若者の車離れ。
こんな言葉を一度は聞いたことがあるだろう。
たしかに、都市部に住んでいれば、車がなくても生活できる。
僕も都市部に住んでいるが、電車やバス、自転車を使えば、ある程度どこへでも行ける。
ただ、僕は社会人1年目から車を持ち、現在も乗り続けている。
- 数年前まで地方に住んでいた
- 小さい頃から車が好きだった
こうした理由は、たしかにある。
けれど、都会に住む今でも「車があってよかった」と思っている。
そして、同じように都市部に住む友人からも「やっぱり車があったほうが便利よな」とよく言われる。
この記事を通じて、僕が車を持ち続けるワケとマイカーの魅力を紹介したい。
都会で車を持たない人が増えているのはなぜ?
そもそもの話だが、都会で車を持たない人が増えている理由を、改めて振り返ってみる。
- 車両価格が高くなった(軽自動車でも150万円以上)
- 駐車場代が高い(東京だとひと月当たりほぼ2万円以上)
- 年々高くなるガソリン代
- 車以外の趣味を優先したい(推し活、飲み歩きなど)
- 通勤も買い物も公共交通機関で完結できる
- 乗りたいときだけ使うカーシェアで十分
- 道路が複雑に感じて、電車移動のほうが楽
- 交通量が多く、運転するのが怖い
考えられる理由がこれだけ揃えば「マイカーはいらない」と感じるのも無理はないだろう。
特に、必要なときに手軽に借りられる「カーシェア」の存在は大きい。
けれど、僕は「都会に住んでいても自分の車を持ち続けてよかった」と思っている。
その理由を、くわしく紹介しよう。
都会に住む僕が車を持ち続ける理由【便利さ編】
本題の「僕が車を持ち続ける理由」だが、ふたつのパートに分けられる。
前半では、以下のような「便利さ」にまつわる4つの理由を紹介したい。
- 行動範囲が広がる
- 時間を気にせずに出かけられる
- 複数人だと電車・バスより安いこともある
- 重たいものも気軽に持って帰れる
行動範囲が広がる
車があれば、公共交通機関より圧倒的に行動範囲が広がる。
山中にある公園やキャンプ場、海岸沿いのレストランなど、「電車・バスでは行きにくい場所」も車なら気軽に出かけることができる。
ここまでは想像できた方も多いだろうが、実はもうひとつ意外と行動範囲に影響を及ぼすものがある。
それは「電車だと大回りしてしまうケース」だ。
例えば、大阪府寝屋川市から高槻市に行くとしよう。
すると、以下のように電車・バス移動と車で移動する場合とで所要時間が大きく異なるのだ。
- 電車・バスで移動した場合:60〜70分
- 車で移動した場合:約30分
40分も差があったら、喫茶店でゆっくりコーヒーが飲めるだろう。
ここまで差があるのには、こんな理由がある。
- 電車のみで移動する場合:一度大阪市内に出る必要がある
- バスを使って移動する場合:電車とバスの乗り継ぎが必要
そして、どちらにも共通するのが「乗り換えが必要」であること。
これが結構、心理的なハードルの高さになっている。
これが車なら、家から目的地まで乗り換えなく最短ルートで向かうことができるのだ。
時間を気にせずに出かけられる
ひとつめの理由で時間について軽く触れたが、同じ時間でも別の観点がある。
それは「利用時間の縛り」だ。
レンタカーやカーシェアは、借りる時間と返す時間が決まっている。
そして、返す時間に間に合わなければ、延長料金を支払わなければならない。
そのため、旅に出ても、返却時間を気にして早めに戻らなければならない。
それでいて、僕はもともと集合時間より早く着かないと不安なタイプ。
事故や工事などで渋滞に巻き込まれたときなんかは、心臓がバクバクしてしまう。
けれど、マイカーなら返却時間を気にせずに旅行を楽しめる。
万が一渋滞に巻き込まれても「車内で晩ごはんでも食べつつ、道が空くのを待とう」…のような方法も取れるのが、マイカーならではの魅力だ。
複数人だと電車・バスより安いことがある
意外かもしれないが、複数人で乗り合えば電車やバスより安いこともある。
例えば、3人で新大阪から東京まで行ったとしよう。
- 電車・バスで移動する場合:3人合わせて約45,000円
- 車で移動する場合:3人合わせて約32,000円(高速代:24,000円、ガソリン代:8,000円)
ガソリン代は車種や経済状況などによって前後するが、電車より安いのはおわかりいただけただろう。
それでいて、周囲を気にせず大声で会話も楽しめるのも、車ならではのメリットだ。
