敷地面積は約52.3ヘクタール(東京ドームおよそ11個分)にも及ぶ。公式サイトから園内マップが見られるので、事前にどう周るか計画を立てるのもおすすめだ。もし忘れてしまっても、現地で紙のマップが無料配布されている。

この日、我々が周ったコースはざっくり下記の通り。

  • 10:00 入園〜ライオンバスの乗車受付
  • 予約時間まで周辺の動物を見る(アフリカゾウ〜フラミンゴ〜サーバル〜チーター)
  • 11:10 ライオンバスに乗って大興奮
  • 11:50 乗り場近くのレストラン「サバンナキッチン」で昼食/スーベニアカップを購入
  • 13:00 コアラ館まで移動しながら動物を見る(キリン〜コウノトリ〜シロオリックス〜グレビーシマウマ〜フクロウ〜ワシ〜トナカイ〜エミュー〜カンガルー)
  • コアラ館内を見学
  • 動物を見る(ワラビーの仲間たち〜タスマニアデビル〜ムフロン〜ヒマラヤタール〜インドサイの親子〜ノウサギ&モルモット〜ヤギ〜マレーバク)
  • ベンチで休憩
  • 14:30 カワウソ舎でキーパーズトーク(飼育スタッフによる解説)を聞く
  • 動物を見る(モグラのいえ)
  • 入口の「ズーカフェ」でソフトクリーム休憩
  • 15:40 シャトルバスで移動〜オランウータン舎前で下車
  • 動物を見る(ユキヒョウ〜レッサーパンダ〜ターキン〜オオカミは見つけられず〜トキ類〜ワシミミズク〜タンチョウ)
  • 16:30 入口の「ギフトショップ コレクション」でお土産購入
  • 17:00 閉園

我ながらかなり充実した効率のいいスケジュールで、お目当てはほとんど鑑賞できた。テーマパークで予定を立てるのに慣れていたのがよかったのかもしれない。

ライオンバスは朝イチで乗って大正解!お腹が空いている時間だったのか、間近で肉を食べる瞬間を観察できた。

園内はかなり広く、山が丸ごと動物園になっている印象。スロープ状の道は多いものの、アップダウンが激しいためスニーカーや歩きやすい服装で行くのがおすすめだ。園内には入口そばの建物内にコインロッカーがあるので、荷物を軽くしてから周るのもよさそう。

自然豊かな多摩地区に位置することもあり、園内を歩いているだけで森林浴気分も楽しめた。全体的に自然が再現された環境で、広い場所でのびのびと飼育されている動物が多い。

中でもワシの展示には巨大な「フライングケージ」が使われていて、流れる滝の音に癒やしを感じた。タイミングがよければ悠々とワシが飛ぶ姿も見られるので、ぜひ立ち寄ってほしいエリアだ。

インドサイの親子は水浴びの様子を見られて大満足。ただし2024年11月現在は寒さの関係で鑑賞できない時間帯がほとんどだそうなので、公式サイトやSNSの最新情報を注視するのがよさそう。

なお多摩動物公園は、日本で唯一タスマニアデビルを展示している。とてもかわいいフォルムで、お土産ショップにも彼らのグッズがいろいろ並んでいた(のちほど紹介する)。

夜行性なので、昼間は寝ていることもある。動いているところを見られたらラッキーかも!?わたしは見られなかったので、いつかまた挑戦してみたい。

こだわりのフードやドリンクに注目!

旅の思い出を彩るのが、おいしい食事。多摩動物公園ではフードやドリンクメニューがなかなかに凝っていて、見た目や味付けにこだわりを感じる。ひと工夫あるメニューが好きなわたしにも刺さった。

「ビーフカランガ」は、トマト味で煮込んだ肉じゃがのような料理。海外の料理が気軽に楽しめるのはうれしい。かなりおいしくてスプーンが止まらなくなった一品。

「サバンナキッチン」にはテラス席もあるので、空いていれば外の風を感じながら食べるのもおすすめ(キリン舎の付近は工事中だったので、景色が少し異なるかもしれない)。

「コアラ館下売店」では、SNS映え間違いなしなスイーツも楽しめる。今回は時間とお腹の空き具合の都合でスルーしてしまったけれど、次回まだあれば絶対に食べたい。

【楽しみ方】プラン立てのコツや注意点

せっかく訪れるなら、「こんなはずじゃなかった」というがっかり体験は避けたいところ。事前にチェックしておきたい情報をまとめてみた。

ライオンバスは現地予約制・別料金

ライオンバスは人気なので、確実に乗りたい場合は入園してすぐに受付しに行こう。入園料とは別に料金がかかる点に注意。Webで空席状況は見られるが、チケット購入は現地のみで、乗り場付近まで行く必要がある。

  • 発券時間:9:30~売切れしだい終了
  • 発券場所:ライオンバスステーション乗車券うりば
  • 運行時間:10:00~16:00(時間指定制)
  • 運行間隔:10〜12分

ライオンバスの料金

大人(高校生以上~64歳)500円
こども(3歳~中学生)    150円
65歳以上150円
0歳~2歳無料
※いずれも2025年1月現在。運行中止や改訂される場合があります。

バスはライオンゾーンを何周かしてくれる。座席は選べないが、左と右どちらに座っていても同じ箇所を何度か通ってくれるので、平等に鑑賞できた(ライオンが近くに来るかは運次第)。

個人的には、この料金ならサクッと払って大正解!とても楽しめて、この日いちばんの思い出になった。

改修エリアや展示時間をチェック

園内は改修中のエリアが点在するため、実際に行ってみるとプランの修正も発生した。また生体保護の観点から展示時間が決まっている場合もあり、16:00以降や17:00以降は見られない動物もいるので要注意。

