旅好きとして一度は憧れる、北海道一周旅。
なかには「すでに一周した!」という人もいるかもしれない。
ただ、「車で関西から北海道一周をした人」はいるものだろうか。
少なくとも、学生時代の僕の周りにはいなかった。
だからこそ、大学院生最後の夏休みを使って、なんとか実現させたいと思った。
そのために就活やバイト、研究を頑張ったといっても過言ではない。
そしてこの北海道一周旅は、一生忘れられないほどの思い出になった。
今考えたら正直ぶっ飛んだ行程だったけど、それも含めて「楽しい車旅だった」と伝えたい。
ぜひこの記事を読んで、車で北海道に行く魅力を少しでも想像してもらえたらうれしいところだ。
ぶっ飛んだ行程!北海道一周の流れ
早速だが、北海道一周の行程を紹介したい。
- 1日目:京都→山形(車中泊)
- 2日目:山形→大間(青森最北端の港)→函館(ゲストハウス泊)
- 3日目:函館朝市→登別温泉→支笏湖→苫小牧→占冠(車中泊)
- 4日目:トマムの雲海→ナイタイ高原牧場→釧路湿原→知床(ゲストハウス泊)
- 5日目:知床峠→知床五湖→宗谷岬→稚内→豊富温泉(車中泊)
- 6日目:旭山動物園→ジンギスカン→富良野(ログハウス泊)
- 7日目:富良野観光→美瑛→札幌→小樽(フェリー泊)
- 8日目:舞鶴→大阪
総走行距離は、最終日のフェリーを除けばなんと約3,600km!
1日あたりに換算すると「500km以上」に。
交代で運転したとはいえ、よくこのぶっ飛んだ工程を走り抜いたなと思う。
後ほど詳しく紹介するが、いちばんきつかったのは4日目。
眠い目をこすりながら午前2:00に起き、そのまま夕方まで約16時間活動したからである。
特に、釧路湿原から知床までの約150kmは「睡魔との戦い」。
今まで以上に運転交代の頻度を増やして、なんとかチェックインにまでたどり着いた。
北海道一周のなかで、特に印象に残った場所5選
本当は全行程を詳しく書きたいけれど…。
あまりに記事が長くなるので、今回は「特に印象に残った5箇所」をピックアップして紹介したい。
- 支笏湖
- トマムの雲海
- 知床五湖
- 宗谷岬
- 富良野・美瑛
1.支笏湖
最初に紹介するのは、千歳市にある「支笏湖(しこつこ)」。
火山の噴火によってできた「カルデラ湖」で、日本最北の「凍らない湖(不凍湖)」としても知られている。
支笏湖の良さは、なんといってもきれいな水。
澄んだ水の青さと青空のコラボレーションの美しさに見惚れ、早くも「北海道に来てよかった」と感動した。
夏に行ったのもあり少しだけ水に入ったけど、とても気持ちよかった。
「子どもを連れて家族で行くのも、最高だろうな」と思う。
2.トマムの雲海
2つ目は占冠(しむかっぷ)村にある「トマムの雲海(うんかい)」。
「星野リゾート トマム」の敷地内にあり、宿泊者でなくてもロープウェーを使って山を登れる(大人ひとり税込2,200円、2024年2月時点)。
とはいえ、いつでも雲海が見られるというわけではなく、以下の条件を満たさなければならない。
- 深夜から早朝の間
- 天気は晴れ
- 風が強く吹いていない
僕が行ったときの日の出は、朝4:30ごろ。
つまり、雲海と朝焼けを楽しむには、それまでに山の上についていないといけないのだ。
そのため、トマムまで30分ほどかかる道の駅で車中泊。
午前2:00に起きて、午前2:30には車を走らせた。
このときのBGMは、“午前2時”のシチュエーションが出てくることでおなじみの「天体観測」だった気がする。
3:00すぎに到着するも、すでに人だらけ。
オールナイトでここまで辿りついた人もけっこういたんじゃないかな。
ここまでみんなが頑張るのには、実は理由があった。
スタッフが堂々と「今日は最高です!」とアナウンスするほど、絶景の雲海が見られる「当たり日」だったからだ。
この瞬間、感極まって泣きそうになった。
就活を頑張った自分への、最高のごほうびといっても過言じゃなかったから。
北海道に行った際は、ぜひ「雲海チャレンジ」をしてみてほしい。
早起きはしんどいかもしれないけど、それ以上の価値はある。
3.知床五湖
3つ目は、一度は名前を聞いた方も多いであろう「知床五湖(しれとこごこ)」だ。
湖の名前が「一湖」「二湖」と「数字+湖」になっているのが特徴で、最も大きいのが「二湖」である。
北海道はどこにいっても自然が美しく癒やされるが、知床五湖は段違いだった。
湖の青と木々の黄緑のコントラストを、「きれい」という言葉だけでは言い表せられないほどには。
この美しさは文章や写真で伝えきれないから、実際にあなたの目で確かめてみてほしい。
