「大人になったら、キャラクターグッズは卒業すべき?」そんな問いが頭をよぎることはないだろうか。
かわいいものが好きで、キャラグッズに惹かれるのに、「持ってもいいのかな?」とためらってしまう。周囲の目が気になったり、自分のイメージに合わないと感じたりして、無意識にブレーキをかけてしまう。
しかし、近年は「推し活ブーム」もあり、大人がキャラクターアイテムを楽しむことが以前よりも一般的になってきた。大人向けにデザインされたキャラクターグッズも増え、ライフスタイルに自然に溶け込むアイテムも多い。
わたしも30代半ばという世間では「いい歳」だけれど、ハイブランドにはまだ興味が向かなくて、ディズニーやサンリオといったキャラものアイテムばかり集めがち。
もしかしたら最後のハードルは周りの目ではなく、自分自身の意識かもしれない。それなら、「大人だから」という理由で好きなものを諦めなくてもいいのでは?
大人でも持ちやすいキャラクターやグッズの選び方を紹介しながら、自分らしく楽しむマインドのあり方を考えてみた。

わたしのこと
- 年齢・性別:30代、女性
- 職業:ライター、編集者
- ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク
- Senseof…編集部のディズニーリゾート攻略担当。コミコンでは来日セレブと撮影を楽しむ系のカルチャー好き。
大人がキャラグッズを持つのはおかしい?
本当はかわいいものが好き。キャラクターグッズやぬいぐるみにも惹かれる。でも、「集めてもいいんだ」「身につけてもいいんだ」と、なかなか自分にGOサインを出してあげられないことってあるよね。
自分のキャラに合わないとか、ガラじゃないとか、笑われるんじゃないかとか。そんなふうに思って、気持ちを押し殺してはいないだろうか?
最近は「推し活ブーム」も手伝って、「オタクであること」が昔のように「恥ずかしい」とされることも減った。大人がキャラクターグッズを持っていても、なんとなく許されるようになってきた感覚がある。
でも、「許される」って誰に?
答えは周りの人や世間の目だけでなく、最後のハードルとなるのは案外「自分自身の目」ではないだろうか。
もしそうだとしたら、自分で自分に許可を出してあげたい。大人だってキャラクターグッズを持ったっていいじゃないか!
あのころ好きだったキャラでも、新しくデザインが気になったキャラでもいい。少し抵抗があるなら、「大人が持ちやすい」ものから探してみよう。
大人でも持ちやすいキャラクターとは
世の中には把握しきれないほど多くのキャラクターがいて、根強いファンに愛されている。
ここからはわたしの“偏愛”によるピックアップにはなるが、大人でも持ちやすいと感じるキャラクターの例を挙げていく。
「持ちやすい」の定義は、一般的に広く浸透して受け入れられているキャラクターであることとした。いわゆる「オタク感」が少なく、「何のキャラ?」と突っ込まれることが少ないものであればとっつきやすいはずだ。
世界で人気のアイコン的キャラクター
例:ディズニー、サンリオ、ポケモン、スタジオジブリ作品
日本だけでなく、世界的にも人気のキャラクターや作品。知名度が高いだけでなく、グッズ展開の幅広さにも注目したい。
ディズニーキャラクターの例

- ミッキーマウス
- ミニーマウス
- くまのプーさん
- ドナルドダック
- デイジーダック
- チップ&デール
- ダッフィー&フレンズ
- ディズニープリンセス(ラプンツェル、アリエル、シンデレラ、ベルなど)
誰もが知っていて、なおかつ大人が持っていても違和感なく受け入れられやすいキャラクターといえば、ディズニーの仲間たちが外せない。
パークで買えるお土産やディズニーストアのアイテムだけでなく、『ベルメゾン』『しまむら』など各種ショップや人気ブランドとのコラボレーションも多く、新商品には事欠かないバリエーションの多さが特徴。落ち着いたデザインのものや高価格帯の本格的なものまで幅広くそろう。
とくにジュエリーやバッグなどは、「いつか身につけたい」と子どもの頃にあこがれたものを大人になってから自分のお金で買う、といった体験もできるだろう。
サンリオキャラクターの例

