大人ひとりで行く、東京ディズニーシー。以前「わたしがひとりディズニーをする理由」という記事を書いた通り、わたしもテーマパークでソロ活できるほうの人間だ。
令和になってしばらく経ち、今や既に“おひとりさま”は市民権を得たと言ってもいいだろう。ひとりで東京ディズニーリゾートに行く人だって、意外にも少なくない。
女ひとりでも男ひとりでも、ディズニー好きな気持ちさえあればきっと楽しめるはず。ひとりで行かない理由が「なんとなく恥ずかしい」「勇気が出ない」のであれば、ぜひ一歩踏み出してみてほしい。
わたしの実体験を元に、楽しみ方や過ごし方の例をまとめてみた。
わたしのこと
- 年齢・性別:30代、女性
- 職業:ライター、編集者
- ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク/絶叫マシンはすべて苦手。お酒は嗜む程度に。
- ディズニーリゾートアプリのアイコン:レディ(わんわん物語)。デイジーとクラリスも好き。
ディズニーシーでの“おひとりさま”はハードルが高い?
ひとりディズニーランドは余裕で楽しんだわたし。ディズニーシーではどうだったかというと…同じように充分満喫できた!キャストさんはおひとりさまを見るのに慣れているし、行く場所やプランを考えれば、他人の目をせずに過ごせる。
先の記事とやや被る部分があるかもしれないけれど、まずはひとりインパ(インパーク)のメリットやデメリットを挙げてみた。
ひとりディズニーシーのメリット・よかったこと
1. 行程の自由度が高い
- チケットさえ空きがあれば思い立ったその日にパークへ入れる
- 休みを合わせたり本当は行きたいイベントを見送ったりしなくていい
- 自分の予算内で泊まるホテルや交通手段を選べる
- 前後に別の予定をこなしてもいい
誰かと一緒に入るのも楽しいけれど、よほど意見が完全一致する場合でなければどうしても譲り合いが発生する。人数が増えるほど、プラン立てにも考慮する項目が増えていく。その点、ひとりなら自分が行きたいところだけ巡ればいい。
誰かと予定をすり合わせなくてもよくなるので、「ディズニー行きたい!」と思ったその日にでも、チケットさえ残っていれば飛び込みで入れる。「わたしは今からだっていつでも夢の国に行けるのよ」と思うだけで、ちょっと気持ちが強くなれる。
2. プランをカスタマイズしやすい
- 自分の好きなコースで予定を組める
- ひたすら同じアトラクションやグリーティングを楽しんでも咎められない
- 新発売のグッズやスーベニアのためだけにインして帰るのも自由
- 食べ歩きや飲み歩きだけして一日過ごしてもいい
ひとりディズニーなら「お気に入りのキャラのフリーグリーティング(フリグリ)を狙いたい」だとか「1時間くらいはベンチに座ってぼーっと景色を眺めたい」だとか、少々ニッチな欲求でも気兼ねなく満たせる。タイパを考えず、やりたいことに惜しみなく時間を使えるともいえる。
「今日は全部のアイテムショップを制覇してみよう」「スーべニア付きのフードだけを食べ歩きしよう」「朝から晩までこのテーマポートから出ない!」「ぬい撮りに命をかける回」なんて極端な過ごし方だってアリ。
3. 心配ごとを回避できる
- 急なプラン変更があっても自分だけが納得すればいい
- 疲れたり体調が悪くなったりしたらいつでも休める
- 長時間のパレード待ちやスタンバイでも、ケンカや気まずい空気が発生しない
- 誰かが我慢したり意見を譲ったりしなくてもいい
当日のプラン変更や体調の変化に対応しやすいのもポイント。実際にわたしも残暑の厳しい日に熱中症になりかけたことがあって、本当は夕暮れどきのパークを巡りたかったのに、1時間以上は園内のトイレをはしごするだけの時間になってしまった。もし友達を付き合わせていたらと思うと、申し訳なさすぎてゾッとする。
迷惑がかかるのは自分だけ、というのは気分的にとてもラク。絶叫マシンに何ひとつ乗れないわたしなので、ひとりなら相手に「乗れないなら今日はやめとこうか」なんて気を遣わせることもない(乗ってきていいよ、お土産見てるからと答えるけれど)。
ひとりディズニーシーのデメリット・残念だったこと
もちろん、ひとりで入るのにはデメリットや動きにくいところもある。
- パレード待ちやアトラクションのスタンバイも全部ひとり
- レストランが混んでいると席を確保しにくい
- 心理的に乗るハードルが高いアトラクションがある