特に子どもが生まれたばかりの個体は早めに飼育エリアに入ってしまうため、公式X(旧:Twitter)や公式サイトで最新情報をチェックしておきたい。

人気のコアラ館は15:30まで。

天候や動物の体調によっては、展示やプログラムが中止になる場合もある。子どもと行く場合は「こういうこともあるよ」と事前に教えておくと、万が一のとき気持ちを切り替えてもらいやすくなるかもしれない。

キーパーズトークやふれあい体験で思い出作り

多摩動物公園では、日によって飼育員が10分ほど動物の解説をしてくれる「キーパーズトーク」や、ボランティアによる「スポットガイド」が開催されている。予約は不要で、公式サイトのカレンダーから来園予定日の日付を押すとスケジュールが見られるのでチェックしてみよう。

モルモットとふれあえる「おしえて!モルモット博士!」は先着順の要予約。子ども連れに人気のプログラムで、参加するには開園後にどんぐり広場で「参加券」をゲットしよう。

番外編:おひとりさまでも行ける?

訪れたのが土日だったこともあってか、園内では親子連れやカップルの姿をよく見かけたが、大体みんな動物に夢中。もし一人で散策したり黙々と写真を撮ったりしていても、気にする人はさほどいないだろう。

もしかしたら周囲の目を気にするタイプの人は、ライオンバスの乗車待ち時間や園内移動のバスに乗るとき、多少の手持ち無沙汰感があるかもしれない。でも、そのくらいだ。おひとりさまに慣れた者の所感として参考になればうれしい。

【お土産】大人も買いたくなるオリジナルグッズ

撮影:織詠 夏葉

ここでしか買えないものを探している方には、多摩動物公園ならではのライオンバスやタスマニアデビルをモチーフとしたアイテムがおすすめ。どれもイラストがかわいくて、パッケージや色合いもおしゃれなのでつい手に取りたくなる。

撮影:織詠 夏葉

有料の紙袋は3種類。どれも動物たちが描かれたデザインで、心がくすぐられる。ギフトショップは園内入口ゲートの側にあり、閉園間際はかなり混雑していた。ゆっくり見たいなら早めの時間に立ち寄るのがよさそう。

ライオンバスグッズ

ライオンバスタンブラー付きドリンク

撮影:織詠 夏葉

60周年記念の「ライオンバスタンブラー付きドリンク」は、「サバンナキッチン」で対象のドリンクを購入すると付けてもらえる。期間限定なのだろうか…?記載を見つけられなかったので、見かけたらとりあえずゲットがよさそう。

わたしが訪れたときは「ライオンカフェ」の店頭でも買えるようだった。ドリンクを別の紙コップに入れてもらうこともできるので、未使用で持ち帰りたい場合は注文するときスタッフさんにお願いしてみよう。

ライオンバスBOX

子どもにも喜ばれそうな賑やかなBOX。今回は予算オーバーで見送ったが、ちょうどいい価格とサイズ感がうれしい。

タスマニアデビルのグッズ

タスマニアデビルのベイクドクッキー

撮影:織詠 夏葉

価格:770円(税込)

見映えのするパッケージもさることながら、味がおいしすぎる。次回行くときも売っていればリピ決定。ザクっとした食感なのにパサつきはなく、噛むほどにしっとり。マカダミアナッツの風味が香ってコーヒーとの相性がよく、コスパ面でも満足の超おすすめお土産

TOWEL COMPANY 今治タオル タスマニアデビル

撮影:織詠 夏葉

価格:880円(税込)

ワンポイントの刺繍がかわいいハンドタオル(ハンカチ)。大人でも持ちやすいデザインなのがいい。ほかにもいろいろな動物がシリーズになっていて、どうしてもゲットしたい遠方の人はメーカーの通販ストアで探す手もある。

多摩動物公園オリジナル ドリップコーヒー

撮影:織詠 夏葉

価格:各432円(税込)

パッケージの質感とイラストに惹かれて購入。「タスマニアデビル(リフレッシュ)」と「コアラ(リラックス)」の2種類があり、ドリップコーヒーの個包装パックが3個ずつ入っている。

撮影:織詠 夏葉

お味は勝手にコピ・ルアクを想像してしまっていたのだが、至って普通のクセのないコーヒー。むしろ香りがほとんどなくて(たまたまそういうのに当たったのかもしれないけれど)、2種類の味の違いについてはよくわからなかった。手頃でかわいいという点はいいかも。

【行ってみた感想】自然を満喫!ハイキング気分で楽しめる動物園

撮影:織詠 夏葉

初めて訪れた多摩動物公園は、豊かな緑に囲まれてリフレッシュできる環境と、のびのびとした動物の展示が魅力的な場所だった。

土日ということもあり、お昼どきのレストランや閉園間近のお土産ショップ、コアラ館などは混雑していたけれど、園内を散策するだけなら人との距離を保ちやすい。ゆったりと自分のペースで展示を見られるのがとてもよかった。

大人の社会見学にぴったりの動物園。気になった方はぜひ訪れてみては?

  • 「多摩動物公園」アクセス
    • 電車:京王線・多摩モノレール「多摩動物公園駅」下車、徒歩約1分
    • 車:中央自動車道「国立府中IC」から約20分

織詠 夏葉

おりえ なつは。暮らしのメディア、おでかけメディアにてライターを務める。約3年間エディターやコンテンツディレクターとして稼働し、個人でも執筆活動を開始。映画や音楽、ファッション、雑貨、香水、推し活などに広く浅く興味津々。