エシカルな結婚指輪を選びました

結婚して7年。エシカルジュエリーブランド“HASUNA”の結婚指輪も、だいぶ指に馴染んできた。

この指輪を選んだ一番の理由は、“エシカル”であること。

長い付き合いとなる結婚指輪を、夫婦でどのように決めたのか。当時の記憶を振り返ってみたいと思う。

わたしのこと

  • 年齢:30代
  • 性別:女
  • 職業:PRプランナー
  • ライフスタイル:一児の母、インドア派時々アウトドア派、朝型

夫に教わった“エシカルジュエリー”

今の夫と付き合い始めたのは10年以上前のことだが、その頃から彼は、「いつか結婚指輪を買うことがあれば、絶対にHASUNAで買いたい」と言っていた。自分の願望をあまり口にしない人だから、ジュエリーにこだわりがあるとは、と驚いた。

HASUNAとは“エシカルジュエリー”を扱うブランドであり、自分はHASUNAの創業者である白木夏子さんの思想に心底共感しているのだ、と彼は話してくれた。恥ずかしながら、私はそのときに初めて“エシカル”という言葉を知った。

エシカルは、直訳すると“倫理的な”。地球環境や社会などに配慮している、ということを意味し、“エシカルフード”や“エシカルファッション”といった言葉もある。

結婚指輪といえば名の知れたハイブランドを選ぶもの、と勝手に思い込んでいたから、「エシカルジュエリーという選択肢がある」という彼の話は新鮮だった。自分にとっての“当たり前”から離れたところに、実は魅力的なものがいろいろあるのかもしれない、と感じた。

とはいえ、当時は付き合い始めたばかり。結婚なんてまだ先の話だった。

白木夏子さんの著書を読んで

それから5年が経ち、ついに結婚話が持ち上がった。「結婚指輪、やっぱりHASUNAがいいよね?」と聞くと、「もちろん。それ以外なら買わないよ」と答える夫。頑なだ。

私は結婚指輪のブランドには特にこだわりがなかったので、夫がそう言うのならHASUNAにしようと思っていた。ただ、HASUNAのジュエリーに対して、夫ほどの熱量があったわけではない。「別にHASUNA“で”いいよ」という具合だ。

そんな私に、「とりあえず、白木さんの本を読んでみなよ」と夫は言った。手渡されたのは、夫の本棚に入っていた『世界と、いっしょに輝く エシカルジュエリーブランドHASUNAの仕事』だった。

彼女の著書を読んで初めて、鉱山では子どもたちが過酷で危険な労働に従事させられている、という事実を知った。そうした社会課題に対峙するために白木さんが立ち上げたジュエリーブランドが、HASUNAだった。

「ジュエリー創りに関わるすべて人を大切にしたい」という白木さんの想いとその行動力に、私は圧倒された。長く身に付けるなら、そんな強い想いのもと創られたジュエリーがいい。その輝きはきっと、さまざまな場面で私に勇気を与えてくれるはずだ。そう思った。

私たちらしいデザインとは

ブランドは迷う余地がなく決まったので、次はデザインだ。

私の希望はふたつ。ダイヤが使われていることと、夫婦で統一感があるデザインであること。ダイヤを身に付けたかったのは、「輝きが常に目に入るようになっていれば、気分も上がるだろう」という理由からだ。

指輪の統一感の持たせ方はいろいろなパターンがあると思うが、私たちは形状だけを合わせることにした。指がすらりと見える、ウェーブラインが美しいデザインだ。

指輪の色は、各々が好きな色を選んだ。私は、ピンクゴールド。ゴールドとシルバー、どちらのアクセサリーをつけても馴染んでくれそう、というのが大きな理由だ。歳を取るとピンクが似合わなくなるかもしれないという不安は少しあったが、甘すぎないピンクで肌にしっくりと馴染み、30代後半になった今でも満足している。

夫は、マットな質感のゴールドを選んだ。結婚指輪といえば何となくプラチナの印象があったけれど、ゴールドもとてもいい。アウトドアが好きな夫の、年中焼けている肌によく似合っている。

私の指輪には小さなダイヤが3つ埋め込まれていて、光が当たると上品にきらめく。夫の指輪にはダイヤはなく、そのシンプルさがまた美しい。

エシカルジュエリーと重ねてきた日々

表参道の店舗を訪れてオーダーし、胸をときめかせながら完成を待った。ふたつの結婚指輪を受け取ったあの日から、もう7年が経つ。

今でも、HASUNAの結婚指輪を選んだのは、私たちにとって最高の選択だったと思っている。人生の最後の瞬間まで付ける気でいる大切な指輪だからこそ、手元に届くまでのストーリーごと愛せることが嬉しい。白木さんがブランドに込めた想い、その熱が指から伝わってくるような気さえして、付けていると勇気づけられる。

そうだ、ジュエリーを創ろう。見た目だけではなく、存在そのものが美しいジュエリーを――。採掘現場からはじまり、身に着ける一人ひとりにいたるまで、関わるすべての人たちに心からの微笑みをもたらし、関係するすべての土地が祝福で満たされるような、そんな幸せなジュエリーを創りたい。愛や記憶の依り代として慈しまれ、人とともに長い時間を歩むジュエリーだからこそ、一点の陰りもなく、清く美しいものであってほしい。

白木さんの著書のこの箇所を読むと、今でも涙が出そうになる。むしろ、HASUNAの結婚指輪を長年身につけてきた今だからこそ、“人とともに長い時間を歩むジュエリー”という言葉の重みがわかるのかもしれない。

一昨年の私の誕生日には、久しぶりにHASUNAの店舗を訪れ、HASUNAの最初のフェアトレード素材であるウィルクス貝のピアスを夫にプレゼントしてもらった。本でも白木さんとウィルクス貝の出会いが語られており、ずっと憧れていたジュエリーだ。

雪豹のような、白と黒の模様が個性的で美しい。HASUNAに出会っていなければ、一生身につけることがなかったかもしれない素材だ。このジュエリーが似合う自分でありたいと、ピアスを耳に通す度に思っている。

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執筆:南かいりさん

東樹詩織

食や旅の領域でPR・ブランディングに携わる傍ら、執筆活動を行う。アートと本にのめり込み、「as human footprints」名義でZINE出版を開始。写真と動画の撮影・編集も。最近の関心事は、アジア各国のカルチャー、映画、海外文学、批評、3DCG、AI。キャンプ好きが高じて、東京↔︎信州・上田で2拠点生活中。