- ハローキティ
- シナモロール/アイシナモロール(シナモン)
- マイメロディ
- クロミ
- はぴだんぶい(ポチャッコ、ポムポムプリン、けろけろけろっぴ、ハンギョドン、タキシードサム、あひるのペックル、バッドばつ丸)
- リトルツインスターズ
- ぐでたま
- はなまるおばけ
ファンシーでかわいいデザインの商品が中心なものの、ハローキティやクロミなどのキャラクターは、色味が大人っぽいアイテムも多く展開されている。SNSで「仕事を選ばない」と喩えられるほどコラボレーションも豊富で、毎月発売される新商品の数は追い切れないほど。キャラクター名で探しているうちに「どれかは刺さる」といえるだろう。
また、2023年にデビューしたばかりのアイシナモロール(I.CINNAMOROLL)は、まさに大人の女性が選びたくなるおしゃれな世界観とブランディングが魅力。詳しくは下記の記事でも偏愛気味に紹介している。ご自愛、してみませんか?
ポケモンキャラクターの例


撮影:織詠 夏葉 ※過去のナガノ氏コラボ。
©️2019 Pokémon/Nintendo/Creatures/GAME FREAK. Designed by nagano ©️n / cc
- ピカチュウ
- イーブイ
- カビゴン
- ポッチャマ
- ニンフィア
- ワンパチ
- ミミロップ
- ニャオハ
- クワッス
- ホゲータ
王道のピカチュウは、人気のデパコス『シュウウエムラ』とのコラボパッケージをはじめとした多彩な商品展開も魅力。『ユニクロ』のUTや『GU』のパジャマなど、大人も着やすいデザインのアパレル商品も定期的に発売されている。
また「昔ハマっていて今は子どもがプレイしている」世代だと、ポケモンセンターや量販店などでグッズを見るうちに思わず自分も買ってしまう、といった経験があるかもしれない。
スタジオジブリ映画やキャラクターの例
- となりのトトロ(トトロ/ねこバス/マックロクロスケ)
- 魔女の宅急便(ジジ)
- 千と千尋の神隠し(カオナシ)
- ハウルの動く城
- 風の谷のナウシカ
- 天空の城ラピュタ
ジブリ映画のグッズは柔らかい雰囲気のものが多く、ナチュラルなテイストが好きな方におすすめしたい。キャラクターそのもののグッズだけでなく、作中に出てくるアイテムをモチーフにしたものもあり、作品の世界に入り込んだようで心がくすぐられる。
東京都にある三鷹の森ジブリ美術館のグッズを始め、2022年愛知県にオープンしたジブリパークでのお土産(※オンライン販売なし)も評判だ。
海外映画作品やアメコミキャラクター(ヒーローやヴィラン)
例:ハリー・ポッター、ファンタスティック・ビースト、マーベル(MARVEL)、DCコミックス
映画館で買えるグッズだけでなく、コミコンといった祭典や専門ショップでも展開される海外映画の関連商品。メンズラインのアパレルも比較的豊富で、パートナーとのリンクコーデも楽しみやすいのが魅力だ。
ハリー・ポッターやファンタスティック・ビーストシリーズ

単純なキャラものとは少し異なるかもしれないが、J.K.ローリング原作『ハリー・ポッター』シリーズのファングッズは、まさに大人が持つにも抵抗感の少ないアイテムがそろう。デザイン性の高いグッズが多いし、「推し寮」の身につけアイテムでトータルコーディネートを組むのも楽しい。
グッズは東京・豊島園に2023年オープンしたテーマパーク『スタジオツアー東京』をはじめ、赤坂TBS周辺や横浜エリアにも店舗を構える『ハリー・ポッター マホウドコロ』などでも購入できる。
フードやお菓子系のお土産もあり、バタービールや百味ビーンズ、蛙チョコなどおなじみのアイテムにも注目!作中の世界観に存分に浸ろう。
マーベルの人気キャラクターやユニット例

- アイアンマン
- キャプテン・アメリカ
- ハルク
- ソー(マイティ・ソー)
- ロキ
- ブラック・ウィドウ
- ホークアイ
- ドクター・ストレンジ
- ブラックパンサー
- ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー
- アントマン&ワスプ
- ヴェノム
- スパイダーマン
- デッドプール&ウルヴァリン
ディズニー傘下となったマーベルは、映画やマーベル・コミックなどで活躍するヒーロー(一部ヴィラン)たちのグッズが人気。
MCUとしてマルチバースを展開するため作品同士での共闘も多く、『アベンジャーズ』の面々は名前だけでも聞いたことがある方も少なくないだろう。ここには挙げきれないため、ぜひ推しのキャラクターを見つけてみてほしい。
グッズは生活雑貨から文房具、ガジェット用品、アパレルまでかなり幅広く展開されていて、絵柄やデザインもテイスト違いが豊富。かっこいい系からかわいい系まで、自分好みのアイテムに出会えるはずだ。
DCコミックの人気キャラクターやユニット例

