雨の日こそ創作日和。簡単・初心者向けコラージュの楽しみ方

コラージュしている様子

雨が降ると、なんだか外に出るのも気が重くなる。予定がキャンセルになった日や、空いた時間。ついスマートフォンを手に取って、ぼんやりと時間が過ぎてしまうこともある。

そんなときは、家にあるもので簡単・手軽にはじめられるコラージュを楽しんでみてはどうだろうか。雨の日が、ちょっと特別になるかもしれない。初心者の方向けに、コラージュのはじめ方や、おしゃれに仕上げるヒントを紹介する。

わたしのこと

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なぜ雨の日にコラージュがおすすめなの?

雨の日にずっと家にいると、何もしていないことに後ろめたさを感じてしまうことがある。だが、無理に動く必要はない。おうちの中で自分と向き合うクリエイティブな時間に変えてしまおう。そんなとき、コラージュはぴったりだ。

コラージュとは、デザインペーパーやシールなどの紙ものや写真や雑誌の切り抜きなどを自由に組み合わせて台紙に貼っていく表現方法。決まりがないからこそ、自分の“好き”が自然とにじみ出る。

SNSや外の情報から離れて、自分の感性と向き合う時間が持てるのも、雨の日の特権。集めた紙ものや写真を組み合わせていくうちに、「これはわたしらしい」と思える瞬間が訪れる。

自分の“好き”を知るきっかけとして、雨の日のコラージュはうってつけ。スマートフォンから手を離し、雨音をBGMに、ひとりきりの世界に没入してみよう。

コラージュの始め方を解説

コラージュに必要な台紙・素材・道具。まずは元々持っていたアイテムを使ってみて、必要になったら各種そろえるのがおすすめ。

1.コラージュする台紙を決める

スケッチブック、リングノート、システム手帳、ルーズリーフが机に置かれている様子。

まず用意するのは、コラージュを貼り付ける“台紙”。まずは身近なノートや手帳の空白スペースで試してみてもいい。

新たにコラージュ専用の台紙を用意するなら、初心者の場合、用紙サイズはB6〜A5、綴じ方はリングタイプで、透けない紙を使ったスケッチブックやノートがおすすめ。

B6〜A5サイズなら小さな作業スペースでも収まりやすく、保管もしやすい。リングタイプならページが180度しっかり開き、のり付けやスタンプ作業がしやすいのだ。

透けない用紙を選べば両面ともコラージュに使え、ペンで書き込んだときやスタンプを使ったときにインクが裏抜けしづらい。

綴じノートを使いたい場合は、フラットに開く製本のものを選ぶと作業がしやすい。また、ページが抜き差しできる、スクラップブック、ルーズリーフ、システム手帳などで作ると、お気に入りの作品だけを集めた1冊が作れる。

2.素材集めをする

コラージュの素材が机に置かれている様子。

コラージュの素材は、身のまわりのもの全てが対象になる。大げさでなく、捨てようとしていた紙類が宝の山に変わるのだ。

例えば、雑誌の切り抜き、パッケージのデザイン、紙袋、古いカレンダーや包装紙。そこに“好き”が少しでも感じられたら、素材としてストックしておこう。

また、文房具屋さんや100円ショップの“紙ものコーナー”にも目を向けたい。シールやマスキングテープ、デザインペーパーなど、使える素材が豊富だ。

日常のなかで「これ、使えるかも」とアンテナを張っておくことが、コラージュの楽しみを広げる鍵となる。

3.道具をそろえる

コラージュの道具が机に置かれている様子。

コラージュを始めるためにそろえたい、基本の道具を紹介する。

必要なもの

  • ハサミ
    テープを切ってもべたつかない加工が施されたタイプを選ぶと、快適に作業ができる。
  • のり
    貼りたい素材によって、使い分けるときれいに仕上がる。乾くのが比較的早く、しわになりにくい“スティックのり”は、雑誌の切り抜きや紙ものを貼るのにおすすめ。厚手の紙や布、立体的な素材など、接着力が必要なときは“液体のり”を使うと剥がれにくい。

あると便利なもの

  • カッター
    真っ直ぐ切りたいときはカッターが確実。
  • デザインナイフ
    ペンタイプのカッターで、細かい作業に向いている。曲線状に切りたいときにおすすめ。
  • カッターマット
    机を傷つけないための必需品。カッターとセットで準備しておきたい。
  • カッター用の定規
    金属製で滑り止めのついたものを選ぶと使いやすい。
  • ピンセット
    小さな紙片やステッカーを貼るときに役立つ。指先では難しい細かい配置もスムーズにできる。

“あると便利なもの”は、作業の幅を広げたり、仕上がりの精度を上げてくれるアイテム。ずは家にあるものから始めて、少しずつお気に入りを増やしていくのも楽しみのひとつだ。

