イヤホンの使い分けで作る、わたしの外と内の境界線

AirPods ProとOpenRunを並べて置いている様子。

学生のときは、主に音楽を聴くために使っていたイヤホン。予算の範囲で音質にこだわり、ひとつのイヤホンを大事に使っていた。今では、たくさんの種類のイヤホンが売られ、場所や状況に合わせて使い分けるようになった。

わたしは基本的にリモートワークなので、仕事とプライベートの切り替えが曖昧になりやすい。また、個人の部屋がないので、家族との距離も必然的に近くなる。そんなとき、イヤホンは音を聴くための道具以上に、外と内を分けてくれる境界線になってくれたのだ。

わたしのこと

  • 年齢:30代
  • 性別:女
  • 職業:ライター
  • ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク

イヤホンを使い分ける理由

わたしの仕事はライターである。原稿を書くときは主に自宅のリビングを使っている。そして、わたしが仕事の日に夫が休みのときがあるのだ。そのため、お互い邪魔にならないようにイヤホンを使う機会が増えた。Web会議など外部とのやりとり、動画の資料確認など、音声が必要なタイミングは意外に多い。

始めのうちは、耳をふさぐカナル型のイヤホンのみを使っていた。ところが、使い続けるうちに外耳炎になってしまったのだ。長時間イヤホンを着け続けたため、耳の中が高温多湿の状態になり、細菌が増えやすくなってしまったのが原因だそう。

そこで、耳をふさがない骨伝導タイプのイヤホンも取り入れてみたところ、外耳炎の症状が落ち着いてきた。とはいえ、カナル型のイヤホンも使いたいときがある。なので、場所や状況に合わせてイヤホンを使い分けることにしたのだ。

ここからは、わたしが実際に使っているイヤホンを紹介したい。

AirPods Pro

AirPods Proが置かれている様子。

言わずと知れたテクノロジー企業、Appleの『AirPods Pro』。記事を執筆している時点では、第2世代モデル『AirPods Pro2』が発売しているが、わたしが使っているのは第1世代モデルのものだ。


『AirPods Pro』は、耳をふさぐカナル型イヤホン。ノイズキャンセリング機能を搭載しているので、周りの雑音を軽減してくれる。これらの特性から、特定の相手と繋がるときや自分ひとりの空間を作るために使っている。

Web会議や電話など外部に連絡を取るとき

わたしは基本的に出社せず、取引先の企業との連絡はもっぱらWeb上で行っている。Web会議のときは、相手の声をはっきり聞き取りたいので、『AirPods Pro』が重宝しているのだ。

もちろん会議中は家族に別室に移ってもらうのだが、おもわぬ生活音が鳴ってしまうときもある。そんなときでも、ノイズキャンセリング機能のおかげで、相手の声を聞き取りやすいのがうれしい。

また、電話を掛けるときも便利だ。わたしは通話にiPhoneを使っているので、『AirPods Pro』を接続して電話を掛ける。そのとき、iPhoneを持たずハンズフリーの状態で話せるので、メモがとりやすい。

『AirPods Pro』のおかげで、家に居ながらスムーズに外部の特定の相手と繋がれるようになった。

電車やバスなどの公共交通機関を使うとき

これまでも、電車やバスなど公共交通機関を使うときにはイヤホンを使って音楽を聴いていた。しかし、『AirPods Pro』を使うと、快適な移動ができることに気づいた。ノイズキャンセリング機能のおかげで走行音が軽減されて、音量をあまり上げなくても音が聴こえるようになったのだ。

『AirPods Pro』のノイズキャンセリング機能をONして、音楽を流さないまま着けるときもある。雑音が聞こえないので、持参した本を集中して読めるようになった。お出かけに疲れて、ゆっくり休憩しながら帰るときにもぴったりである。

『AirPods Pro』に限らす、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンを、公共交通機関で使うことはおすすめしたい。雑音が聞こえないというだけで、自分ひとりの空間に近づき、集中したりリラックスできるのだ。