- スーパーマン
- バットマン
- ジョーカー
- ハーレイ・クイン
- アクアマン
- シャザム
- ブラックアダム
- フラッシュ
- ワンダーウーマン
マーベルと比較されやすいDCコミックも、近年はマルチバース展開でヒーロー同士の共演が見られる。グッズはスタイリッシュなデザインのものが多く、かわいい系よりはかっこいい系のアイテムが豊富な印象。
フィギュアやアクリルスタンドなど、ヒーローやヴィランそのもののデザインを打ち出したグッズがコレクター心をくすぐる。
そのほか大人におすすめのキャラクター
大人っぽいグッズ展開のキャラクター
例:PEANUTS(スヌーピー、チャーリー・ブラウンなど)
北欧系のキャラクターやブランドアイコン
例:ムーミン、マイキー(リサラーソン)、moz
絵本やショートアニメのキャラクター
例:ミッフィー、ピングー(PINGU)
子どもから大人まで愛されるキャラクター
例:ちいかわ、ドラえもん、ミニオンズ、リラックマ、すみっコぐらし
ご当地キャラクター
例:くまモン、ふなっしー(非公式)
まだまだ紹介したいキャラクターはたくさんいるが、情報量が膨大になってしまうためざっくりとジャンル別にまとめてみた。
PENUTS(ピーナッツ)

©️2021 Peanuts Worldwide LLC ©️2021 Yu Nagata
スヌーピーが代表的なピーナッツのキャラは、『ユニクロ』や『Zoff』などともよくコラボしており、身につけるアイテムにも洗練されたデザインが多い。なかでも『PEANUTS Cafe』のグッズはおしゃれでおすすめ!ギフトにしても映えるし、こだわりのある大人こそ選びたくなるアイテムがそろう。
ちいかわ

©️n / cc
イラストレーターで漫画家のナガノ氏が手掛ける、「なんか小さくてかわいいやつ」=通称・ちいかわ。SNSで連載されるちょっぴりダークな世界観の漫画に、かわいい見た目というギャップから爆発的に人気が出たキャラクターたちだ。大人世代にも流行しており、市民権を得たといってもよさそう。
【参考】人気アンケート調査の結果
参考までに、マクロミル社による2023年のアンケート調査では、大人に人気のキャラクター上位はこのようになっていた(回答形式や詳しい調査条件はリンク先を参照されたい)。
- 1位:スヌーピー(ピーナッツ)
- 2位:ミッキーマウス(ディズニー)
- 3位:くまのプーさん(ディズニー)
ディズニー人気はさすがといったところ。スヌーピーは先に紹介した通り、グッズの展開数が幅広く、おしゃれなアイテムが多いことや、甘すぎないデザイン性が魅力ではないだろうか。
大人でもキャラグッズを持っていいか自信がない方は、世間の声を後押しに一歩踏み出してみるのもあり。
キャラクターグッズ選びのポイント

もし選んだアイテムが子どもっぽく見えすぎてしまって使うのをためらう場合、下記の点が影響していないか確認してみよう。
- 色や柄のデザイン
- アイテムのモチーフ
- コラボブランドや販売メーカー自体のイメージ
- クオリティ(品質)
- 値段
基本的にごちゃごちゃとしたカラフルなものよりは、モノトーンや落ち着いた色味のほうが大人っぽさは出やすい。ただし、スタイリッシュな色使いのアイテムであればむしろ洗練されたイメージになるので、ここは選び方のセンスが問われるところ。
キャラクターそのものがプリントされたグッズに抵抗がある場合は、「作品の中に出てくる雑貨やインテリア」「キャラクターの紋章やシンボル」などをモチーフにしたものを選んでみるのがおすすめ。特に映画やテーマパークと連動しているグッズは世界観が確立されており、おしゃれなデザインや日常使いに取り入れやすいものも多い。

