クローゼットには服があるのに、「今日、着たい服がない」。
片っ端から引っ張り出してみても、なんだかどれもしっくりこない。
持っている服の枚数の問題ではなく、気分との噛み合い方がズレる日がある。
天気、気温、湿度、季節の微妙な移ろい、気持ちのゆらぎ。
ちょっとした違和感が、いつもの服を“似合わない服”に変えてしまう。
そんな日は無理に整えようとせずに、自分の感覚に寄り添ってみるのがいい。
服がたくさんあるのに、なぜか選べない日
「今日はこの服!」とすんなり決まる日もあれば、前日から着るものを考えているのに、まったくもってコーデがしっくりこない日もある。何度か着たお気に入りの服たちがたくさんクローゼットに並んでいても、どれもなぜか手に取る気になれない。
たとえば、湿度が高い朝。いつもなら大丈夫な素材が、肌に張りつく気がしてやめたくなる。ちょっと靴下がチクチクするだけで、耐えられなくて脱ぎ捨てたくなる。
たとえば、特に目的のないおでかけの日。とっかかりがなさすぎて、自分が何色を着たいのかすらもわからない。「いっそドレスコードがあればいいのに」なんて、シルエットや雰囲気を指定してもらいたくなる。
ほんの少しの気分と体感のズレが、今日という日の「着たい服」を濁らせる感じ。だからこそ服選びに迷った日は、“自分の感覚”にとことん目を向ける方がうまくいく。
コーデの軸が決まらないときは、「ひとつだけ」を選ぶ
コーディネートがぼんやりして決まらないときは、“軸”がないから。逆に言えば、主役をひとつでも決めれば、組み合わせるアイテムが自然と埋まる。
トップスやボトムス。色や素材。もしくは「今日はこれを履く」「気分的にこれを持ちたい」として、靴やカバンから決めてもいい。
「肌触りのいい素材が着たい」と思ったら、サラッとしたレーヨンやコットンの洋服を手に取る。「たくさん移動する日だから動きやすい服がいい」ときなら、シワになりにくく足捌きのいいパンツから選ぶ。
形のない正解を探すより、自分の気分が動く“きっかけ”をつくるイメージだ。
今の気分に合わないときは、「選ばない」判断も正解にする
そもそも、着たい気分じゃない服を無理に着ても気分は乗らない。「今日はこの服が似合わない気がする」と思ったら、それは自分の直感に従っていい合図。
“選ぶ”より、“除外する”ほうが早いこともある。
今日はこの形じゃない、この素材じゃない、この色じゃない。そうやって片っ端から消去していくと、意外な一着が浮かび上がることも…。
どうしても決まらないなら「今日はそういう日」と割り切って、あえてシンプルな服に頼るのも悪くない。
服はあるのに着る服がない日のお役立ちコーデ術
当日の朝にバタバタと服選びをしていると、遅刻ギリギリになって焦りが爆増…。そうならないためにとコーデに悩んで眠れないおでかけ前夜でも、服選びのヒントがあればすんなり決められるかも。
服が選べない日の対処法アイデア
- 雑誌(紙やWeb媒体)を読む
- 「WEAR」や「Instagram」アプリを見る
- コーデのイメージがあれば検索する
- 好きな映画やドラマから連想する
- 好きな音楽のMVを撮る気持ちで選ぶ
- 去年の自分がどんなコーデをしていたか写真を見てみる
- 服ではなく靴やバッグから先に選んで合うものを探す
- 新しく買うつもりでショッピングサイトや通販を見る
それぞれ具体的な行動案を挙げて解説するので、参考になるとうれしい。
1. 雑誌(紙やWeb媒体)を読む
プロのスタイリングを眺めるだけで、視点が切り替わることがある。季節の流れやトレンドの配色傾向、素材感の組み合わせ方など、“なるほど”と思えるヒントが詰まっている。紙の雑誌なら、パラパラと捲ってたまたま開いたところのスタイリングを取り入れる遊びも楽しい。
Amazonのプライム会員なら、「Prime reading」機能を使ってみよう。人気ファッション誌が時期ごとに入れ替わり、追加料金なしで読める。紙の雑誌をめくるようにページを送るだけで、頭の中のコーデの引き出しが整理されていく。
