キャップを被りたくなる瞬間。コーデが決まるだけじゃない、人の視線を遮りたいとき

キャップ(帽子)コーデは、ちょうどよく“こなれ”感が出せるところが好きだ。スタイリングの“ハズし”になるし、被るだけでいい感じにバランスよく収まる感じがいい。

それから、人の視線を遮りたいときもキャップの出番。少し俯くだけで、帽子のツバで“人からの視線をカット”できるのは大きい。

わたしに欠かせないキャップとの付き合い方や、人との距離感について考えてみる。

わたしのこと

  • 年齢・性別:30代/女性
  • 職業:ライター/編集者
  • ライフスタイル:誰かと同居/インドア派/リモートワーク
  • フェミニン&カジュアルファッション好き/おひとりさま行動派

キャップコーデの魅力と、被りたくなる瞬間

#収集癖」が人生のキーワードと化しているわたしは、キャップを集めるのも好き。基本的にノーブランドのデザイン重視だけれど、プチプラのショップでは気がついたら吸い寄せられるように手に取っている。

「キャップを被るよさってなんだろう?」と改めて考えてみると、こんな要素が思いついた。

  • コーデをカジュアルダウンできる
    • ほどよいゆるさや抜け感が出せる
  • 人の視線を遮れる
    • コンプレックスや気になる部分を隠せる

ファッション要素でいえば、ラフにしているのになぜかオシャレ度が増すのがお気に入りポイント。

例えばフェミニンなワンピースやスカートなどを着るときでも、キャップとスニーカーで外せば甘くなりすぎなくて、全体の雰囲気に抜け感が出る。かしこまりすぎず、でも「元からオシャレなんです感」を出したい日にはちょうどいい相棒だ。

わたしがキャップを被りたくなるのは、そうやって“自分の在り方や見せ方”のバランスを取りたいとき。ほどよく人との距離を取りながら、誰ともぶつからずに過ごしたい。

視線と視線がぶつかるプレッシャー

できれば、人と目を合わせたくない。知り合いですらちょっと緊張するし、どういう表情でいればいいのか突然わからなくなってしまう。

あんまり見すぎても失礼な気がするし、かといって目を逸らしてばかりいるのも気まずいし…。

親しい人にすらそんな気持ちになるのだから、街中や電車でたまたま居合わせた人の視界からも極力、存在感を消していたい。自意識過剰と言われればまあそうだが、目も顔も、見られるのがとても苦手だ。

そんなわたしの味方になってくれる対策方法が、キャップをかぶることだった。

目深に被ってしまえば、ちょうど相手の顔や目線を遮って隠せる。誰かと目が合っただけで「何見てんだよ」なんて絡まれることもそうそうないのだけれど、些細な不安を減らせば減らすほど、落ち着いて過ごせるし慣れない場所でも居心地がよくなる

余談だが、染めた髪の毛がプリンになって誤魔化したい時期にも、帽子に助けてもらっている。コンプレックスや隠したい部分を、ちょうどよくカバーしてくれるのだ。

移動時間が長い日だけでなく、ちょっとした外出時にも、心のお守り代わりにサッと身につけることが増えている。

結局、リピするキャップって?

左:スリコ、右:オーサムストア

色や素材などのバリエーションをたくさん持っている中で、お店で見たときは気に入ったはずなのに、結局1回も被らないままのアイテムもある。

じゃあ、ヘビロテするのはどんなキャップだろう?わたしの帽子の選び方や共通する項目を洗い出してみた。

  • ロゴまたはワンポイントの絵柄に惹かれた
  • 似合う形や色合いだった
  • 素材感が好みだった
  • コーデのイメージが浮かんだ

デザインが大事なのは大前提。ただしそれだけではしっくりこなくて、何度も被るかどうかの分かれ目は、“自分に似合う形”と“コーデへの合わせやすさ”だと思う。

色味で言えば、ブラックやブラウン、ベージュなどのベーシックカラーはやはり使いやすい。コーデの差し色に赤やグリーンを選ぶときでも、自分のワードローブとの相性から考えると、派手すぎるよりは落ち着いたトーンで、全体の雰囲気から浮かないものが一軍になる

デニムやコーデュロイなど素材感に個性や表情のあるキャップは主張が強すぎるかと思いきや、意外にもなじみがよくて、ほどよいアクセントとして機能した。かぶるだけで簡単に季節感を出せるから、カジュアルなおでかけや休日コーデでも重宝している。

こうやって自分の好みや「結局選びがちなもの」を深掘りしていくと、まだ言語化できていなかった発見があって面白い。

失敗しないキャップコーデの組み方

  • 自分に似合う形を見つける(ツバの大きさ、被ったときの深さなど)
  • 普段着る洋服やメイク、パーソナルカラーになじむ色を選ぶ
  • その日のファッションや季節に合った素材を選ぶ

