みなさんは、いまどのようなデスク環境で仕事をしているだろうか? パフォーマンスを引き出す環境は人それぞれ。「ケーブルはすべて隠す」という人もいれば「書類が山積みになっているほうが集中できる」という人もいるだろう。
そしてみなさんのデスク環境は、最初からいまの形になったわけではないはず。今回は、いまなお変化する僕のデスク環境の変遷を紹介したい。「デスク環境を変えたい」と思っている人にとって参考になれば幸いである。
僕のこと
- 年齢:30代
- 性別:男
- 職業:ライター
- ライフスタイル:ひとり暮らし/インドア派/リモートワーク/夜型/自炊派
2021年8月〜 モニター導入初期
「とりあえず買っておこう」とたいして悩まず購入
デスク環境を充実させるなら、まずはモニター。この部屋に引っ越す前はシェアハウスでモニターを置くスペースもなかったため、僕にとって初めての導入となる。
当時、モニターのスペックや大きさはあまり気にしておらず、「2万円くらいで、そのまま持って帰れるもの」を求めて家電量販店に行った。
2万円のACERの24インチモニターを購入
デスクの大きさを考えると24インチか27インチを考えていたが、たしか27インチのモニターは「その日に持ち帰るのは難しい」という理由でやめた。
ACERはリーズナブルな価格でさまざまなラインアップがあった印象。24インチのなかでも、高さや角度を変えられるタイプだとだいぶ価格が上がった。僕が買ったのは高さなどは固定されたものだが、モニター台とか空の商品パッケージとかを代用するつもりだった。
別世界のように作業が快適になった
これが初のモニター導入だったわけだが、もう別世界のように作業が快適になったのをよく覚えている。実はモニターを買うまでは「モニター買った方が良いぞ〜」とアドバイスを受けたときも、わりと聞き流していた。すみません。
ゲームや動画編集などをしない僕にとっては、モニターのスペックはそれほど重要ではなかったので十分に快適だった。画面が大きくなることがこんなに素晴らしいとは。
デスク環境を整えるならまずモニターです。間違いない。
2022年8月〜2022年10月 シンプル化、そしてPC周辺機器の沼へ
「シンプルにしたい!」という衝動
しばらくモニター+パソコンの2画面の快適さを味わっていたのだが、突如として「シンプルにしたい!」という気持ちが押し寄せてきた。デスクの上はパソコン置きっぱなしが基本だったため、その状態に嫌気がさしたのかもしれない。
クラムシェルモードを前提とした機材選び
今回は機材を買う前からデスクのイメージがあった。写真のように、パソコンを閉じたままでもモニターに出力される「クラムシェルモード」での作業だ。
クラムシェルモードでの作業やWeb会議に必要なものをピックアップして家電量販店へ。買ったのはすべてエレコム製品。キーボード、マウス、カメラ、USBハブを買っても1万円程度なのがありがたい。
パソコン周辺機器はとりあえず買って使ってみないとわからないが、エレコムは安価な導入モデルのラインアップが豊富なので本当に助かる。言い換えれば、しっかりと“沼”に引き込んでくれる存在なのだ。
視点が固定され、掃除が楽になった
画面が一つになったことで、首を動かさなくて良くなったのは大きな違い。書き物をするときも、使っているエディターをモニターに全画面表示すると、没入感が出て作業が捗る感覚もあった。ついでに、デスク上がシンプルになったので掃除しやすい。
2022年10月〜2023年3月 ゴツさを求めて
「パソコン閉じたまま」ってもったいなくない…?
