あんなに好きだったアニメを、あまり観なくなった

アニメが好きだ。
よく観るのはテレビアニメだけれど、スタジオジブリ作品をはじめとする劇場版アニメも観るし、OVAも観る。詳しくはないが非商業的な芸術系アニメーションにも興味はある。

好きな気持ちは今も昔も変わらない。
でも、社会人になってからアニメとの付き合い方が変わってきた。

大人になったら、どうしてあまりアニメを観なくなったんだろう。

アニメ漬けだった学生時代

わたしがアニメにハマったのは中学生のときだった。
それ以来、1クール(3ヵ月)に観るアニメは15本ほど。毎日何時間もアニメに費やしていた。

中学生のとき、テレビアニメに開眼

中学校に入ってからできた友人が、いわゆるアニメオタクだった。
アニメグッズを学校に持ってきたり、推しの声優さんのことを目を輝かせて話したりしていて、とても楽しそうな様子が印象的だった。

そんな彼に感化されて、いつしかわたしもテレビアニメを観るように。
折しも『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』が流行っていた時代で、それら京都アニメーションの作品を皮切りに、ずぶずぶと深夜放送のテレビアニメの世界へとハマっていった。

自分と等身大のキャラクターが、学校を舞台に活躍する“ありそうでないストーリー”は、それまで観ていたジブリや早い時間に放送される子供向けアニメと全く違っていて、とても新鮮に感じられた。

手当たり次第観まくっていた、高校・大学時代

最初は学園ものアニメを中心に観ていたが、徐々にSF、ファンタジー、ハードボイルドなどさまざまなジャンルに手を出すようになった。

特に高校生の頃は、勉強から逃避したい気持ちもあったのだろう。1日で1クール分(12、3話)見切ることもざらだった。

さらに、リアルタイムのアニメに飽き足らず、古くは1970年代辺りまで遡って観るように。
その頃はまだそれほど少女まんがにはハマっていなかったため、少女まんがが原作のアニメ、『パタリロ』や『はいからさんが通る』なども、アニメで先にその存在を知ることになった。

観たいアニメは尽きることがなく、大学に入ってからも毎日のように何かしらアニメを観ていたと思う。

アニメを観なくなった理由を考える

学生時代までは、日常の中に当たり前にあった“アニメを観る”という行為。
大人になってからあまり観なくなった理由を考えてみた。

自由な時間が少なくなった

そもそも、社会人になるとそんなにアニメに時間を割けない。

趣味に費やせる時が無尽蔵にあるかに思われた学生時代と違って、今は仕事をして、炊事や洗濯など家の雑事をして、残った時間が趣味のためのもの。
1日で12話観るなんて到底無理だ。

今では、テレビアニメを毎シーズン1、2本最後まで見切るかどうか、というレベル。
一応そのシーズンにやるテレビアニメの一覧は毎度チェックしているが、3ヵ月毎週放送されるテレビアニメを、限られた時間の中で複数本追いかけるのが大変になってきた。
2025年の春は絶対に観たかった『アポカリプスホテル』と『小市民シリーズ 第2期』だけどうにか観た。

もちろん劇場版アニメまでとても手が回らないし、昔のアニメを発掘する熱意も以前ほどはない。

アニメより少女まんがに夢中になった

アニメ離れには、少女まんがに夢中になったことも大きく関係しているだろう。

もともと少女まんがも好きだったが、その魅力のとりこになってからは、時間の掛け方が段違いに増えた。
「まんがを読みたい」という気持ちが大きく、意識が以前ほどアニメに向かなくなってきたようだ。

まんがを読みながらアニメを観ることはできない。
空いた時間の多くを少女まんがに注ぎ込むようになったので、必然的にアニメに割ける時間が減った。

変わっていく趣味との向き合い方

時間の使い方や生活の仕方で、趣味は変わる。

わたしがアニメをあまり観なくなったことは、よいことでも悪いことでもなく、自然とそうなっただけだ。
それに、前ほど観なくなったというだけで、外せないポイントはきちんと押さえている。

趣味だから、絶対ずっと同じ情熱で好きでい続けなければならない、なんて決まりはない。
今のわたしが少女まんがに集中したいと思っているように、その時々でいちばんやりたいことを思いきり楽しんで、豊かに暮らすことが大切なのではないだろうか

だからこれからも、自分に合ったやり方でアニメと付き合っていきたい。

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執筆:杉浦百香さん

逆盥水尾

さかたらいみおと読みます。昭和の少女漫画が好きで、最近はもっぱら漫画を読みふけりながら普及活動をする日々です。