我が家にミシンがやってきた

とんでもなく不器用な私が、ミシンを買った。裁縫をするのなんて、学校の授業以来だ。

ミシン購入のきっかけは、子どもが生まれたこと。ベビーグッズをはじめ、身の回りのものを“自分で作る”ことへの挑戦が始まった。

わたしのこと

  • 年齢:30代
  • 性別:女
  • 職業:PRプランナー
  • ライフスタイル:一児の母、インドア派時々アウトドア派、朝型

ミシンを迎えたきっかけ

今年、第一子を出産した。子どもが生まれると、さまざまなグッズが必要になる。いや、必要以上に買い求めたくなる。かわいいお洋服や肌着、スタイなどは、いくらあっても困ることがない。Instagramをぼーっと眺めていると、あれもこれも欲しくなる。出費がかさんで仕方がない。

いっそ、自分で作ればいいんじゃないか? そうすれば安く済みそうだし、自分の好みにぴったり合ったものを揃えていくことができる。SNSでよく目にする、子どもと親の“リンクコーデ”も、1枚の布から自分でものづくりをすることで手軽に実現できそうだ。

そういえば、私が幼い頃、母もミシンでいろいろなものを作ってくれた。夜、和室の畳の上でミシンに向かい、巾着袋などを縫っていた姿を思い出す。母と一緒に生地を買いに行くのも、楽しいイベントだった。クマの絵柄の生地ばかり、好んで買ってもらっていたことをよく覚えている。私も、子どもにそんな思い出を作ってあげられるだろうか。

ミシンを選ぶ

そもそもミシンにどんな種類があるのかもわからない、というところからのスタートだった。そこで、まずはInstagramやYouTubeで情報を集めることにした。

どうやら、ミシンには3種類あるらしい。シンプルな“電動ミシン”、電子回路での制御が加わった“電子ミシン”、マイクロコンピュータで制御する高機能な“コンピュータミシン”だ。

シンプルなものほど、手動での調整が必要になるため、使うのが難しそう。自分の不器用さをミシンに補ってもらうため、少し奮発してコンピュータミシンを購入することに決めた。

ミシンのメーカーは、“JUKI”、“ブラザー”、“ジャノメ”が有名なようだ。有名メーカーの製品は少し値が張るものが多いが、その中でもAmazonで比較的安価に販売されていた、ジャノメの“JN831”を購入することにした。

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JN831の魅力は、自動糸切り機能があること。ミシンの比較動画や口コミを見ていると、「自動糸切り機能は欠かせない!」という声が多かった。JN831と同程度の値段で買えるミシンには、この機能が付いていないことがほとんどだ。

さらに上位のモデルになると、文字縫いができるようなものもあるが、予算に金額がフィットしなかった。もし文字縫いが必要になったら、手縫いで挑戦してみよう。

口コミを見ていて気付いたが、何十年も同じミシンを使い続けているという人も多い。私も、このミシンを、生涯の友として大切にできたらと思う。

布や裁縫道具を探しに

ミシンを購入できたので、続いては裁縫道具を揃えていく。布や糸も用意する必要がある。買わなければいけないものは多そうだ。

買い物リストを作るために情報収集するのが億劫だったので、ここはChatGPTに頼ることにした。「赤ちゃんの洋服をつくりたくて、ミシンを買いました。かぼちゃパンツを作りたいんだけど、ミシンの他に何を揃えればいい?」と質問を投げかけたところ、返ってきたのが以下の買い物リストだ。

【基本の買い物リスト(ミシン以外)】

■ 生地・材料

□ 布(ダブルガーゼ、コットンなど肌ざわりの良いもの)約50cm

□ ウエストゴム(1.5〜2cm幅)約40〜45cm

□ 裾ゴム(0.5〜1cm幅)2本で約30cm程度

■ 裁断まわり

□ ロータリーカッター(布専用)

□ カッターマット(おすすめサイズ:A2(45×60cm)以上)

□ 裁ちばさみ(布専用のはさみ。直線裁ちや厚手の布に)

