スコットランドを旅するにあたって、10日分の荷物を34リットルのバックパック1つにまとめることにした。
「バックパック1つで出かけるミニマムな旅」。パッキングのコツやメリット&デメリットを実体験をもとに紹介しよう。
そもそも、私はパッキングが苦手だ。
出発前日になって慌ててスーツケースを広げ、思いついたものを放り込む。化粧水や乳液の詰め替えもしないので、自ずと荷物がかさばる。横着な性格がそうさせるのだろう。
大は小を兼ねるとはよく言うが、スーツケースに関しては必ずしもそれがベストではない。
最近は軽量化が進んでいるとはいえ、やはりサイズが大きくなればスーツケースそのものが重くなる。
スペースがあると「まだイケる」と、何かを詰め込みたくなるのが人間の性(さが)。
結果、重くなる。キャリーがあったとて、重いスーツケースを引いて歩くのは結構疲れる。
行きはまだ良い。
旅先で買ったお土産を入れたら、あっという間に重量オーバーしてしまう。
多分に漏れず、私も帰国便のチェックインの際、高額の追加料金を請求されたことがある。
ロストバゲージをくらったこともある(しかも往路便)。
ヨーロッパの石畳の洗礼を受け、車輪が壊れたこともある。
そんな苦い経験を繰り返した結果、たどり着いたのが
荷物は機内持ち込みサイズに収めること。
そのためにはまず、“入れ物”選びである。
Gregory 34Lのバックパックは見た目以上に優秀です。
機内持ち込みサイズで旅をするとなると、スーツケース or バックパックの2択となる。
国内線・国際線の機内持ち込み荷物のサイズは、3辺の合計が115cm(55×40×25cm)、重さ10kg以内というのが一般的。
今回のスコットランド旅行は、スーツケースを広げにくい狭い寝台列車やドミトリーを利用するので、バックパックを選んだ。
私が所有する登山用のGregory(グレゴリー)のバックパックは34Lとかなりコンパクトだけれど、登山用だけに見た目以上に収納力がある。ウエストベルトやスターナムストラップが体にかかる負担を軽減するので、手で持つより重さを感じない。
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入れ物が決まったら、ここからが本題。
服のオーディションだ。
服は組み合わせて着回す。
4月上旬のスコットランドの首都、エジンバラの平均気温は最高約11℃、最低約6.6℃。
同じ季節の東京と比べて−3℃ほどの気温差がある。この気温を考慮して手持ちの洋服を広げ、オーディションで選んだのが次の通り。
- 薄手のコットンセーター ×1
- 長袖カットソー ×1
- ネルシャル ×1
- ボタンダウンシャツ ×1
- シャツワンピース ×1
- チノパン ×1
- スウェットパンツ ×1
- ロング丈スカート ×1
- タイツ ×1
- 靴下 ×3
- ヒートテック×2
- 下着(3組)
- ビーチサンダル
これにアウターとしてBarbourのオイルドジャケットを持って行った。着ないときはバックパック下部のストラップに収納すれば両手があく。
10日間の旅行にしてはかなり少ないように見えるが結果、十分事足りた。
トップスとボトムスの組み合わせを変えれば何通りかのコーデを楽しめるし、気分も変わる。
コツはどの組み合わせでも“キマる”服を選ぶこと。
下着は毎日手洗い、服はコインランドリーで洗えば問題なし。
海外のホテルはトイレと洗面所、シャワーが一緒になっていることが多いので、濡れた床でも履けるよう、ビーチサンダルは必須である。スリッパ代わりにもなる。
ちなみに、ドライヤーは大概ホテルに備え付けがあるし、なければフロントで貸してくれる。海外対応タイプを何度か持参したが使ったためしがないので、いつからか持ち物リストから削除した。
さて、オーディションが終わったところで最大にして最後の難関、衣類のパッキングである。
とにかく“かさ”を減らせ。圧縮袋が優秀すぎた。
バックパックのパッキングは洋服さえ収めてしまえば成功したも同然。後は隙間やポケットに小物類やガジェット類を詰め込めばよい。つまり、洋服の“かさ”をいかに抑えるかが勝負のカギとなる。
いろいろ試した結果、衣類用圧縮袋が最もかさを減らすことができた。
使い方は簡単。服を入れ、付属のスライダでチャックを閉めて巻きながら空気を抜くだけ。巻き直してバックパックに詰めていく。
ポイントは圧縮袋1枚に対して服を詰め込みすぎないこと。空気が抜けきらなかったり、シワを作る原因になったりするので基本は1袋1アイテム。靴下や下着はできるだけ重ならないように入れて1枚の圧縮袋にまとめる。圧縮袋のサイズも洋服に合わせて選ぼう。
ガジェット類は1つにまとめる。
充電コードやモバイルバッテリー、変換プラグなどのガジェット類は1つにまとめておけば必要なときにさっと取り出すことができる。