わたし流のキャップコーデの組み方で特に大事にしているのは、全体のバランス感。

まず買う前に、自分に似合うキャップかを鏡で確認したい。ツバの大きさと本体部分のサイズ感がポイントで、深く被りすぎてしっくりこないときや、浅くなりすぎて頭が大きく見えるときなど、形によってガラリと印象が変わる

色選びも大切で、普段着る洋服やメイクの系統に合うかもイメージしておこう。帽子は顔に近いため、似合うor似合わない(映えるor映えない)がわかりやすい。イエベやブルベなどのパーソナルカラーがわかれば、顔なじみのいいカラーを選びたい。

また上半身だけでなく、全身で明るさや鮮やかさのトーンを統一すると、おしゃれな印象にまとまる。その日のコーデに合うものを選んでもいいし、被りたいキャップから逆算してコーデを選ぶのもありだ。髪型をアップにするか、おろすかでも変化を楽しめる。

素材感については、たとえば春夏はコットン、秋冬はコーデュロイやフェイクファー、起毛風などで使い分けるのもいい。コーデがグッと旬っぽくなるし、気分も変わって、おでかけがさらに楽しくなるはずだ。

フェミニンカジュアル好きなわたしのキャップコーデ例

【春】スカート:スリコのデニムキャップ
ボーダーリブ半袖T+パールネックレス+デニムスカート
【夏】ワンピース:しまむら「LOGOS DAYS」のコットンキャップ
ノースリVネックワンピース+長袖シャツ
【秋】ハーフパンツ:Temuのワンポイントキャップ
マルチボーダーポップコーン半袖ニット+ブラックデニムハーフパンツ+リブソックス
【冬】パンツ:オーサムストアの起毛風キャップ
Vネックノースリニット+リブ長袖タートルネック+ヘリンボーンパンツ

春夏秋冬の着こなしをそれぞれイメージして、スカート、ワンピ、ハーフパンツ、ロングパンツの4種類でキャップコーデを組んでみた。

フェミニンさや大人っぽいハンサムさの中にも、キャップがあるだけでほんのり少年っぽさや遊び心を加えられる。

普段どこでキャップを買ってる?プチプラ店舗の例

左:Temu、右:しまむら「LOGOS DAYS」

実店舗

  • スリコ(スリーコインズ/3COINS)
  • オーサムストア(AWESOME STORE)
  • しまむら
  • ワークマン
  • キャンプ系ブランドのアウトレットショップ(モンベルなど)

通販(EC)

  • Temu

わたしは基本的に2,000円以下で探すので、スリコは強い味方。500〜800円くらいで、トレンド感もあるおしゃれなものが見つかる。オーサムストアもプチプラに強くて、センスのいいアメカジ風のアイテムに心くすぐられる。

しまむらもたまに掘り出し物があるので活用。特に人気のアウトドアブランド「LOGOS」と共同開発されたプライベートブランド「LOGOS DAYSは、カジュアルでデザイン性にすぐれたアイテムが多く、キャップ以外のファッションアイテムも展開されているのであわせて楽しんでいる。

ワークマンはとにかく価格帯が手頃で、実はファッション帽子も展開している。アウトドアやキャンプに強いブランドはつくりがしっかりしている印象で、普段使いにガシガシ投入できるのは助かるポイント。

意外と見逃せないのは、海外通販のTemu。予算300円台〜600円台くらいでもかわいいキャップに出会える確率が高く、1,300円ほども出せばかなりバリエーション豊富に選べる。わたしのような収集癖と飽きっぽさを抱えている人には、コスパよく種類を確保できるのがうれしいはずだ。

いろいろ巡ったり見たりして、お気に入りのブランドを見つけてみよう。

ウィークポイントを隠してくれる帽子は、わたしの味方。

「できれば見られたくない」ところがあったり、「少しだけ世の中と距離を置きたい」なんて心が閉じていたりするときでも、人の視線から守ってくれる帽子はおでかけの心強い相棒。

ファッションを楽しみながら、自分の心を傷つかない場所へそっと隠す。そんな帽子との付き合い方があってもいいと思う。

髪を下ろしたり、結んだり、その日の気分で合わせ方を変えながら、わたしらしい着こなしを楽しみたい。

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(執筆:織詠 夏葉)

織詠 夏葉

おりえ なつは。暮らしのメディア、おでかけメディアにてライターを務める。約3年間エディターやコンテンツディレクターとして稼働し、個人でも執筆活動を開始。映画や音楽、ファッション、雑貨、香水、推し活などに広く浅く興味津々。