2. 「WEAR」や「Instagram」アプリを見る
実際のユーザーが投稿する「WEAR」のコーディネートは、等身大の参考資料。自分と近い体型の人や、好きなテイストの人をフォローしておけば、毎朝“マネできそう”なヒントが見つかる。天気や気温で検索もできるから、現実的な服選びの指針になるのが助かるポイント。
インスタで趣味嗜好が似ているファッショニスタをフォローしておけば、洋服だけでなくバッグや小物など、トータルでセンスが磨かれて、好みのファッションテイストをブラッシュアップできる。
3. コーデのイメージがあれば検索する
「白シャツ 夏 カジュアル」など、ふわっとしたイメージでも検索してみると、意外と今の気分にぴったりな着こなしが出てくる。レディースやメンズなど、あえて異性の着回しをチェックしてみるのもインスピレーションになるかもしれない。
言語化することで、自分の感性や惹かれるシルエットが明確になるのもポイント。次回の買い物のときに、より好みのテイストを検索しやすくなる。
4. 好きな映画やドラマから連想する
映画のなかの登場人物が着ていた服。あの街の風景に溶け込むようなスタイリング。推しの俳優やキャラクターに似合いそうな概念コーデ。
直接マネしなくても、「この世界観に合う服ってなんだろう」と考えるだけで選び方に軸が生まれる。お気に入りの一本が、ファッションの入り口を広げてくれる。
5. 好きな音楽のMVを撮る気持ちで選ぶ
音楽をかけながら、「今の自分がこの曲のMVに出るなら」と思って服を選んでみる。色のトーン、動きやすさ、ちょっとした遊び心。選び方が視覚よりも“感覚”にシフトしていく。
正解はなくていいし、実際のMVとは全然違うコーデになったって誰にも咎められることはない。妄想力が主役になりきる決め手。
6. 去年の自分がどんなコーデをしていたか写真を見てみる
スマホのカメラロールをさかのぼって、去年の同じ時期に何を着ていたかを見る。当時の気分や気温の記憶も一緒に蘇ってきて、「あ、この服あったじゃん」と思い出すことも。
Amazonプライム会員が容量無制限(※)で使えるフォトストレージ「Amazon Photos」なら、アップロードした写真を「去年のこの日」としてリマインドしてくれる。
※静止画のみ。動画とプライム非会員の静止画が5GBまで。
7. 服ではなく靴やバッグから先に選んで合うものを探す
あえて逆算で選ぶのもあり。「雨だからレインシューズにしよう」「フォーマル感のある場所へ行くからきちんとした靴とバッグで」などのTPOを基準に、合わせる丈感や色味などを調整していくと、意外と早くコーデが決まる。
服が決まらないときは、小物の気分のほうがわかりやすいこともある。
8. 新しく買うつもりでショッピングサイトや通販を見る
まだ持っていない服を買うつもりで吟味していると、“ほしい”と思った服のイメージが、実は今の気分そのものだと気づく。似た形や色味がないか、手持ちのアイテムに置き換えて近いデザインを探すのも楽しい。
「自分のなかにない新しさ」を借りることで、選択肢がパッとひらける。
「選べない日」も、自分を知るための時間

服が決まらない日は、なにもかも面倒で自己肯定感が下がったりもするけれど。何が着たくないのか、なぜ似合わないと感じるのか、向き合ってみると“リアルな自分の感覚”に近づける気がする。
正解を焦って探さなくてもいい。気分に寄り添うための方法をひとつずつ試してみれば、きっとなにかが引っかかる。それでも見つからないときは、「全身黒!」「オールホワイト!」など、やけくそみたいに統一してしまうのだってありだ。
「今日はなんとなくこれを着たい」と思える一着が見つかること。その日の自分を、少しだけ肯定できる服に出会えること。それだけで、家を出る足取りがほんのわずかに、軽くなる。