- 突然キャラクターグリーティングに遭遇しても興奮を分かち合えない
- 写真を撮ってもらいにくい
列に並ぶときや、ショーやレストランで座る場所を確保するときなど、自分が今いる場所からは離れにくくなってしまう。場所取りと買い出しのグループに別れて別行動したり、役割分担したりできないとなれば、ひとつの目的を達成するまでに倍の時間がかかることもある。
インスタ用に写真を撮りたいときも、スマホスタンドを持参しないと他撮りが難しく基本的に自撮りになる。ただしキャストさんが近くにいれば頼んだり、フォトキーカードで「ディズニー・フォト」を利用したりすれば解決できる部分もあるので、さほど問題に感じない人もいるだろう。
後述するが、ひとりだと参加しにくいアトラクションもある。
ひとりインパを思いっきり楽しむためにも、「自分が何をしたいのか」を決めておくとデメリットへの対策もしやすくなりそう。
ひとりディズニーシーでおすすめのスポットやハードルが高い場所
過ごし方に迷う人は、乗りたいアトラクションや行ってみたいスポットを軸にプランを考えるのもおすすめ。また、基本的にパレードやショーはひとりでも鑑賞しやすい。公演時間は1〜2ヶ月ほど前には決まっているので、興味があればショースケジュールをチェックしてみよう。
ディズニーシーでショーが見られる場所
<屋内>
- ブロードウェイ・ミュージックシアター(アメリカンウォーターフロント)
- ショーレストラン「ケープコッド・クックオフ」(アメリカンウォーターフロント) ※要事前予約
<屋外>
- ドックサイドステージ(アメリカンウォーターフロント)
- メディテレーニアンハーバー
- パークワイド ※花火/上空の風により中止の場合あり
()内はエリア名。基本的には、ニューヨークの街並みを再現したアメリカンウォーターフロントの建物か、パークの中央に位置する大きな港・メディテレーニアンハーバーで実施される。
以前はS.S.コロンビア号の横にあるドックサイドステージや、ロストリバーデルタのハンガーステージでもショーが開催されていたが、2024年11月現在は使われておらず、復活が待たれるところ。
公演プログラムやスケジュールは時期により異なるので、公式サイトからチェックを。なお同じく2024年11月現在、屋内のショーに自由席は実質ない。ショーを見るには当日のエントリー受付による抽選や有料の「ディズニー・プレミアアクセス」チケットの購入など、事前準備が必要な点に注意しよう。
またブロードウェイ・ミュージックシアターで人気のプログラム「ビッグバンドビート~ア・スペシャルトリート~」は、通常バージョンも含め2025年9月30日(火)をもってクローズとなる。思い残すことのないよう、目に焼き付けておきたい。
ひとりでも利用しやすいアトラクションや施設
おすすめなのは景色を眺めるタイプの乗り物や、幻想的な建物が並ぶエリアの散策。「ディズニーシー・トランジット・スチーマーライン」では、船でパーク内を半周または一周できる。乗り場によってコースが違う点や、ハーバーショー前後の時間帯は休止になる点に気をつけて。
ひとりだと乗車までのキューライン(待機列)が短くなるシングルライダー制度を利用すれば、「インディ・ジョーンズ®・アドベンチャー」と回転型ジェットコースター「レイジングスピリッツ」も参加しやすい(どちらも絶叫マシンが苦手な方は要注意!)。
アラジンの世界観をゆったり巡る「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」や、劇場型の「マジックランプシアター」も楽しめるだろう。完全室内で雨の日でも濡れない「アリエルのプレイグラウンド」は、休憩用の椅子もあり落ち着いて過ごせるエリアだ。
ここに挙げたのはあくまで一例なので、公式サイトもチェックしてみてほしい。
ひとりだと利用しにくいアトラクションや施設
通行人の目に晒されがちな「アクアトピア」や、他のグループと乗り合わせる「ヴェネツィアン・ゴンドラ」、ひとりだと質問募集に手を挙げにくい「タートル・トーク」など、自分以外の人が気になるものはハードルが高く感じる。
「トイ・ストーリー・マニア!」はライド型だがシューティングゲームなので、隣で点数を競う人がいる方がはしゃぎやすいかもしれない。
【女ひとり】ディズニーシーでの過ごし方
