徒歩30秒のコンビニに行くのも躊躇するほど超インドアなわたしでも、春になると、あぁどこかに出かけたいなぁ。自然とふれあいたいなぁ。なんて思う。
とはいえ、道具をたくさんそろえる必要があるキャンプや、体力がものをいう本格登山などは、ハードルが高すぎる。わたしが求めているのは、もっとゆるく、気ままにできるアクティビティなのです。
できれば朝早く起きる必要がなく、その日思い立って行ける距離感で、体力や運動能力をあまり必要としないものがいい。
そんな条件にぴたりとハマったのが「低山登山」でした。距離的にも気分的にもぷらっと出かけられて、体力がなくてもゆるっと楽しめる低山登山の魅力と、東京近郊おすすめコースを紹介します。
低山登山の魅力とは
低山登山は、登山というよりハイキングに近い感覚でチャレンジできます。低山(標高1000メートル未満の山)なので時間もかからないし(2〜3時間程度で登って下りてこられる山が多い)、専用の道具がなくても登れるので事前準備もそれほど必要ありません。
休日の朝、少し寝坊して起きて「天気も体調も気分もいいからちょっと登りに行くか!」という気楽な感じで行ける。それでいて、自然とふれあってリフレッシュできるし、いい運動にもなる。
すべてにおいてちょうどいい塩梅なのが、低山登山の魅力です。
あると安心。低山登山に必要なもの

とはいえ、最低限必要な準備や持ち物もあります。低山登山にチャレンジするなら、下記のものを揃えておくと安心です。
■トレッキング・ハイキングシューズ
低山とはいえそこはやはり山道。ぬかるんでいたりでこぼこしていたりするので、靴はしっかりしたものがベスト。事前に何度か履いて、足に慣らしておくことも忘れずに。山道で靴擦れになったら地獄ですよ!
■登山用ソックス
トレッキングシューズやハイキングシューズは、普通のスニーカーより作りがしっかりしていて重さもあります。そのため、厚みがある専用の靴下も必須。もういちど言うけど、山道で靴擦れは地獄!
■バックパック(リュック)
できれば腰の位置にベルトがついていて、身体にしっかり固定できるものがおすすめ。わたしは一般的なリュックで登山に行ったのだけど、山を降るときにリュックが背中にボンボンあたって地味に不快でした……。
■モバイルバッテリー
登山中にスマホの充電がなくなると大変(地図のチェックもできなくなる)なので、モバイルバッテリーも必要。道に迷ったり、けがや体調不良で動けなくなってしまったりという可能性もゼロではないから、連絡手段は確保しておきましょう。
とりあえず、このあたりのものがあれば準備はOK。服装は、動きやすく汗などが乾きやすい素材のものであれば登山用でなくても構わないけれど、虫さされやけがを防ぐためにも、できるだけ肌の露出は控えると◎。もちろん当日は、飲み物など多めに持参を。
初心者は「前日の天気」もチェックすべし!
わたしがはじめて低山登山をしたときに「これは盲点だった」と思ったのが、前日の天気。登山当日は晴れていたのだけど、前日に雨が降ったようで、山道がぐちゃぐちゃにぬかるんでいたのです。そのため下山の際中、何度もすべって転びそうに……。「もう二度とぬかるんだ山道は歩きたくない!」と強く思い、その後は前日に雨が降っていないかも必ずチェックするようになりました。前日の天気、意外と重要です!
都心から1時間45分以内。駅近低山おすすめコース
ここからは、実際にわたしが出かけたおすすめコースをご紹介。どのコースも、都心(新宿を起点にしました)から電車で1時間45分以内で行けて、駅から山が近く、登山時間3時間以内なので、たとえば10時ごろ家を出て、お昼ごろからゆっくり登山をしても、夕方には帰路につけます。ぜひ、ゆるっとぷらっと出かけてみて!
◼️弘法山コース

小田急線「秦野駅」から、「浅間山(せんげんやま)」「権現山(ごんげんやま)「弘法山(こうぼうやま)」と3つの山を登って、「鶴巻温泉駅」へ下るコース。どの山も標高250メートル未満。道も整備されていて歩きやすいので、ハイキングやウォーキング感覚で気軽に登れます。
コースの途中には、展望台や芝生の広場(自動販売機もありました)、トイレも数カ所あるので、いろいろ安心。
所要時間
新宿駅から秦野駅:約1時間
秦野駅から山の入り口まで:15分ほど
浅間山入り口から鶴巻温泉駅:ゆっくり歩いて3時間程度
■高尾山山頂~小仏城山~相模湖コース

「高尾山」から「小仏城山」へ歩き、「千木良登山口」に下り、相模湖まで歩くコース。
高尾山は、ケーブルカーも山頂も人でごったがえしているけれど、山頂から少し足を伸ばして小仏城山まで行くと、人も少なくなり、ゆったり山歩きを楽しめます(わたしは山頂までリフトを利用したけれど、もちろん徒歩で登ることもできます)。
高尾山山頂から小仏城山までの道は整備されているので歩きやすいし、意外にアップダウンもあって、「登山してる~(あくまでも初心者の感想です)」という感覚になれるところもいい。小仏城山の山頂にはベンチやトイレ、茶屋もあって、景色をながめながらのんびり休憩できます。
小仏城山山頂から山を下り(ひたすら下ります。この道がぬかるんでいてこわかった……)千木良登山口についたら、一般道を相模湖まで歩き、JR「相模湖駅」でゴール。山を下りてからも結構な距離を歩くのですが、橋を渡ったり相模湖ダムを通ったりするので、楽しみながら歩けました。
所要時間
新宿駅から高尾山口駅:50分前後
高尾山頂から小仏城山:60分ほど
小仏城山山頂から千木良登山口:40分ほど
千木良登山口から相模湖駅:40~50分
■大多摩ウォーキングトレイルコース
JR青梅線「古里」駅から「大多摩ウォーキングトレイル」を歩き、「白丸」駅にゴールするコース。(もうちょっと先まで歩けるなら「奥多摩駅」をゴールにしてもいいです)
このコース、玉川の上流に沿って歩くのですが、登山道に小さな滝があったり、鳩ノ巣渓谷で雄大な川の流れを楽しんだり(しっかりした岩場があるので、ここで休憩するのがおすすめ)、白丸ダムを眺めたりと、大自然をがっつり満喫できるんです。
比較的歩きやすい場所が多いですが、深い森の中を歩いたり、渓谷沿いは石がゴロゴロしていたりするので、登山感も味わえます。今回ご紹介した中ではいちばん自然が豊かで、でも体力的にはそれほどつらくない、おすすめのコースです。
所要時間
新宿駅から古里駅:1時間44分
古里駅から登山道入り口まで:10~15分
登山道入り口から鳩ノ巣渓谷:60分ほど
鳩ノ巣渓谷から白丸駅まで:50分ほど
5月は低山登山のベストシーズン!
暑くも寒くもなく、緑がグングン濃くなるこれからの季節は、登山のベストシーズン。わたしも近々、また登りに行こうと思ってます。