たったひとりの“感性”を深くくわしく知ることで、世の中が見えてくる!?
本当に実現するたったひとりを取材し、さまざまな観点から掘り下げる連載企画「タッタヒトリヲシル」第2回をお届けします。
これは人間ウォッチング? マーケティングペルソナ? はたまたライフスタイルの参考に…!?
あなたの感性でこのたったひとりを見つめてみたら、何か新しい気持ちに出会えるかも!
杉島恵美(仮名)の場合
40代前半。なんだかんだ楽しい毎日。明るく、元気に生きている。
私がいろんなことで悩んでいるなんて、会社の人は誰も気づいていないだろう。
社会的な女性進出の推奨の影響で、業務内容のわからない部署の女性唯一の管理職として置かれ。家ではモラハラ気味の夫と別れたくて、日々悩んでいる。大好きな友人は海外に行ってしまった。
ウジウジ暗く生きるのは嫌だから笑っている。でも、泣きたくなることだって、あるんだよ。
杉島恵美(スギシマエミ)
- 年齢:41歳
- 性別:女
- 職業:会社員(正社員)
- 年収:600〜800万円
- 居住地:埼玉県川口市
- 勤務地:東京都渋谷区
- 家族構成:配偶者と二人暮らし
- おもな特徴:毎日スターバックスラテを飲み、フルーツを食べる
杉島恵美の共感マップ
見えているもの
- 世界遺産の特集
- グルメ番組
- ニュース
- アマプラで映画やドラマ
していること
- 美容院、エステ、ネイルなど美容にまつわる自己投資
- 資産運用
- 歩くと景品がもらえるアプリで管理しながらウォーキング
- 知り合いに勧められ、競馬を始めた
言っていること
- 「誕生日にもらったコスメがめっちゃ良かったよ」
- 「あのドラマおもしろいよね」
聞こえていること
- 「これからのキャリアをどうするつもりなのか」
- 「ハイフやってみたよ」
- 「美容皮膚科通ってるよ」
考えていること
- 離婚したい
- 義理の親や自分の親が亡くなった時の対応をしなくてはいけない年代になってきた
- 株のこと
ネガティブな悩み(恐れていること、嫌なこと)
- 離婚したい
- 老いてきた
- マネジメントを任されているが、実力が伴っていない
10年以上所属していた部署から異動し、業務内容を理解しきれていないのに管理職をしている。わからないことが多いゆえに部下に迷惑をかけていて、頼りないと思われているんじゃないかなあ。
ポジティブな欲求(欲しいもの、得たいと思っていること)
- 自由
- ウィンドウショッピングで見かけた、グッチのカバン
よくよく考えたら、白っぽいから汚れそうだし、買ってもそんなに使わないかも。でも、すっごく可愛かった。
おもなライフスタイル
平日の過ごし方
6:00 起床 入浴、お弁当づくり
7:30 出発
8:30 オフィスに到着(途中必ずスタバでラテを購入)
メールをチェックしながらラテと持参したフルーツで朝食
10:00 ミーティング
12:00 ランチ
13:00 ミーティングなど業務を開始
18:30 少し残業して退勤 スーパーで買い物 飲み会の日もアリ
20:00 ドラマや映画を見ながら夕食、旦那が帰宅する頃に再度夕食の準備
23:00 米国株式を確認 入浴
24:00 就寝
休日の過ごし方
11:00 起床 コーヒ、パン、フルーツが朝食
〜18:00 洗濯、買い物、クリーニング店に行く、料理を作り置き
出かける際は、洋服を見たり、美容院やエステへ
18:00 夕食 テレビを見たり、美容の手入れをしたり
24:00 就寝
最近あった交友関係の変化
じつは以前、銀座で夜のお仕事をしていた。いわゆるダブルワークだったけど、すっごく楽しかった。
OLをしているだけでは出会えないような「お金を持ちで知性溢れる男性たち」から知らない世界のお話を聞くのが好きだった。
そのころに出会ったお客さん数名と、いまだに定期的に食事に行っている。
その中の1人が60代であるにも関わらず、ロシアに赴任することになった。現地の法人で社長になるんだって。
「海外で安定的にビジネスができるのって特殊能力なんだよ。普通の人は慣れない環境で本来の力を発揮できずに終わってしまう。僕は海外にいるのも日本にいるのも感覚的にあまり変わらないから。年齢に関係なく、選ばれてしまったみたいだね」と彼は穏やかに語った。
