ひとり○○のなかでも、なかなかハードルが高い海外ひとり旅。「なかなか一歩踏み出せない」という人も多いはず。そんな海外ひとり旅初心者にも、「いろいろ行き尽くしたな、次はどこ行こう」というひとり旅上級者にもおすすめしたいのが、台湾・台南。
2025年5月末に訪れた台南は、ただ気ままにゆるりと街を歩くだけで心が満たされる街だった。そんな台南の魅力を、実体験をもとに振り返ってみる。
わたしのこと
- 年齢:30代
- 性別:女
- 職業:ライター、編集者
- ライフスタイル: リモートワーク不定休。シェアハウス暮らし。インドア派。
- 好きなこと:読書、旅、散歩
海外ひとり旅のメリット

気心の知れた友だち、家族、パートナーとの旅はやっぱり楽しい。おいしい料理もシェアしてあれこれ食べられるし、トラブルがあっても誰かがいれば安心だ。言葉が通じない国で話し相手がいるのも心強い。
とはいえ、どれだけ気が許せる相手でも、知らず知らずのうちに気を遣ってしまう部分もある。「あのお店気になるな」「この料理食べてみたいけどみんな好きかな?」「今日はもうゆっくりしたいかも・・・」と思いつつ、そっと自分の気持ちに蓋をしたことはないだろうか。
ひとり旅なら、誰にも気兼ねすることなく、心のままに自由に旅ができる。いわば、自分自身が旅のパートナー。「今日はどこに行きたい?」「何が食べたい?」「今、何を考えてる?」と、たまにはとことん自分の気持ちに寄り添ってみてはどうだろう。
何気なく入ってみた路地裏のお店で見つけたお気に入りのアイテム、思い切ってチャレンジしてみた知らないメニュー。道に迷った先で見たハッとする景色。旅先で出会った人からのふとした優しさ。人からしたら些細なことかもしれない、でも自分にとっては大冒険。そんな瞬間を集めてみよう。
台南ひとり旅はこんな人におすすめ!

- 一人でもおいしい料理を満喫したい!
- 予算は抑えめにしたい
- いわゆる「映えスポット」や、人気の観光名所にはあまり惹かれない
- のんびりぼーっとしたい、仕事や日々の疲れからリフレッシュしたい
- 非日常体験よりも、いつもの延長線の旅がいい
そんなオトナの海外ひとり旅におすすめしたいのが、台湾南部の台南。台湾は日本から近く、LCCを活用すれば時期によっては国内旅行よりも安い価格で気軽に渡航できる。物価も日本とほとんど変わらないため、現地で節約を気にすることなく気ままに買い物や飲食ができる。
なかでも台南がおすすめな理由は二つ。まず台南は美食の国と言われており、おいしいご飯が一人でも気軽に楽しめること。そして台南は歴史のある建物が多く残っており、都会の喧噪を忘れてレトロな町並みとゆったりした空気を味わえる。
ここからは、私の体験とともに台南の魅力を紹介していこう。
グルメの街、台南。ひとりでも安心な食べ歩き

旅の醍醐味はやっぱりおいしいグルメ。台南は、台湾のなかでも美食の街として知られている。ふらっと入ったお店が、ミシュランに掲載されていた、なんてこともあった。
一人旅でネックになるのが、ご飯をシェアできないこと。あれもこれもこれも食べたい、でも一人ではそんなにたくさん食べられない。そんな欲張りなあなたに、台南はぴったりだ。
なぜなら、台南には屋台とレストランの中間くらいの食堂が多く、大皿でどん!ではなく、小さなどんぶりに入った料理が500円以下で食べられるので、気軽にはしごが出来る。複数のお店を回り、メイン料理2つ、デザートまで食べても2000円以内に収まるうえ、満腹で動けない……なんてこともなく、ちょうどおいしく食べきれる。そしてどのお店に入ってもほぼハズレなし。
私の台南滞在中の一日の食事を紹介するとこんな感じ。
- 朝ご飯 ミルクティー、肉まん ・・・約300円
- 昼ご飯 肉燥飯・・・約200円
- おやつ 杏仁豆腐かき氷(タロイモ団子、白玉団子、粉粿をトッピング)・・・約350円
酸梅湯(台湾の梅ジュース)・・・200円 - 夜ご飯 小籠包、牛湯麺(台南名物の牛肉の麺)・・・約800円
- デザート カットスイカ、マンゴービール・・・約450円
※金額は旅行当時のレートで計算しています

だいたいのお店は店頭に写真付きのメニューがあるので、言葉がわからなくても指をさして注文ができる。伝票に自分で記入するタイプのお店も多く、席についてからGoogle翻訳を活用して調べることもできた。
同じ料理でもお店によって味付けが違うので、気に入ったローカルフードを見つけたら別のお店でも試してみよう。同じお店で違うトッピングを試したっていい。誰のことも気にせずに好きなものを好きなだけ食べられるのも、ひとり旅ならではの楽しみ方。
台南の移動は徒歩がおすすめ! 気になる路地裏に入ってみよう

台南は台北のように地下鉄は通っておらず、現地の人たちは主に原付バイクで移動している。旅人の場合はバスがメインの移動手段となるけれど、おすすめなのは散歩がてら歩いて周ること。特に、ぜひメインの通りではなく路地裏に入ってみてほしい。
台南は、台湾のなかでも古い建物が残っている。レトロな色とりどりのタイル、飾りブロック、「鉄窓花」と呼ばれる窓の飾り格子など、趣ある建築工法を眺めるだけでも楽しい。

ほかにも、日本ではあまり見られない色とりどりの花が植えられていたり、家族の幸せを祈るお札が貼ってあったり、はたまた洗濯物が干してあったり。なんてことのない道一つでも、積み重なってきた歴史やそこで暮らす人たちの営みを感じることができ、きゅんとする。
さらに、何もないだろうと思って入った路地裏に、おしゃれな古着屋さんやセレクトショップ、隠れ家的なカフェがひっそりと佇んでいることも。ふらっと入った先で、運命の出会いが待っているかも?
目的なんてなくてOK。気軽なひとり旅へ出てみよう
今回はグルメと町並みについて紹介したけれど、おすすめな理由を挙げるとキリがない台南。
私の台南ひとり旅は仕事の疲れを癒やしてリフレッシュすることが目的だったので、特に下調べをせず、航空券と宿だけ予約して旅立ったけれど、毎日お腹いっぱいおいしいご飯を食べ、気になる方へ歩き続けるうちに、気がつけば帰国の日を迎えていた。きっとあなたも、あなただけのお気に入りの場所や過ごし方が見つかるはず。
「最近自分の時間に向き合う時間を取れていないかも」「私って何が好きなんだっけ?」そんなモヤモヤを抱えている人は、ぜひ一度台湾でのんびりとした時間を過ごしてみてほしい。心も身体もゆるまって、日本に帰る頃には、自分の心の声をもっと聞いてあげられるようになるかもしれない。