©️Disney ©️MARVEL ©️ & TM Lucasfilm Ltd. ©️Yu Nagata
コスメやファッションなど、人気ブランドとのコラボレーション商品の場合は、そのブランドが想定している元々のターゲット層に自分が合っているかをチェック。品質や値段の設定も大抵はここに紐づいているだろうから、買うか検討するときの目安になる。
あまりにも自分の属性とかけ離れていると感じたら「買わない」という選択肢もあるけれど、それだけでは割り切れないのがキャラクター好きの心。「わかってるけどどうしてもほしい!」と思うこともある。
そのときは無理に諦めず、コレクション用として手元に置くのもいいだろう。なにかとしんどい毎日で、そっと「心の御守り」になってくれるのがキャラクターグッズなのだから。
わたしがキャラものを好きな理由
そもそも、わたしがキャラものに惹かれるのはなぜだろう?考えてみたけれどなんだかぼんやりとしていたので、ChatGPTに聞いてみた。
――ディズニーやサンリオなどキャラクターものが好きな大人の心理は?
以下、ChatGPTの回答:
ディズニーやサンリオなどのキャラクターものを好む大人の心理には、さまざまな要素が絡んでいます。大きく分けると、以下のような心理が考えられます。
1. ノスタルジー(懐かしさ)
子どもの頃に親しんだキャラクターは、大人になっても特別な存在。幼少期の楽しい思い出と結びついていて、見るだけで安心感や幸福感を得られることがあります。
2. 世界観への愛着
キャラクターだけでなく、作品のストーリーやテーマに共感する人も多いです。ディズニーなら「夢と魔法」、サンリオなら「優しさやかわいさ」といったコンセプトに心惹かれ、大人になっても変わらず愛し続けることができます。
3. 現実逃避・癒やし効果
キャラクターのデザインやグッズの可愛らしさは、ストレスの多い日常を忘れさせてくれます。ディズニーのパークやサンリオのキャラグッズに囲まれることで、非日常の幸せな空間に浸れるのが魅力。
4. 自己表現の一部
キャラクターグッズを持ったり、キャラもののファッションを楽しんだりすることは、その人の個性や価値観の表現のひとつ。好きなものを堂々と楽しむことで、自己肯定感を高めることにもつながります。
5. コミュニティの存在
SNSやイベントなどを通じて、キャラクターを愛する大人同士がつながることも。共通の趣味を持つ仲間と交流することで、さらに愛着が深まっていきます。
大人になってからもキャラクターを好きでいることは、決して「子どもっぽい」ことではなく、自分を癒やし、楽しませ、人生を豊かにするひとつの方法と言えるでしょう。
ChatGPT、賢すぎるかも?
わたし的にはかなり納得のいく回答が得られた。
とくに「自己表現の一部」という観点は、言われてみれば確かに!となった部分。「わたしはこのキャラクターが好き」と表明することで、個性を端的に説明できるし、コミュニケーションのきっかけになることも多い。
たとえば、ディズニーリゾートで着けるカチューシャを選ぶように。
たとえば、MBTI診断でハリー・ポッターのどの寮に当てはまるか当てはめてみるように。
自己理解を深め、「わたしはこういう人間です」と発信する。そんな役割を担っているのかもしれない。
ちなみにわたしが最推しのアイシナくん(アイシナモロール)に惹かれる理由は、デザインの秀逸さもあるけれど、「なんでもひとりでやってみる、知的好奇心たっぷりなおひとりさま」というところ。
シンプルに「好き」と感じているものでも、「どこが好きなのか」「どの部分が自分と共鳴しているのか」を考えてみると、新たな自分の一面を発見できそうだ。
結論:大人がキャラ好きだっていい。

©️Disney ©️’24 SANRIO. Co., LTD. ©️2019 Pokémon/Nintendo/Creatures/GAME FREAK. Designed by nagano ©️n / cc ©️TM & WEBEI. (s24) ©️2021 Peanuts Worldwide LLC ©️2021 Yu Nagata
世間の目が気になり、「そろそろキャラものは卒業しないと痛いかも」「おばさんもキャラグッズを持っていてもいいの?」と考えてしまう人もいるかもしれない。
もちろんTPOを考えて持ち物を選ぶのは、社会で生きていくうえでは必要になること。でも、生活のすべてをその基準に合わせなくたっていいのでは?
「普段使うアイテムが実はキャラもの」なんて今や普通のことだし、プライベートで推しのグッズを持ち歩くことを咎める人はそういない。わたしが勤めていた会社では、デスクにぬいぐるみを置いている人も複数いたくらいだ。
何歳になろうが、キャラクターものを好きでいたって構わない。
大人という鎧を着て生きている我々には、ときどき「ありのままの自分」を思い出せる御守りが必要なのである。