ガジェット専用のポーチは本体そのものがかさばるので、私が愛用しているのは無印良品のナイロンブック型ポーチ(約12cm×20cm)。
本来の用途はコスメポーチだけれど、コードなど細々したものがコンパクトに収納できるのでとても重宝している。
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悩ましき液体問題はシートマスクが全て解決。
機内持ち込みサイズのバックパックorスーツケースで旅に出るとき、厄介なのが“液体問題”。ご存知の通り、国際線では機内に持ち込める液体に制限がある。ざっくりいうと、ジップロックMサイズに収まる量の液体しか持ち込めない。
一時たりとも怠れないスキンケア。妙齢の私の場合、わずかな油断が後の肌トラブルを招く。揺らぎまくりのアラフィフのお肌。10日分の化粧水、乳液、美容液が機内持ち込みサイズに収まるとは到底思えない。この悩ましき液体問題。シートマスクが全て解決してくれた。
シートマスクは液体物とみなさない国が多く、経験上、保安検査で引っかかったことはない。ウエットティッシュも同様。使い捨てコンタクトレンズは法律上「高度管理医療機器」なので、液体物にカウントされないことが多い。
まれに指摘されることもあるので、その際はコンタクトレンズであることを説明する。それでも心配な人は他の機内持ち込み液体と一緒に袋に入れておくことをすすめる。
私が機内に持ち込んだ液体物はこちら
- クレンジング
- BBクリーム
- ハンドクリーム
- バーム(ヘア&リップ兼用)
- ヘアオイル
- 歯磨き粉
- ジェルタイプの洗濯洗剤
- 塗り薬(処方薬)
液体物はそれぞれ100ml以下の容器に入れ、まとめて容量1L以下(縦横20cm以下)のジッパー付き透明袋に入れる。保安検査や機内ですぐに取り出せるようにしておくと安心。機内は砂漠並みに乾燥しているので、こまめな保湿を心がけたい。
メイク道具はアイシャドウとアイブロウ、リップのみ。
シャンプー&トリートメントとボディソープはホテル備え付けのものを使った。こだわりがある人はトラベルキットや1回使い切りタイプを持参しよう。
旅先の洗濯について。
持ち物を最小限にするには旅先での洗濯は欠かせない。下着や靴下、Tシャツは洗って干せば翌日には乾く。私はもっぱら洗濯バッグを愛用している。
水と洗剤を入れ、衣類を入れて上下にぶんぶん振り回すと、手を汚さずに洗濯ができる。未使用時はコンパクトになるのでかさばらない。
ヨーロッパの水道水は石灰を多く含む硬水なので、石けんや洗剤が泡立ちにくく、汚れが十分に落ちないことがある。加えて、石灰質が固まったカルキが付着して衣類の色がくすんでしまうことも。海外で衣類を手洗いするなら、硬水に対応した洗剤を持参しよう。
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私の愛用洗剤はDr.Beckmann(ドクターベックマン)のTravel Wash。硬水・軟水どちらにも使えるジェルタイプの洗剤だ。機内に持ち込める液体の容量内ということもあり、世界中のバックパッカーが愛用している。
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大物はコインランドリーで一気に洗う
下着以外の衣類は手洗いだと手間がかかるので、できれば洗濯機でじゃぶじゃぶ洗いたい。
アパートタイプや一軒貸切タイプのお宿の多くは、洗濯機が備え付けられているので毎日でも洗える。ドミトリーやゲストハウスには共用の洗濯機があるのが一般的。
ホテル宿泊の場合はコインランドリーを活用しよう。郊外でない限り、海外でも日本と同じようにコインランドリーがある。
洗剤は自動投入、もしくは自販機で1回分の洗剤が売っている。海外のコインランドリーは使用時、お金をトークンに変える必要があるので小銭を用意しておこう。
ミニマム旅のメリット&デメリット
バックパックのメリットはなんといってもフットワークが軽くなること。預け荷物のピックアップがないので降り立ったらすぐに移動できる。そして何より、ロストバゲージのリスクがない。
デメリットを挙げるとすれば、機内持ち込み荷物の重量制限の関係上、購入するお土産に限界があること。もし、帰国時の荷物が機内持ち込みの重量をオーバーした場合は預け荷物へ。
さて、スコットランド10日間をバックパック1つで旅した感想はというと…。
これからの旅はバックパック一択!
とは言わない。
旅先や目的によってスタイルは変わるというのがその理由だ。
メリット&デメリット、機内に持ち込むか否かも含めよく検討し、バックパックとスーツケースを使い分けていきたい。
でも、フットワークが軽く、徒歩も階段もノンストレスだったバックパッカーにハマりそうな予感。
ミニマムな旅はまだ、続く(かも?)。