彼とはかれこれ十数年の付き合いだけど、私が結婚していることも、離婚しようとしていることも言っていない。
銀座の、暗黙の了解っていうのかな。野暮なことは聞かないし、話さない。
私が結婚していようがしていまいが、彼には関係がないこと。
彼が誰とどんな交友関係があるのか、どんな家族構成なのかも知らない。
ただ、一緒に食事する時間を楽しむだけ。
でも、ロシアに行っちゃうとなると寂しくて、途端にいろんな話を聞いてもらいたくなってきた。
次会えるのはいつなんだろう。
そんな思いを隠しながら「体調にはくれぐれも気をつけてね」と笑顔で見送った自分、なんだか甲斐甲斐しいよね。
たまーにロシアから送られてくるLINEがちょっとした楽しみになっている。
最近買ったちょっといいもの
銀座で夜のお仕事をしていたころは、身につけるものは基本的にはブランド品のみ。
夜のお仕事はかなり前に辞めたけれど、やっぱりいまだに集めちゃう。
ずーーーーっと前から欲しいと思い続けていたのは、ロレックスの腕時計。
気に入ったデザインのものはどうしても高くて、なかなか手が出なかった。
安いものだとデザインに惚れ込めないし…
「心からほしいと思える時計には一生出会えない」かもしれないなんて、ちょっぴりセンチメンタルになっていた。
そんなある日、近所のアンティークショップに立ち寄ると、思いがけずロレックスの素敵なデザインの腕時計に遭遇。
中古だけど、ぜんぜんOK!…ってか中古じゃなかったらこの値段で買えないしね。
そこそこのお値段だし、即決はできなかった。でも、3日間その時計のことが忘れられなくて。
「これだけ忘れられないってことは、買わないと絶対後悔する!」そう思って、エイヤ!と購入。
値段が値段なだけに、普段から身につけようとはなかなか思えないれど。
腕時計を見るたびに、ちょこっとテンションが上がって幸せ。
毎日を頑張っている自分に、ご褒美かなあ。
最近のパートナーとの関係
夫婦関係に悩み、離婚を視野に入れている。
いつからだったか、旦那のモラっぽさに耐えられなくなって。
いつでも出ていけるように、荷物の片付けを始めた。
自分は連絡もなしに飲みに行くくせに、私がちょっと帰りが遅くなるだけで文句を言われる。説教が30分くらい続く。
台所に水滴が残っているだけで文句を言うくせに、自分は換気扇の下でタバコを吸って灰をそのままにしておく。私がそのままにした水滴は嫌だけど、自分の灰は良いんだね。
一緒に食べる夕飯の材料を近所のスーパーに買いに行こうと誘っても、「なんで俺まで行かなきゃいけないの」。
金銭面でもケチなことが多い。自分の方が稼ぎが良いくせに、住宅ローンは完全折半。そのくせ、私には家の間取りや場所は一切決めさせてくれない。
多分、私のこと、家政婦だと思っているんだろうな。小さい不満が積み重なって、もう限界だ。
「離婚したい」と伝えても、「俺は必要性を感じていない」の一点張り。私の意見になんて耳を傾ける気がない。そういうところが嫌なんだよ。
休日に家にいることがあっても、話すことはない。
家にいても楽しくないので、銀座に洋服を見に行ったり、美容院やエステに行ったり…
夜も、一人で好きなテレビを見たり、いつもより丁寧に美容ルーティーンをしたり。
結婚は“一応”しているけれど、一人の時間が多い。
弁護士に相談したら「何も言わずに家を出て行って、3年くらい別居すれば離婚できます」と。何も言わずに出ていくのはなあ。情もあるし、さすがに人としてどうなの?100万円くらいお金もかかるらしいし、貯金が減るのも痛いなあ。
と、すっごくネガティブに愚痴っぽく語ったけれど、そんなにウジウジした気分でもなくて。あんまりネガティブに生きても仕方ないしね。そんな自分のケロッとした性格が好きだったりして。
でも、早く自由になりたいんだよな〜。
人の顔色を伺って、ムダに気持ちをすり減らすのは疲れちゃったよ。
離婚したら、海外旅行にたくさん行きたいな。
たった一度の人生だから、好きなように生きたいよ。