このことから、僕と妻が出かけるときは99%車移動だ(残り1%は飲みに行くとき)。
重たいものも気軽に持って帰れる
あなたは休日の電車で、大きな家電の段ボール箱を必死に運ぶ家族を見たことはないだろうか。
重たいから当然疲れるし、大きいから周囲の迷惑にならないか気を遣う。
僕も学生時代に大きな荷物を電車に持ち込んだことがあるが、帰るころには気疲れでぐったりした。
けれど、車なら後部座席やトランクに詰めてさえしまえば、何も気にせずに帰るだけだ。
出先や帰り道で食料品をまとめ買いしてそのまま帰る…なんてことも車だと気軽だ。
この便利さを知ってしまったら、もう電車には戻れない。
都会に住む僕が車を持ち続ける理由【メンタル編】
ここまで、マイカーを持ち続ける理由を「便利さ」の側面から紹介した。
けど、実はそれだけじゃなく、僕は「メンタル面」でもマイカーに支えられている。
後半では、その4つについて紹介しよう。
- 観たことのない景色と出会える
- 車との思い出ができる
- 自分だけの空間を持てる
- 新しい仲間と出会える
観たことのない景色と出会える
僕は昔から、電車の窓から眺める景色が好きだった。
新幹線でも高速バスでも、周囲に驚かれるほど飽きずに見続けていた。
しかし、当然のことながら新幹線や高速バスは、同じ線路や道を通る。
もちろん、その日によって見える景色は異なるが、物足りなさを感じたこともあった。
けれど、車なら気分で道を変えることができる。
- いつもの道より、一本向こうを通ってみる
- 通ったことのないルートで旅に出る
こんなことが自分次第で簡単に叶うのだ。
さらに、都会であれば、車でしか味わえない「都市高速の景色」は格別だ。
友だちとサカナクションをBGMに首都高速を走った瞬間、「エモい」の一言では片付かないほど衝撃を受けた。今でも忘れられない夜のひとつになっている。
車との思い出ができる
マイカーがあると、車が単なる交通手段ではなく「家族」のような存在になる。
僕が今の車に乗ってもうすぐ3年だが、数え切れないほどの思い出がある。
車とともに1週間ノマドワーカーしたこともあったし、
独身時代は仕事終わりに妻の自宅まで走らせ、
婚姻届の提出や新婚旅行も愛車と一緒だった。
1年と少し前に当て逃げ(!)されたのも、今となってはいい思い出だ。
iPhoneの画像フォルダを見ても、車の写真がたくさんある。
所有しているからこそ「ともに生きる」ような感覚になれるのだろう。
自分だけの空間を持てる
マイカーは「自分だけの空間」にも生まれ変わる。
外とドア1枚隔てた僕の世界に、すぐに行くことができる。
お気に入りの芳香剤や好きな音楽があれば、もうそこは「自分の部屋」だ。
僕が数年前にうつ病で休職する寸前だったとき、車の中で何度も泣いた。
それだけ、僕のために確保された「居場所」だったのだろう。
また、以前にこう話していた方がいて共感した。
「エンジンを切って、5分くらいボーッとしてから帰ることで、気持ちを切り替えています」
なんだろう…車のなか特有の安心感って、ある。
新しい仲間と出会える
車好きだからというのもあるが、車がきっかけで新しい仲間と出会えたこともある。
- 同じ車種に乗っている人とSNSでつながり、情報を交換する
- オフ会に参加し、同じ趣味の人と共通の話題で盛り上がる
こうして、会社と自宅以外の「第三の居場所」ができたのは、本当にありがたい。
視野が広がり、安心して自分を出せる。
その結果、僕にとってストレス軽減のきっかけとなっている。
また、X(旧Twitter)でも発信しているように、僕は「職場以外の居場所」を持つことを推奨している。
「自宅と職場を往復するだけの日々」という人にとって、マイカーは人生を変えるきっかけになるかもしれない。
よく車に乗るなら、マイカーの検討も
「必要なときだけ、カーシェアを使う」
20代の頃は、都市部に住む友人は口を揃えてこう言っていた。
車体価格は上がってるし、維持費は高いし…
そう考えると、カーシェアのほうがいいと思うのも無理はないだろう。
けれど、マイカーには下のような「目に見えないメリット」がたくさんある。
- 返却時間を気にしなくてもいい
- 寄り道や買い物をなどを自由にできる
- 自分だけの空間と新しい居場所が手に入る
- 自分や家族と一緒に思い出を作れる
- 家族が増えたら交通費が安くなる
もちろん、生活ができなくなるような見栄を張るのはよくないけど…
ドライブや買い物でよく車を借りる人は「マイカー」という選択肢を考えてみてはいかがだろう?