忙しい大人が気軽にコラージュするための工夫

まとまった時間が取れない大人が、コラージュを楽しむには下準備が大切。コツは“小さく始めること”と“すぐ始められる環境”を整えることである。

1.小さいスペースから始める

手帳の空きスペースにコラージュしている様子。

コラージュというと、真っ白な台紙にじっくりと時間をかけて作る印象を持つかもしれない。しかし、そんな大がかりなものだけがコラージュではない。手帳の空きスペースにシールや切り抜きを数枚貼るだけでも、立派なコラージュである。

むしろ、忙しい日々を過ごす大人にとっては、小さくて気軽な表現こそが、無理なく続けられるポイント。天気の記録の横に空の写真を切って貼る、買い物リストの余白にお気に入りのマステを添える。それだけでページに表情が生まれ、日々の気分も少し明るくなる。

わざわざ時間や場所を確保しなくても、手帳という日常の延長でコラージュができるのは大きな魅力だ。小さな時間を使って貼ることを楽しむ習慣が、やがて「もっと作ってみたい」という気持ちを育ててくれる。大切なのは、完成度よりもまず“楽しむこと”なのである。

2.コラージュセットを用意しておく

コラージュセットを机に置いた様子。

気軽に始められる環境を作るには、すぐに取りかかれる仕組みが大切。おすすめは“コラージュセット”をひとまとめにしておくことだ。

お気に入りの紙もの、ステッカー、チケットの半券やラベルなどをポーチやボックス、ファイルに入れておけば、思い立ったときにすぐ始められる。道具も近くに収納しておくと効率的。

毎日忙しくしていると、やろうと思ったときに準備から始めるのが面倒で、そのままやめてしまうこともある。だからこそ、コラージュセットをあらかじめ作っておく。

そして何より、「お気に入りがつまったコラージュセットがある」というだけで、日々の暮らしが少し豊かに感じられる。開けた瞬間、自分の“好き”がぎゅっと詰まった宝箱のような存在になるのだ。

おしゃれなコラージュ作りのヒント

コラージュに正解はないが、初心者のうちは素材をどう配置するか迷ってしまうことも。そこで、“ちょっとおしゃれ”に見せるためのヒントを3つ紹介する。

1.トーンをそろえる

色のトーンをモノトーンに統一したコラージュ見本。

まず意識したいのは、色のトーンを統一すること。これだけでページ全体にまとまりが出る。具体的には、淡い色味で揃えたり、モノクロだけで構成するなどが効果的である。

素材を選ぶとき、「今日はブルー系」「今回は秋色」などテーマカラーを決めるのもよい。貼る順番や位置を調整しながらバランスを整えていくと、自然と一体感が生まれる。

たとえば、白黒チェックのマスキングテープ、白いレースペーパー、グレーの英字シール。背景になる色をそろえるだけで、シックな世界観が作れる。服のコーディネートを選ぶように、コラージュの色選びも楽しみたい。

2.あえて余白を作る

余白を意識したコラージュ見本。

紙面いっぱいに素材を敷き詰めたくなるが、あえて余白を残すことで、作品にリズムが生まれる。余白は“間”としての美しさを引き立てる重要な要素だ。

特に、主役にしたい素材がある場合、その周りに空白を設けることで視線を誘導できる。人物のシールを主役にして、細いシールを囲むように貼るとフレームのように見える。

余白を残すことに慣れないうちは違和感があるかもしれない。しかし、余白も込みでデザインできると、コラージュの奥深さに気づくはずだ。

3.コラージュ素材にひと手間加えてみる

台紙からはみ出したコラージュ素材を切っている様子。

コラージュの雰囲気を変えたいなら、素材をそのまま使わず、ひと手間加えてみよう。チケットやラベルなどの紙モノは、角を丸くしたり、端をちぎったり、くり抜いたりしてみる。

また、素材を台紙からはみ出して貼ると動きが演出できる。はみ出した素材はハサミで切ればOK。

整えすぎないことがコラージュの魅力でもある。多少ズレても、切り口が不ぞろいでも、それが味になる。完璧でなくていい。むしろ、いびつさに自分らしさがにじみ出る。

雨音を聴きながらコラージュを楽しもう

雨の日は、世界がすこし静かになる。そんな時間に、紙を切る音やのりを塗る手の感触を感じながら、自分のためだけの1ページを作ってみよう。

スマートフォンを置いて、手を動かすことに集中する。今日の気分をそっと貼り付ける。そんな時間が、雨の日を好きにさせてくれるのだ。

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杉浦百香

ライター。女性向けや企業メディアのSEO・コラム・レビュー記事を執筆。なかでも、日用品を中心としたモノ系記事を多く担当している。左利きの文具好き。