円安の最中、海外旅行は夢のまた夢。まして、航空券やホテルが爆上がりするお正月なんて…。私も諦めていたひとりである。
が、しかし。奇跡の9連休と言われた2024年〜2025年の年末年始。われわれ夫婦はギリシャにた。
宝くじでも当たった?
いいえ、当たっていません。かすってもいません。
夫婦2人、アテネ・サントリーニ島7日間滞在の旅費はなんと、30万円弱。
円安、年末年始でこの価格を実現できた理由を紹介しよう。
冬のサントリーニ島が破格な理由

昨年11月、愛猫を亡くした私はひどく落ち込んでいた。
塞ぎ込む日々が続く私を慮ってか、夫が旅を提案してくれたのは暮れも押し迫った12月上旬。
「年末年始なんて今から予約しようたって航空券もホテルも取れないよ。取れたとて円安だよ?年末年始だよ?そのお金で3回は旅行できるわい」
夫の優しさに対し、あんまりやすぎやしないか、私(今は反省しています)。
夫によると、今から予約できる航空券はないかとリサーチした結果、ギリシャ・アテネ往復の航空券が12万円/1人という破格のチケットを見つけたそうな。
どうせならサントリーニ島まで足を伸ばそうと、さらにリサーチした結果、ホテル代がオフシーズンはイシーズンの半額以下になることが判明。

サントリーニ島のイメージといえば、
・ハネムーンのメッカ
・世界一の夕日が見れるところ
・フォトジェニックな白い家と青い屋根
そんなリゾート地が年末年始なのに破格で行けるなんて。何か裏があるんじゃないかと疑いの目を向けたあなた、わかる。私もそうだった。
安い理由はただひとつ。
冬のサントリーニ島はオフシーズンだからである。
オーバーツーリズムな夏のサントリーニ島
エーゲ海に浮かぶサントリーニ島のベストシーズンは5月から10月。島の人口約2万人に対し、年間の観光客数は340万人にのぼり、そのほとんどがハイシーズンとなる夏に集中するのだとか。
実は学生時代、夏休みにダイビング目的でサントリーニ島を訪れたことがある私。あまりの人の多さに辟易したことを覚えている。
世界一とされるイアの夕日のフォトスポットは、人・人・人。場所取りもままならない。
中心部のフィラの細い路地は、休日の表参道並みに混雑。道も渋滞。ゆえに、サントリー島は世界一オーバーツーリズムな観光地といわれている。
当然、オンシーズンの航空券とホテルの価格は爆上がり。アテネとサントリーニ島を結ぶ飛行機や船も高い。レストランやマリンアクティビティも価格を二度見するほど高い。概算にはなるが、われわれと同じ旅程をベストシーズンに組むとなると、1人30万円以上はかかるだろう。
お得だらけの冬のサントリー島

ベストシーズンの夏に対し、冬のサントリーニ島はとても静かだった。
ハイシーズンには観光客でびっしりな狭い石畳の通りや絶壁のバルコニーにいるのはのんびり日向ぼっこする猫。人より猫が多いのでは?と思えるほど、人がいない。
ちなみにサントリーニ島は地域猫がたくさん住んでいるので、猫好きにはたまらない。
夕日や青い屋根、白い街並みも好きな場所で好きなアングルで撮影し放題。冬とはいえ、温暖な気候なので日中はアウター要らず。ギラギラとした夏の日差しもいいけれど、ビーチやプールで過ごす予定がないのであれば、冬のサントリーニ島はうってつけだ。

冬のサントリーニ島を訪れる最大のメリットは、ホテルが安いこと。われわれが滞在した島のほぼ中央に位置するヴォトナス村にある洞窟ホテルは、ハイシーズンなら1泊5万円は下らない。今回、半額以下で利用できた。
高級ホテルのラグジュアリーな空間の中、本を読んだり、料理をしたり。ホテルの中庭を通る猫たちと遊んだり。何をするでもなく、のんびりと過ごすには最高の環境だった。










オフシーズンの旅行はデメリットもある。サントリーニ島の場合、ホテルやレストラン、お土産屋さんの9割は休業。名物・ロバタクシーをはじめ、バスやタクシーもほぼ、走っていない。そのため、島内の移動はレンタカー一択になる。

でも、選択肢は少ないが、地元の人たちのために営業しているレストランは信頼できるし、価格もリーズナブル。スーパーマーケットは通常営業している店が多いので、キッチン付きホテルであれば自炊ができる。何をメリット、デメリットとするかは、人それぞれ。

のんびり静かに過ごす旅なら、オフシーズンがおすすめ

旅費だけを見ると確かにオフシーズンの旅行はお得感がある。でも、ハイシーズンには当たり前にあるアクティビティやオプショナルツアーはほとんどなく、物足りなさを感じる人もいるだろう。サントリーニ島に4泊したわれわれも、3日目にはすることがなくなったので、ホテルで本を読んだり、スーパーマーケットで買った食材で料理をしたりして過ごした。

サントリーニ島で新年を迎えたわれわれは、その後アテネに移動し、パルテノン神殿をはじめとした遺跡を堪能。島に比べてアテネは観光客で賑わっていたけれど、それでもハイシーズンのようにチケットブースに並ぶことなくアクロポリスなどの観光スポットに入ることができたし、人気のレストランも予約なしで利用できた。
円安を鑑みても、オフシーズンの旅行ってデメリットよりメリットに感じることが多いと思う。
コロナが収束し、再び海外旅行の扉が開いた今、円安に負けずに旅をするなら、オフシーズンを狙ってみてはいかが?ハイシーズンにはない、ユニークな体験ができるかもしれない。