カフェなどのオープンスペースで作業をするとき

ずっと在宅で仕事をしていると、行き詰まるときもある。そんなときは、カフェで作業するようにしている。自分ひとりだと気を抜いてしまうときも、仕事や勉強をしている人と同じ空間にいれば集中できるのだ。

ただ、聞き耳を立てるつもりはなくても、隣のグループの会話が気になるときがある。そんなときは、『AirPods Pro』のノイズキャンセリング機能をONして音楽を流す。これで、適度に人目を感じつつ、自分ひとりの空間を作れる。

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OpenRun

OpenRunを置いている様子。

イヤホンなどを開発、製造販売しているShokz。耳をふさがずに音を伝達する、オープンイヤーリスニング特許技術を数多く取得したブランドなのだ。今回は数あるイヤホンのなかから、『OpenRun』を購入した。

『OpenRun』は、耳をふさがない骨伝導タイプのイヤホン。従来のイヤホンのように鼓膜の振動だけではなく、頭蓋骨の振動を利用して音を感知する蝸牛(かぎゅう)という器官に直接音を届けてくれるのだ。周りの音も聞こえるため、音を聞きつつ周りの人と繋がりたいときに使っている。

個人で完結する仕事の音声を聴くとき

個人で完結する仕事の音声を聴くときは、『OpenRun』を使っている。たとえば、記事を書くときに、参考資料として動画を観るときがある。また、作成した原稿に間違いがないか音声読み上げ機能で確認をする。

リビングで作業してもイヤホンの音声は聞き取りつつ、周りの音は聞こえているので、家族に声を掛けられても答えられる。また、玄関チャイムの音もはっきり聞こえ、宅配便の受け取りを逃さないのがありがたい。

家事をしながら音楽を聴くとき

働きながら子育てをすると、思うように家事が進まない。平日の日中にできなかった家事は、子どもが寝静まった夜や休日にまわしている。残念なことに、わたしは家事が好きなタイプではないので気乗りしないときもある。

やる気が起きない家事は、『OpenRun』で音楽を聴きながら行う。生活音とBGMを両立できるのが『OpenRun』の良いところ。ロックを聴きながら勢いにまかせて掃除をしたり、ボサノバを聴きながら“ていねいな生活”気分で料理を作りおきしてみる。シチュエーションに合った音楽をバックに、家事という物語の主人公になりきってみるのだ。

家族と居ながらひとりになりたいとき

プライベートの時間に家族といるときは、なるべくイヤホンを使わないようにしている。音楽や音声を聴きながら作業すると、家族の「話しかけたいな」という気持ちをキャッチできなくなってしまうからだ。

とはいえ、長期間となると話は別だ。コロナ禍の期間は、家族と家の中にいる時間が長く、エネルギーを持て余した子どもとぶつかることもあった。そんなときは、『OpenRun』を使い、ポッドキャストで他人の声を聴くと気持ちが落ち着く。

日常と違う声がするので、家族と居ながら別の空間でひとりになった気分になるのだ。耳を完全にはふさいでいないので、万が一家族に異変があっても気づきやすいのもポイント。

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イヤホンはわたしのパーソナルスペースだ

初めは、耳の健康のために使い分けていたイヤホン。使い続けるうちに、人と繋がりたいとき、ひとりになりたいときなど、イヤホンが私の目に見えない境界線、パーソナルスペースを作り出していたことに気づく。わたしはひとりの時間が欲しいタイプなので、心の健康にも良いと実感した。

自分と他人の境界線は、物理的な壁じゃなくてもイヤホンで作れる。そんな技術のある時代に生まれてよかったと思うのだ。

杉浦百香

ライター。女性向けや企業メディアのSEO・コラム・レビュー記事を執筆。なかでも、日用品を中心としたモノ系記事を多く担当している。左利きの文具好き。