大人の女ひとりで行くディズニーシー。わたしならどう過ごすか、実体験を振り返りながらプランの例を挙げてみる。
時刻は所要時間から算出した大体の目安で、実際にはショーのスケジュールによって前後するので参考程度に見てみてほしい。
【入園2ヶ月前】
チケット購入
【入園1ヶ月前】
レストランのPS予約(取れなければ当日9:00または入園後にも挑戦)
【入園当日】
9:20 ゲートに到着
9:40 入園〜ショーのエントリー抽選を済ませる
運がいいとエントランスでアトモスに遭遇
10:10 ショーに落選した場合:BBBの初回自由席があればスタンバイに移動〜鑑賞
ショーに当選した場合:グッズやお土産を朝のうちに購入〜コインロッカーに預ける
11:05 当選または自由席が獲れたショーを鑑賞
11:45 メディテレーニアンハーバーでハーバーショー(グリーティング)を見る
12:10 ディズニーシー・トランジットスチーマーラインに乗船
12:50 移動〜予約したレストランで昼食(季節のメニューを見てどれか決める)
メディテレーニアンハーバー「リストランテ・ディ・カナレット」
メディテレーニアンハーバー「マゼランズ」
ポートディスカバリー「ホライズンベイ・レストラン」
PS予約が獲れなかった場合:軽食やフードを食べ歩きする(うきわまん、ギョウザドッグ)
14:00 自由行動(アトラクションに乗る or お土産を見る)
フォートレス・エクスプロレーション”ザ・レオナルドチャレンジ”に挑戦、写真を撮る)
15:20 船の中のバー「テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ」に並んでゆっくりお酒を飲む
混雑がすごいとき:「ケープコッド・クックオフ」でコーヒーとケーキを嗜む
17:20 アメリカンウォーターフロントから「ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ」に乗車〜ロストリバーデルタまで歩く
「インディ・ジョーンズ®・アドベンチャー: クリスタルスカルの魔宮」にシングルライダーで挑む
夕暮れに合わせてパークを一周する(アラビアンコースト〜マーメイドラグーン〜ミステリアスアイランド)
18:30 夕食(気分でどれかに行く) or 夜のハーバーショーの場所取り
アラビアンコースト「カスバ・フードコート」でカレー
アメリカンウォーターフロント「ニューヨーク・デリ」でサンドイッチとポテト
19:15 ハーバーショーを鑑賞 or 自由行動
20:05 花火を鑑賞
20:10 自由行動(写真を撮る、ゆっくり景色を見る)
21:00 コインロッカーに預けた荷物を回収して退園
当日23:45まで オンラインショッピングでお土産を注文
ショーもグルメもアトラクションも全部、となるとかなり駆け足になる。もちろん、ひとりなので分刻みのスケジュールを立てても問題ない。逆にひとりだからこそゆっくり楽しみたい人は、自由時間を多めにとってプランを立てるのがおすすめ。
当日は新商品のグッズがかわいすぎて迷いまくったり、キャラクターのフリーグリーティングに遭遇してその場から動けなくなったりするかもしれない。予期せぬ感情の動きに備えて余裕をもっておくとリカバリーが効く。
おひとりさまでもイマジネーションに浸れるディズニーシー
ディズニーシーのコンセプトは、イマジネーションと冒険の海。7つだったテーマポートに新しく「ファンタジースプリングス」が加わり、合計8つのエリアになった。
土地が広大なことと、アップダウンのある地形、そして海風に当たることから体力を消耗するので、歩きやすく温度調節できる服装で行くのが鉄則。無理せず自分のペースで滞在を楽しもう。
なお新エリアにはアトラクションやレストランもオープンしたが、ファンタジースプリングスに入場するにはまだまだ制限がある。対象アトラクションのスタンバイパス(無料)もしくはディズニー・プレミアアクセス(有料)が必要なので、どうしても行きたい人は事前に準備しておこう。
SNSで直近は何時ごろパスがなくなったのか調べておくと、行くべき時間や諦めるかどうかを決める指針になる。当日ハラハラしたくない人は、エリア入場保証付きのプランでバケーション・パッケージを利用するのも視野に入れるとよさそうだ。
もし新エリアに入れなくても、既存エリアだけでも一日では周りきれないほど冒険のしがいがあるので、ぜひ目的に合わせてプランを立ててみて!