なお、知床五湖を歩くルートは3つある。
- 高架木道:往復約1.6km
- 地上遊歩道(小ループ):1周約1.6km
- 地上遊歩道(大ループ):1周約3.0km
ゆっくり回ろうと思えば2時間ほどかかるが、ぜひ「地上遊歩道(大ループ)」に行くことをおすすめしたい。
今まで見たことのない世界に、あなたを誘ってくれるはずだ。
4.宗谷岬
最北端でおなじみの「宗谷岬(そうやみさき)」も、北海道一周には外せないスポットだ。
写真のオブジェを見た瞬間、「車でここまで来たんだ!」という達成感に満たされた。
オブジェの少し向こうに行って立つと、目の前が240度くらい海に面している開放的な風景が見られる。
強い海風と荒々しいオホーツク海に向かって、達成感や日頃の不満を大声で叫びたくなるだろう。
この北海道一周旅では時間の都合で行けなかったが、宗谷丘陵にある「白い道」もあわせて訪れたいスポットだ。
5.富良野・美瑛エリア
この2つのエリアは、1箇所に絞れないほどおすすめスポットがあるので、まとめて「富良野・美瑛(ふらの・びえい)」とした。
富良野はあの『北の国から』のロケ地で有名な場所。
もちろんそれだけを巡るのも楽しいが、他にも見どころがいっぱいある。
- ジェットコースターの道
- ファーム富田のラベンダー畑
- 青い池
- ケンとメリーの木
- セブンスターの木
富良野・美瑛観光を満喫するにはこのあたりがおすすめだろう。
また、メロンソフトクリームやジンギスカン、ワイン、じゃがバターといったグルメが楽しめるのも富良野・美瑛の魅力といえる。
加えて、道中車を走らせていると、下の写真のような「THE 北海道」な景色も見れるのがまたいい。
記事を書き進めるとともに、また車で北海道に行きたい欲が出てきた。
北海道一周で気づいた、車旅ならではの3つの魅力
北海道まで車で行って、学生ながら車旅の良さをひしひしと感じた。
特にこの章で紹介する3つの魅力は、この記事を読んでいるあなたにぜひ届けたい。
- 気分によって行き先を変えられる
- 時間を気にせずに楽しめる
- 車中泊で安く寝られる
1.気分によって行き先を変えられる
車での旅だと、気分によって行き先を変えられる。
鉄道やバス、飛行機だと、時間もルートも決まっている。
「きれいな景色を見られそうだから、ちょっと足を伸ばして立ち寄りたい」と思ったら、旅程をずらさないと難しい。
けれど、車での旅だと、目的地までのルートを変えて、寄りたい場所に行くことができる。
こうした「旅人魂」がくすぐられたとき、本能に従って動けるから、旅を悔いなく楽しめるだろう。
2.時間を気にせずに楽しめる
車での旅は、時刻表に縛られずにに楽しめるのが魅力だ。
以前「都会に住む僕が、車を持ち続ける8つの理由」の記事でも紹介したが、電車やバスだと出発時刻が決まっている。
特に、北海道の郊外は数時間に一本しか走っていないことも多く、乗り逃すとかなり悲惨なことになる。
一方で、車であれば食事や見学の予約、ホテルのチェックイン以外は時間を気にしなくてもいい。
「電車に間に合うように動かないと」と思う必要がなく、「今ここにいる瞬間」を楽しめるのだ。
3.車中泊で安く寝られる
車で少人数の旅行だと「車中泊」という選択肢ができる。
ひとり1泊5,000円前後かかる宿泊費が「無料」に早変わりし、そのぶん食費や観光費に回すことが可能だ。
8日間の旅行でかかった費用を「ひとり当たり11万円」と安く抑えられたのも、車中泊を取り入れたからこそだろう。
一方で、ほとんどの人にとって、車中泊はホテルより疲れがとれにくい。
体調を崩して旅行が台無しにならないよう、2日に1回は車中泊以外の方法で休むのをおすすめしたい。
※車中泊については、安全で迷惑にならない場所を選び、ルールやマナーを守りましょう。
ドライブ好きなら車で北海道一周がおすすめ
もしあなたがドライブ好きなら、車での北海道一周をおすすめしたい。
時間や移動距離の制限なく、自由に行程を組んで楽しめるからだ。
加えて、マイカーなら「愛車との思い出」というプライスレスな宝物も手に入れられる。
フェリー料金や港までの交通費はかかるが、お金をかけるだけの価値はあると僕は思う。
それに、なにより北海道の道は走っていて気持ちがいい。
おいしい空気を感じながら直線をひたすら走る感覚は、一度経験したら病みつきになること間違いなしだ。
まとまった休みが取れたときは、ぜひ「車での北海道一周」も候補に入れてほしい。
そして、「行って気づいたおすすめの場所」があれば、SNSでこっそり教えてもらえたら嬉しい。