子どもが成長し、持ち歩く荷物が減ったことで「小さいバッグで出かけたい」と思うようになった。しかし、いつもの財布と手帳を入れるとそれだけでパンパン。そこで思いついたのが、“お財布機能のあるシステム手帳”だ。
実際に使ってみると、荷物が減るだけでなく暮らし全体がぐっと快適になった。今回は、その理由とメリットを紹介したい。

わたしのこと
- 年齢:30代
- 性別:女
- 職業:ライター
- ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク、朝型、自炊派
小さいバッグでも、手帳と財布を一緒に持ちたい
これまでわたしは、子どもの荷物を入れるために大きなリュックを使っていた。だが子どもが小学生になった今は、替えの服もおやつも子ども自身で持てる。
なので、久しぶりに独身のときのように、ファッションに合わせて“小さいバッグ”を使いたいと思った。
ところが、実際に使うと今まで使ってきた手帳が入らない。スケジュール帳はなくても、せめてメモ帳は持ち歩きたい。わたしは、思いついたことは手書きで書き留めたいタイプなのだ。
「小さいバッグでもメモ帳として手帳を持ち歩けないか」そう考えたとき、文具好きの間で知られる“手帳のお財布化”の存在を思い出した。
お財布機能のあるシステム手帳を使えばいいのでは?
文具好きの間では、以前から“手帳をお財布化する”という文化がある。具体的には、手帳にジッパーポケットやカードリフィルなどの拡張機能を取り付けて、お金やカードを入れるのだ。
特に、システム手帳はお財布化にぴったり。システム手帳は、本体の手帳である“バインダー”と、中身の用紙である“リフィル”が別々になっており、リフィルを自由に差し替えたり組み替えたりして、自分仕様にカスタマイズできるからだ。
しかし、「財布と手帳を一体化することで、どちらも持っていくのを忘れないうえに、荷物も減らせるだろう」と思いながらも、実際に使うことをためらっていた。理由は、財布とメモ帳を一体化したときの使い心地に不安があったから。
お金を取り出しにくいのでは?メモは書きづらいのでは?そんな疑問が頭をよぎり、なかなか踏み出せなかった。
ところが、近年のキャッシュレス化がその考えを変えた。現金を使う機会が減ったので、多少お金が取り出しにくくなっても困らないだろう。ポイントカードもスマートフォンのアプリに移行したので、カード類がかさばってメモが書きづらくなることもなくなったのでは。
今なら、お財布機能のあるシステム手帳で必要なものをひとまとめにできる。“小さいバッグで身軽に出かけたい”という理想にぴったりだと感じた。
アシュフォードの『ディープ MICRO5 11mm 名刺フォン』に決めた!

いくつか比較した結果、選んだのはアシュフォードの『ディープ MICRO5 11mm 名刺フォン』。手のひらサイズのコンパクトさと上質な水牛革の風合いに惹かれた。始めから札入れや小銭入れ、カードポケットが付いており、財布としても機能的。
また、カードポケットは、リフィルを綴じるリングに干渉にしないよう設計されている。カード類を傷つけることなく、手帳としても安心して使えるのだ。
システム手帳にはさまざまなサイズがあるが、わたしが選んだのは一番小さなサイズのMICRO5。通常M5(えむご)とも呼ばれる、名刺入れ程度の大きさの手帳だ。財布と手帳が一体化したおかげて、小さなバッグにも余裕を持って入れられる。
お財布とシステム手帳を一緒にするメリット
お財布とシステム手帳を一体化したことで、日々の行動が想像以上にスムーズになった。ここからは、わたしが感じた具体的なメリットを5つ紹介したい。
買い物メモと財布が一緒になる

買い物のとき、新商品に目を奪われて、本当に必要なものを買い忘れてしまうことがよくあった。そこで、システム手帳の最初のページに買い物リストを書いたリフィルを入れておけば、すぐに確認できる。
走り書きの付箋をそのまま貼ることもある。さらに、「この店では取り扱いがなかった」「○○円だった」など、買い物に関するメモを残しておくと、次回の買い物に役立つ。
家庭用と事業用のレシートが分けやすい

