麻婆豆腐の専門店として、2024年9月にオープンした株式会社マーボードウフ。東中野にあるカウンター8席の小さなお店は、唯一無二の味わいに魅了された人たちでいつもにぎわっています。
そんな人気店をオープンさせたのが、鍼灸師、ライター、実業家、インフルエンサーと、多彩な顔を持つ5歳さんです。
5歳さんの麻婆豆腐へのこだわりと麻婆豆腐業界に対する熱い想い、そして筆者が冬季限定の白子麻婆豆腐を試食した感想まで、盛りだくさんでお届けします。
どん底で見つけた希望。麻婆豆腐が人生を変えた
5歳さんにとって、中野は長年住んでいるホームタウンです。仕事も私生活もうまくいかずに悩んでいた時期、よく飲みに行っていた中野のBAR & GALLERY スミスの店長に提案され、月に1回お店に立って料理をふるまうことに。自分のつくった料理を食べてくれる人たちの笑顔を見て、5歳さん自身も笑顔を取り戻していきました。
そして、いろいろな料理を出していくなかで、初めて「また食べさせて」と言ってもらえたのが麻婆豆腐だったのです。
人生のどん底で認めてもらえた麻婆豆腐。カレーやラーメンのような専門店も少ないブルーオーシャンの今なら、まだ席が空いているかもしれないと考えた5歳さんは、麻婆豆腐の研究に没頭します。
もともと好きが高じての得意料理だったこともあり、おいしさもクオリティもぐんぐん進化。「5歳さんの麻婆豆腐」はあっという間に評判となり、出店を希望するファンが続出します。 その勢いに乗って2023年7月に代表をつとめる会社の社名を「株式会社マーボードウフ」に変更し、同年8月には中野の盆踊りイベントでの初出店を果たしました。 しかし、ここで問題が発生します。麻婆豆腐のおいしさだけを追求し、利益の追求ができていなかったのです。イベントがおこなわれた2日間、原価率や人件費を考えずに頑張った結果、140万円を売り上げたのにも関わらず5歳さんの時給は300円を切る事態に。 友人であり、株式会社マーボードウフのメンバーでもあるヨッピーさんには「経営のセンスがない」とまで言われてしまいました。 ショックを受けながらもめげずに立ち上がるのが、5歳さんの強み。麻婆豆腐に見出した希望を諦めず、盆踊りイベントの1ヶ月後にはキッチンカーを購入しました。それを機にイベント出店やケータリング事業を本格的にスタートし、順調にファンを獲得していきます。 |
そして、麻婆豆腐を仕事にすると決めてから、わずか1年半で店舗をオープン。趣味でつくっていた麻婆豆腐をきっかけに、5歳さんの人生は大きく変化しました。
「好き」に向き合い、こだわりを形にする
多くの人を魅了する株式会社マーボードウフの麻婆豆腐には、数々のこだわりが詰まっています。
まずは、味の決め手となる山椒。奈良県の吉野地方で、ごくわずかしか採取できない完熟山椒を取り寄せています。柑橘のような清涼感のあるフルーティーな風味と、爽やかで心地よい刺激を感じる逸品です。
調味料へのこだわりは、自家製のラー油にも表れています。中国物産店の店員さんにアドバイスをもらいながら1年ほどかけて研究を重ねた結果、材料や工程が削ぎ落とされてかなりシンプルになったそうです。それでも葱を10本つかって葱油をつくったり、唐辛子を3種類ブレンドしたりと、時間と手間をかけて丁寧に仕上げています。
そして、株式会社マーボードウフの麻婆豆腐において、一番の特長と言えるのが羊肉です。クセがなく旨みたっぷりの厳選された国産羊肉を、存在感のある大きさにカットして贅沢に使っています。
なぜ羊肉を使おうと思ったのか聞いてみると、「好きだからです!」というシンプルな答えが返ってきました。羊肉も、麻婆豆腐も、人を笑顔にすることも、自分の「好き」に真摯に向き合い、こだわりを突き詰めていく力が、食べる人を感動させるおいしさにつながっているんだなと感じました。
冬季限定!濃厚とろぷり白子麻婆豆腐
筆者も実際に、5歳さんの麻婆豆腐をいただいてきました!株式会社マーボードウフの店舗があるのは、JR東中野駅の東口(南側)から徒歩2分ほどの場所です。
ドアを開けると、カウンター8席の店内に食欲をそそるスパイスの香りが溢れていました。つくっているところを間近で見られるので、待っている間も楽しめます。
今回オーダーしたのは、冬季限定メニューの白子が乗った羊肉麻婆豆腐です。私の期待を反映したのか、無加工なのにキラキラと輝いています。
たっぷりと贅沢にあしらわれているのは、根室産の白子。透明感のある白さ、ヒダをしっかり保っている姿からして、間違いなく鮮度抜群です。
友人や知人が絶賛していた、いつかは食べてみたいと思っていた「5歳さんの麻婆豆腐」が、ついに目の前に!
