子どもが生まれてから、毎日家で料理をするようになり、ひとつ気づいたことがある。
“料理”イコール“単なる調理”ではない。量と栄養バランスに気をつけながら、献立を決めること。作りやすくておいしいレシピを探すこと。新鮮な食材をなるべくお得に仕入れ、傷む前に使い切ること。これらもすべて、家庭での料理を構成する重要なタスクだ。
週に数回料理する程度であれば、いい気分転換にもなるけれど、毎日のこととなるともう大変。献立のレパートリーは早々に枯渇し、日々似たような料理が食卓に並ぶ。半分だけ使った野菜たちは、冷蔵庫の中で所在なさげにしている。
そんな我が家を救ってくれたのが、対話型AIサービスの“ChatGPT”だった。
献立作りもレシピ探しも、ChatGPTは大得意。ゆるく問いかけるだけで、瞬時に期待を超える回答が返ってくる。家での料理に、革命が起きた。
献立を決める
我が家の夕食は、なるべく一汁三菜になるよう心がけている。たくさんの食材をバランスよく取ることができるし、品数が多ければ満足度も高まるからだ。
ただ、一汁三菜にこだわると大変なのが献立作り。「主菜と汁物は決めたけれど、副菜のアイデアが全然浮かばない……」というようなことも多い。
そこで役に立つのがChatGPTだ。ある日の会話を見てみたい。
このように、人と会話しているときのような、ざっくばらんな投げかけで十分。即座に献立を提案してくれる。
「冷蔵庫にきゅうりとズッキーニがあるから、それを使って」とか、「さつまいもは夫が苦手だから、副菜のふたつ目は別の案をちょうだい」とか、「一品はホットクックで作れるものにして」とか、「汁物、もっとさっぱり系がいいな」とか、そんな追加の要望にも柔軟に対応してくれるのでありがたい。たとえば、こんな風に。
どんなわがままも聞いてくれるので、献立作りのストレスは皆無だ。1週間分の献立を、5分もかけずに決められる。
レシピを考える
献立が決まったら、各料理のレシピ考案もChatGPTにおまかせ。AIに味がわかるはずはないのに、ChatGPTが提案してくれるレシピは、不思議とどれもおいしい。
レシピ本を使ったり、Webでレシピを検索したりするのと大きく異なる点は、要望に応じて柔軟にレシピを更新してくれるところ。
たとえば、「マヨネーズがないから、別の調味料を使って」とか、「冷蔵庫のミニトマトも材料に足して」とか、「お酒に合うぐらい、味濃いめで作りたいな」とか、そんな希望を伝えると、修正されたレシピが瞬時に表示される。
既存のレシピを貼り付けて、「これを4人分じゃなくて2人分の材料で出し直して」「フライパンじゃなくてホットクックで作る方法を教えて」のようにお願いすることも可能だ。
また、調理工程の細かな部分の相談にも乗ってもらえる。
レシピが決まったら、その日の献立で使う食材を“買い物リスト”として一覧化してもらう。スーパーで買い物をする際に便利なリストが、一瞬でできる。
調理をしているときも、ChatGPTは役に立つ。たとえば、「マスタードを大さじ1使うレシピなのに、小さじ1しか残ってなかった!」といった状況下で、解決策をすぐに提案してくれる。慌ただしい調理中、雑にヘルプを求めても的確な回答をくれるのがありがたい。
意外と便利なのは、各レシピでカットしなければいけない食材のリストアップ。これを見れば、包丁を使う工程を一気に終わらせることができる。
お気に入りレシピ
ChatGPTに提案してもらったたくさんのレシピの中で、気に入っているものを紹介したい。
やげんなんこつのスパイス炒め
スーパーで安く手に入るやげんなんこつをおいしく食べたくて、ChatGPTに提案してもらったレシピ。味濃いめでリクエストしており、ビール(我が家はノンアルコールビール)によく合う。
スパイスはあるもので、合計小さじ4程度の分量にすればよい。

材料(2人分)
- やげんなんこつ … 200g(ペーパーで水気を取る)
- にんにく … 1片(みじん切り)
- サラダ油 … 大さじ1
- スパイス(合計小さじ4程度)
- カレー粉 … 小さじ2
- クミンパウダー … 小さじ1
- コリアンダーパウダー … 小さじ1
- ガラムマサラ … 小さじ1/2(好みで)
- チリパウダー、ターメリック … 各少々(お好みで)
- 塩 … 小さじ1
作り方
- やげんなんこつはペーパーで水気をよく拭いておく
- フライパンに油とにんにくを入れて弱火→香りが出たら中火へ
- やげんなんこつを入れて、表面に焼き色がつくまで炒める(約4〜5分)
- スパイスと塩を加えて全体にからめ、香ばしい香りが立つまで炒める(1〜2分)
- 最後に火を止めて、好みでレモンを絞る or パクチー・大葉を散らすとエスニック度UP!
ポークソテー
ChatGPTを活用し始めてから、毎日のようにオーブンレンジのオーブン機能を使うようになった。「何度で何分焼けばいいのか」がよくわからず、これまでほとんど触ってこなかったオーブン機能。調理中に目を離しておけるから、実はとても便利だった。
このポークソテーは、夫が「おいしい!」と言ってくれた一品。

材料(2人分)
- 豚ロース肉(厚さ1〜1.5cm程度)… 2枚(200g×2くらい)
- 塩 … 小さじ1/2
- 黒こしょう … 少々
- にんにく … 1片(すりおろし or チューブ)
- オリーブオイル … 大さじ1
- レモン汁 or 白ワイン … 大さじ1
- ハーブ(乾燥タイム or ローズマリー)… 小さじ1/2(好みで)
- あれば:粒マスタード 小さじ1(コクUP)
作り方
- 豚肉は筋切りをして、塩・こしょうを両面にふる
- ビニール袋かボウルで、にんにく・オイル・レモン汁・ハーブ類を混ぜてマリネ液を作る
- 豚肉を加えてよくもみ、15分〜できれば1時間ほど漬ける
- オーブンを200℃に予熱
- 天板にクッキングシートを敷き、肉を並べる(マリネ液も少しかけてOK)
- 200℃で約20分焼く(厚みやオーブンにより±5分調整)
- 焼き色をつけたい場合は、最後に2〜3分だけ上火 or グリル機能で追い焼きしても◎
おわりに
ChatGPTを料理に活用し始めて、数ヶ月が経った。もはや、AIのない料理ライフは、考えられない。ストレスなく、毎日さまざまな献立にチャレンジできるようになったのは、このツールのおかげだ。
ただ“便利”なだけじゃない。ChatGPTは、日々の食卓を豊かにしてくれる、最強の相棒だ。