■ ソーイング道具

□ 布用ミシン糸(生地に合う色)

□ 糸切りバサミ(糸処理に必須)

□ リッパー(縫い直しに)

□ ソーイングクリップ(布の仮止めに。ピンより安全)

□ チャコペン(消えるタイプがおすすめ)

□ メジャー or 手芸用定規

【あると仕上がりがきれいになるリスト】

□ アイロン&アイロン台(縫い代を整えると仕上がりアップ)

□ 目打ち(角出しや細かい調整に)

□ ゴム通し(安全ピンでも代用可)

□ 型紙(無料ダウンロード or 手芸本など)

これほど整理された情報が、10秒程度で手に入るのはありがたい。リストにしたがって、早速購入を進めていく。

裁ちばさみやリッパーといった裁縫道具は、手芸店の店頭よりAmazonの方が安価だった。口コミを見ながら、評判のいい道具を注文する。結果的に、老舗のメーカーであるクロバーの商品が多くなった。

布や糸は、現物を見たかったので店頭で購入することにした。向かったのは、東京と神奈川に店舗を展開している“マーノクレアール”だ。

布にもさまざまな種類があるが、赤ちゃんの肌にやさしいダブルガーゼを選んだ。店頭だと、色味がわかりやすく、触り心地も確認できていい。

糸は、種類が多すぎて売り場で途方に暮れてしまい、「ミシン糸ってどんなものを買えばいいの?」とChatGPTに助けを求めた。すると、「買うときのポイント」として「糸のラベルに「60番」「ポリエステル」「ミシン用」と書いてあればOK!」とわかりやすく教えてくれたので、失敗せずに購入することができた。

最初からうまくミシンを扱えるか不安だったので、練習用の布を100円ショップで買い求めた。これで準備は万端だ。

作ったものを身につける

まずはミシンの操作に慣れるために、100円ショップで買った布でコースターを作ることにした。2枚の布を真っ直ぐ縫い合わせていくだけの、簡単に作れるグッズだ。少し線が歪んでしまったが、家で使うものなので気にしない。

続いて、少し難易度を上げてシュシュを作ってみた。難易度を上げると言っても、これも簡単に作ることができるアイテム。直線縫いをして、ゴムを通すだけだ。自分で作ったものには愛着が湧く。髪を結ぶ習慣はなかったが、シュシュを作ってからはこまめに結ぶようになった。

ここから、満を持してベビーグッズを作ることに。まずは難易度が高すぎないアイテムを、と、スタイ作りに挑戦することにした。子どもが身につけているところを想像すると、やる気もみなぎる。表地は“マーノクレアール”で購入したダブルガーゼ。裏地には、100円ショップで手に入れたハンドタオルを使った。

これまで作ったものとは異なり、スタイには曲線がある。ゆっくり慎重に針を進める。ただの布が、次第にスタイの形を取っていく。同じ幅で、整然と並ぶ縫い目。手縫いだったら、こんなにきれいには縫えなかっただろう。ミシンは一見ハードルが高いが、裁縫をする初心者にとっては心強い味方になる。

スタイと同じ布で、自分用のシュシュも作った。“子どもとのお揃い”がこんなに簡単に叶うなんて。お出かけがますます楽しみになった。

おわりに

まだまだ、作りたいグッズはたくさんある。次は子どもに履かせるかぼちゃパンツに挑戦したいし、いずれは自分の服も作ってみたい。裁縫を趣味のひとつにして、今回迎えたミシンと長く楽しく付き合っていきたいな、と思っている。

筆者の執筆記事

東樹詩織

食や旅の領域でPR・ブランディングに携わる傍ら、執筆活動を行う。アートと本にのめり込み、「as human footprints」名義でZINE出版を開始。写真と動画の撮影・編集も。最近の関心事は、アジア各国のカルチャー、映画、海外文学、批評、3DCG、AI。キャンプ好きが高じて、東京↔︎信州・上田で2拠点生活中。