お出かけはライブとともに【今週の選択肢 #12】

「心が動く瞬間」という、わかるようなわからないことを切り取って言語化したい。

そんなことから心が動いた瞬間、とくに「選ぶ」ということに着目した連載をしております。

編集長自らの一週間のなかから“選んだ”ことをまとめた「今週の選択肢」。
第12回をお届けします!

廃工場跡に好きなものが集まる(2月12日15時57分)

三連休の最終日、久しぶりにひとりで上野に上陸した
上野といえば、大統領やカドクラ、海将なんかが浮かんでしまう吞兵衛なわたしだけど、この日はあまり出たことのない入谷口を出た。

目指すはライブ会場…ではあるんだけど、早めに家を出たのもあって移動中に付近を調べておいた。

知らない道をGoogleマップに従って進むと、人の出入りが感じられる一帯が見えてきた。観葉植物がわさわさと伸びる趣のある建物だ。

ライブ会場と思しき建物は向かいにあり、リハ中の音が漏れていてテンションが上がる

ROUTE BOOKS

パッと見ただけではどこに何があるのかわからないけど、複合施設になっている。パン屋さんと園芸店は確認できた。お目当てのブックカフェも同じ住所のようだ。

ブックカフェの店内に入ると席を確保して、小さなカウンターでドリンクを注文する。

座席もそれぞれ個性的。さまざまな椅子やテーブルが並ぶ。書籍は購入したものを読むスタイルで、わたしも3冊購入した

素敵な空間で好きなアーティストのリハ中の音漏れを聞きながら買ったばかりの本を選む。
最高すぎやしないか?そりゃあコエドビールも飲んじゃうよ!

空き瓶を戻すとき、店員さんに思わず「ココ、好きなものしかないです~」と謎発言をしてしまった。何か言わないと…という気持ちになってしまい。「それはよかったです~」と返ってきた。そりゃ、そういうしかないよね(笑)。ごめんなさい。

件のライブ会場はお向かいの「YUKUIDO」。
『Augusta Camp in U-NEXT ~Favorite Songs~』Vol.8は、NakamuraEmiさんの企画。

今度はハイネケンを片手に体を揺らす。1曲目から泣いてしまう。
素晴らしい歌声が心に身体に染み渡り、デトックスのような音楽だった。

日本一のクラムチャウダー(2月13日22時07分)

一週間の小さな選択をこうして記しながら、その裏では大きな選択もいくつかしている。
この日は今年からはじめた活動の集まりがあって、船橋方面まで。

普段なかなか接点が持ちにくい人たちにたくさん知り合って、刺激的な時間を過ごした。それはすごく貴重でたのしくもあるけど、正直言うとけっこう疲れもする。まさにHSS型HSPなわたし。

そんな日のほっこり癒しごはんが、こちら『日本一のクラムチャウダー』!!

「よく混ぜてお召し上がりくださーい」と供される!

その名の通り、第1回、第2回クラムチャウダー選手権を2連覇、アメリカの大会でも優勝したことがあるんだって!ん?それってすでに日本一を超えてますな?

ホンビノス貝の濃厚な旨味、想像以上に野菜もたっぷり。具沢山な食べるスープは満足度が高い。

お酒もけっこう飲んだけど、絶品クラムチャウダーでの“締め”というのもいい感じ。
オンラインショップもあるみたい!酔って帰った物足りない夜用に買っておこうかな。

大きな玉ねぎの下で(2月16日17時17分)

ライブウィーク!この日の目的地は日本武道館。
…となれば、仕事を少し早めに切り上げて、神保町の中華「源来酒家」に行くしかない!

10年くらい前に近くに勤めていて、そのときは「社食」なんて呼んでいた。土鍋のような器でグツグツと盛られた麻婆豆腐・麻婆カレーが名物で、麺かごはんを選んでよく食べていた。懐かしいよー

あんなにしょっちゅう行っていたけど、決まって遅いランチに行くものだからこの店でお酒を飲んだ記憶はない。

…10年越しの夢、叶えちゃったよ!

おすすめメニューから中華風の「カツオのたたき」と大好きな春巻きをセレクト。合わせるのは青島ビールに決まってる。

町中華で飲むのってごほうびだよねー

ライブ前にエモい気持ちとアルコールをブーストしたら、武道館までの道のりも軽やかに。
日も伸びて、開場の17時はまだまだ明るい。一日が長く感じられて得した気分。

今回のお目当ては、RHYMESTER「King of Stage Vol. 15 Open The Window Release Tour 2023-2024」。RHYMESTERの武道館は17年ぶりとのこと。

熱いステージはそれはそれは金言に溢れていて、わたしもいい歳の重ね方をしないとなーって心から思った。

人混みが苦手で、ライブ会場から駅までの帰り道はぐぬぬ…となる。九段下まで我慢して、その後はまた神保町まで歩いた。

「楽しまないと損だよな」、最近よく思う。

伏見 香代子

「Sense of…」編集長/聞き手クリエイション責任者/1979年、東京都生まれ。文学少女からコギャルを経て、広義の編集者に。WEBコンテンツ&クリエイティブ、マーケティングに関わることそろそろ四半世紀。好きな映画は「カラー・オブ・ハート」って答えることにしている。感性至上主義。