最初はシンプルな環境も良いと思ったが、結局2ヶ月で2画面環境に戻ることになる。作業できる画面は、やっぱり広いほうが良い。パソコンがあるのに、その画面を使わないのももったいない。
また、パソコンを閉じてモニター台の下に収納していたため、パソコンを起動するために毎回引き出して、閉じて、しまうというアクションが面倒でもあった。
吟味しながら周辺機器をグレードアップ
今回は以前使っていたものよりも高さのあるモニター台が2台、メカニカルキーボード、トラックボールが登場。かなりゴツくなった。
まず首や肩が凝るので、視点をもっと高くできるような台を追加。キーボードは、疲れにくさや作業中の心地よさを考えて、メカニカルキーボードに挑戦してみた。家電量販店でけっこう悩んだが、最終的には見た目がいちばん好きだったモデルにした。キーが丸くてタイプライターみたいのが良かった。
また、このタイミングでトラックボールデビューも果たす。これもロジクール。握り心地と重さがかなりフィットする。
やっぱり作業画面は広いほうが良い
2画面に戻してみると、まあ圧倒的に作業しやすい。どう考えても作業画面は広いほうが良い。
それと、メカニカルキーボードは慣れるまでに時間がかかるが、慣れてくると打鍵が楽だし、なにより音がとても心地よい。「カラカラカラ…」という軽快な音を聞いてると「仕事してる感」が出て精神的にも良い気がする。
2023年3月〜2024年10月 クソデカモニター襲来
「エディターを画面の真ん中に置けない」問題
モニターの隣にパソコンを置く2画面スタイルを継続していたが、実はずっと気になっていた問題があった。それは、モニターとパソコンの2画面だと、たいていモニターはエディターとブラウザの2分割、パソコンにはチャットアプリなどをまとめるといった使い分けをしていた。しかし、この使い方だとどうしても視点が正面にならないのだ。首を右や左に向けながらの作業なので、とにかく首や肩が凝った。
悩んだ挙句、ついに「作業画面は小さいけどシンプルな1画面か」「画面は広がるけどゴツい2画面か」という迷いどころを解決する機材を導入する。クソデカモニターである。
大きさ・見え方・操作性を細かくチェック
買ったのは、DELLの34インチ(画面比21:9)の湾曲モニター。買ったのは通販だが、買うまでに家電量販店へ何度も足を運んでかなり慎重に選んだ。とにかく物理的に大きいので失敗できない。
まず大きさは29〜37.5インチを候補にいれて、画面を分割したときの、各アプリケーションの見え方を比較。家電量販店にあるモニターに流れるデモ映像を見たり、YouTubeで検索したりもした。その結果、「画面を3分割しても大きすぎず小さすぎない34インチ」がちょうど良かった。
次に湾曲モデルか通常モデルか。乗り物酔いをしやすい僕は、「湾曲モデルって酔いそう」と不安だったので、「湾曲モデル 酔う」とかいうキーワードで調べて、シューティングゲームの映像なども確認した。
そして、今回は高さや角度の調整機能もマストだと考えていた。これらの要素を踏まえて、価格も比較しながら選んだのがDELL。34インチの湾曲モニターで6万円程度だったので、とても良い買い物だったと思う。
「別世界のような快適さ」を更新
34インチという大きさは、ちょうど24インチのモニターとパソコンの画面を足したくらいの大きさになる。大きな画面にたくさんのアプリケーションを置いてもこんなに快適なのかと、これまた別世界のような快適さを感じた。
画面を3分割し、真ん中にエディター、左右にブラウザその他を配置することで、「エディターを画面の真ん中に置けない」問題もしっかり解消された。
2024年10月〜 デスクを2つ用意してみる
注意散漫により情報量の多さが気になるように
すべての問題を解決したクソデカモニターもずっと完璧というわけではなかった。というのも、僕は多動がひどくて全然集中できないこともあり、最近はモニターの大きさや情報量の多さが注意散漫を加速させた。
しかし、このモニターの大きさは捨てがたい。その一方で、シンプルな作業環境もほしい。そこで考えたのが、デスクをもう一つ用意すること。眠っていたデスクを出して、超シンプルな作業スペースを作った。いわば「デスクの拡張」。いま、6畳の居室にはデスクが2台ある。
モニターの拡張ではなくデスクの拡張
今回の変更で新たに買ったものはない。しかし、いままでモニターの拡張ばかりを考えていた自分にとって、デスクの拡張という発想はなかった。
たしかに、普段自宅で作業している人が時々カフェに行ったり、職場のなかでも場所を変えたりすると作業が捗ることもあると思う。今回の試みはそれと似ている。
初期装備だけど集中力アップ。リフレッシュもしやすい配置に
いつも使っているデスクのなかで工夫するというよりは、単に作業スペースを増やしただけ。しかも、作業環境的には大幅なグレードダウンというかもはや初期装備に戻ったわけだが、いまの僕にはこれが意外にもハマり、とても集中できて作業が捗った。
まず情報量を減らしたことが大きいが、それだけでなく前方の視界が広くなって圧迫感がない。また、追加したデスクに座り右を向くと本棚なので、ぼーっと眺めたり気になった本を手に取って読んで戻したりするのが良い休憩になるということにも気づいた。さらに、イスが硬くなったのでリラックスしすぎない(時々立ち上がらなければならない)ことも、集中力の持続に役立っていると思う。
デスク環境の探究は続く
モニターによる画面の拡張からはじまり、シンプルになったりゴツくなったり周辺機器やデスクが増えたりと、快適さを実現する方法は無数だ。そしてそれは、その時々の仕事内容や自分の精神状態などにも左右される。つまり、「快適」とは常に変化していくものなので、デスク環境の探究にも終わりはないということ。
みなさんはどのようなデスク環境だろうか。「これがベスト!」と思っていても、機材をひとつ加えるだけでさらに作業がしやすくなることもあるはず。いまの環境を見直してみると、思わぬ発見があるかもしれない。