フリーランスとして働いていると、家庭用とは別に事業用のレシートが発生する。財布の中で混ざってしまうと、確定申告のときに仕分けがひと苦労だ。
そこで、システム手帳のカードポケットを家庭用、クリアポケットリフィルを事業用、と使い分けて入れるようにした。月末にまとめて処理するときも、すぐに区別がついて効率的だ。
フリーランスに限らず、家庭と個人の出費を分けたい人にもおすすめしたい。
思いついたアイデアをすぐ書ける

アイデアは、思いついた瞬間に書き留めなければすぐに忘れてしまう。システム手帳をバッグに入れて持ち歩くようになってからは、さっと取り出してメモできるようになった。
小さいシステム手帳は、どんなシチュエーションでも取り出しやすいのがポイント。カフェの小さなテーブルや子どもの習い事の待ち時間でも、すぐに書き出せる。
“書くことで頭の中が整理される”感覚もあり、書き留めた内容は何となく記憶に残る。必要なときに確認できるため、アイデアを生かす機会も増えたのだ。
書いたメモを他の媒体に移しやすい

必要なメモはリフィルごと保管し、不要になったものはすぐ処分できる。この“入れ替えのしやすさ”こそ、システム手帳ならではの魅力である。
保存したい内容は、サイズの大きい手帳やノートに貼れば、補足を書き足すことも可能だ。わたしはスケジュール管理にB6サイズの手帳を使っており、M5リフィルなら1ページに2枚貼れる。
また、M5リフィルの場合、一周り小さなM6サイズのシステム手帳に綴じ替えられるので、用途に合わせて整理できる点も気に入っている。
緊急連絡先を紙で持てる

わたしは、2011年に起こった東日本大震災のとき、沿岸部に住んでおり避難を余儀なくされた。そのときに避難した施設は、電気が復旧するまで約1週間かかった。限られた電源を温存するため、できるだけ携帯電話を使わずに過ごした経験がある。
それ以来、「大切な連絡先は紙でも持っておきたい」と思うようになった。避難中に、父が携帯電話を水没させてデータを失ったこともあり、今でもスマートフォンなどの電子機器だけに頼るのは不安だ。
システム手帳に緊急連絡先を書いたリフィルを入れておけば、電子機器が使えないときにも確認できる。また、油性ボールペンで書いたメモは水濡れに強く、乾かせば再び読めることも多い。
お財布とシステム手帳を一緒にするデメリット
お財布とシステム手帳を一緒にしてみて、使っていくうちに気づいた“不便さ”もある。ここからは、実際に感じたデメリットをいくつか紹介したい。
財布・手帳単体の使用感には敵わない
財布として見たときに、現金の出し入れのしやすさは通常の財布に劣る。小銭入れの容量が限られており、お釣りが多いとパンパンになってしまうことも。そのため、始めから現金をたくさん使うことがわかっている場合は、別途小銭入れを用意している。
手帳として使うときは、レシートやリフィルでいっぱいになると書きづらく感じる。そのため、こまめに手帳の中を整理している。定期的にメモを見返す機会ができたので、忘れかけていたアイデアやToDoリストに気付けるのはよかった。
M5リフィルを売っている場所が少ない
M5サイズのシステム手帳を財布化する場合のみのデメリットだが、システム手帳のなかでも、M5サイズのリフィルは売っている場所が少ない。小規模な店舗の場合、バイブルサイズやM6サイズはあっても、M5サイズの取り扱いがない場合もある。
わたしは、大型の文具専門店やバラエティショップがない地方に住んでいるため、必要なリフィルはメーカー公式サイトや専門店のオンラインショップで購入している。

また、“リフィルを自作する”という選択肢もある。使いたい紙をM5サイズに切り出し、パンチで穴を開けばオリジナルリフィルの完成。試行錯誤しながら“使いやすい形”に整えていく過程も、システム手帳の楽しみ方のひとつだ。
お財布とシステム手帳、大事なものを一緒に持ち運べる安心感
お財布とシステム手帳を一緒にしたことで、「これさえ持っていれば大丈夫」という安心感が生まれた。お金もカードもメモもひとまとめになっているから、外出時の準備がシンプルになり、出かけるハードルが下がったのだ。
手帳を開けば、買い物リストやアイデア、緊急連絡先など、必要な情報がすぐに確認できる。“わたしの暮らしの縮図”を手のひらサイズにまとめたような感覚だ。
どんなに忙しい日でも、安心をそのまま持ち歩けるのが、お財布とシステム手帳を一緒にするいちばんの魅力である。