その瞬間、私はワクワクの陰で一抹の不安を感じました。実は…羊肉も辛いものも少し苦手なのです。どちらも食べられないほどではないけれど、積極的に食べることは絶対にありません。
ラー油や山椒の量は調整してもらえるので、控えめにお願いしました。そして、いざ実食。たった一口で、不安なんて遥か彼方に吹き飛びました。
これはもう、めっちゃくちゃおいしいやつだ〜〜〜!!!
懸念していた羊肉はくさみがなく、上品なラムの旨みがアクセントになって絶妙な味わい。複雑に絡み合うスパイスの風味が、食欲を爽やかに刺激してくれます。
そしてそこに加わるのは、ぷりっぷりの食感と、とろ〜り濃厚な味わいを持つ白子という名の旨み爆弾。もはや、口の中でパーティーが開催されているようなものです。
脇を固める副菜もあなどれません。もち米をまとったスパイシーな自家製のラム肉しゅうまいや、レモングラスのような風味の木姜油で味付けしたザーサイなど、麻婆豆腐を引き立てながらもそれぞれが主役級のおいしさでした。
それにしても副菜3品とスープまでついて、2000円とは…(通常の羊肉麻婆豆腐定食は1500円)。しかも、ご飯のおかわりは無料です。また利益を度外視しているのではと、おせっかいながら少し心配になってしまいました。
白子麻婆豆腐は、白子が入手できる限り提供されるそうです。冬の間にぜひ、足を運んでみてください!
目指すは市民権獲得とコンビニコラボ!麻婆豆腐業界を盛り上げていく
麻婆豆腐に希望を見出してから、わずか1年半で店舗をオープン。順調に事業を成長させている株式会社マーボードウフが目指すのは、5歳さんの麻婆豆腐を全国の人が味わい、おいしいと思う「麻婆豆腐の天下統一」です。
実現のために、まず必要なのは麻婆豆腐の市民権獲得だと5歳さんは言います。
「もちろんすでに認知はされていますが『好きな食べ物は?』と聞かれたときに、麻婆豆腐と答える人はまだまだ少ないと思うんです。麻婆豆腐をカレーのような立ち位置に押し上げていけるように、もっと業界全体を盛り上げていきます!(5歳さん)」
最終的な目標は、コンビニとのコラボ商品を出すこと。全国のコンビニで5歳さんの麻婆豆腐を食べられる日が来るのも、そう遠くないかもしれません!
株式会社マーボードウフが、新宿麻婆豆腐百貨店に出店!
2024年に初開催し、好評を博した「新宿麻婆豆腐百貨店」が伊勢丹新宿店で開催されます!開催期間は1月15日(水)〜1月21日(火)。話題の「ガチ中華」から中華料理の名店まで、9店舗の個性豊かな麻婆豆腐が全国から集結します。
株式会社マーボードウフは、白子の麻婆豆腐で参戦します。全店舗が実演販売をするので、見て、食べて楽しめるイベントになりそうです。
イベント概要
【開催期間】2025年1月15日(水)~1月21日(火)
【会場】伊勢丹新宿店 本館地下1階 フードコレクション
【出店ブランド(順不同)】
・赤坂四川飯店
・サワダ飯店
・古樹軒 心斎橋店
・味坊
・四川料理・麻辣十食
・重慶飯店
・陳家私菜
・汁なし担担麺ピリリ
・株式会社マーボードウフ