ひとりで東京ディズニーランドや東京ディズニーシーへ行くのって、いわゆる“おひとりさま”行動の中でもハードルが高いと思われがち。
でも、実際行ってみると普通だし、案外ひとりの人もそれなりにいる。園内でも見かけるし、SNSでもひとりインパを楽しむ人は少なくない。キャストさんもおひとりさま接客に慣れている様子。
そういえば、わたしが初めてひとりディズニーをしたきっかけや理由って何だったっけ?実体験を元に、やってみてよかったことや、ひとりならではの楽しみ方などを振り返ってみる。
ひとり行動ってハードルが高い?
ごはんを食べるのも旅行するのも、絶対に誰かと過ごしたい人もいればひとりでも平気な人もいる。わたしは場面によるけど、どちらかといえば確実に後者だ。
ひとりカフェやひとりごはんは当たり前だし、ひとりカラオケ、ひとりライブ鑑賞、ひとり旅なんかも好ましい。ひとり焼肉はまだ挑戦したことないけどきっとやろうと思えばできるし、ひとりジンギスカンは昼間から楽しんだ。ソロキャンプだって安全面さえ担保されるなら全く苦にならないはず。
とはいえ、ひとり行動に抵抗のある人がいるのも共感できる。
特にテーマパークは“誰かと遊びに行くところ”というイメージが強いからだろうか。「浮きそう」「彼氏や友だちがいない人に見えそう」「かわいそうって思われるかも」など、“誰かに指さされて楽しい気持ちを台無しにされたら嫌だな”と想像してしまう。
そういうわたしもディズニーリゾートには友だちと遊びに行くことが多かったから、予定や金銭感覚の合う子がいないときは自然とインパーク(=入園)しない期間が長く空いてしまっていた。
ひとりディズニーをしたきっかけ
じゃあなぜひとりディズニーに目覚めたのか?今振り返ると、きっかけは2020年の長期臨時休園と、営業再開後の入園者数制限だ。
休園が発表されたのは2020年2月。当時のわたしは、その月に新発売されるグッズに心躍らせていた。中でも射抜かれたのは、ピンク色が基調で、パークフードのデザインを再現したお皿にコップ。かわいくて絶対にほしいと意気込んでいた。
通販で買える対象が増えた今とは違い、入園しないとグッズは買えなかったように記憶している(もしかしたら一部は舞浜駅のボンボヤージュに寄れば買えたかもしれない)。
でも、発売された途端にパークは臨時休園期間に突入してしまったのだ。
いつ再開されるのか、再開されたところであのグッズはまだ買えるのか…。物がほしいだけじゃなくて、夢の国の世界観に浸れないことも寂しくて仕方ない。
ディズニー好きを名乗れるほど詳しくはないわたしでも、“ディズニーリゾートが開いていない”という体験は思った以上にショックだった。“推しは推せるうちに推せ”という言葉の通り、好きなものや好きな場所にいつでもアクセスできる環境は幸せだったんだと改めて噛み締めた瞬間だ。
その後4ヶ月を経てパークの営業は再開されたけど、世間的にも大人数での行動に抵抗があった時期で、友人を誘うのはためらいがあった。
ただ、どうしても行きたかったからチケットは入場者数制限で激戦になったもののなんとか確保。ちょうど近くのちょっといいホテルに安く泊まれるタイミングが重なったこともあり、これは運命だとばかりにひとりの時間を楽しむことに決めたのだ。
ひとりディズニーの楽しみ方やよかったこと
せっかく行くならやりたいことを全部したい。パレードが休止していたりフードワゴンが閉まっていたりもしたけど、いろいろ調べて分単位で計画したから当日は理想通りにまわることができて大満足!(同時に、これまで友人と行くときはプランを丸投げしてしまっていたことを密かに反省した)
ひとりだとちょっとした時間調整やトイレのタイミングなどの小回りも聞くし、周囲も自分が思っているほど誰もこっちを気にしていない。
なんだ、全然いけるじゃん!
ひとりディズニーになんの抵抗感も抱かなくなったわたしは、通常営業に戻った後もあえてひとりインパを楽しんでいる。備忘録がてら、ひとりだからこそできる楽しみ方やよかったことを挙げてみよう。
- 自分がやりたいことに惜しみなく時間を使える(パレ待ち、アトラク、キャラグリ周回など)
- 同行者を気にせず、好きなだけグッズやお土産を選べる
- スーベニアグッズ目当てでフードやドリンクをハシゴしまくれる
- 好きなスポットやキャラの写真を好きなだけ撮れる
- ベンチでひたすらぼーっと景色を眺めたりパークの音楽に浸ったりできる
- アトラクションによってはシングルライダー制度で待ち時間が短い
- トイレの時間やタイミングに気を遣わない
- キャストさんに余裕があると構ってもらえる
同じ熱量の子が周りにいなくても、ひとりならお目当てのパレードをいいポジションで見るために何時間も地蔵(=場所取りして待つこと)したっていい。好きなアトラクションに何回乗ってもいいし、キャラクターグリーティーングを何周してもいい。
限定グッズを買うためだけにインパしてアトラクションに乗らなくても、同行者がいないのだから文句は言われない。長い待ち時間にイライラする恋人や家族のご機嫌を伺わなくてもいい。
シングルライダーを受け付けているアトラクションなら、ひとり利用のゲストを優先的に案内してくれるから時間効率もいい。プライオリティパス(旧ファストパス)さながらの快適さ。インディ・ジョーンズ・アドベンチャーとレイジングスピリッツ好きには特におすすめだ。
わたしは過敏性腸炎の気配があるので、トイレのたびに同行者を待たせる罪悪感や気まずさが生まれずに済むのもかなりよかった(パーク内のトイレはレストラン以外全制覇し、位置も完璧に覚えた)。
ちなみに、あれほどほしかったピンク色のグッズはなんと売り切れていたけど、後日公式通販で無事ゲットできてテンションが爆上がりした。
ひとりディズニー客へのキャストさんの反応
よかったこととして挙げた「キャストさんに余裕があると構ってもらえる」について、実際に体験したことを書いてみる。
基本的にキャストさんはひとり客も見慣れているので、珍しいもの扱いはまったくされない。アトラクションでも元気よく「ひとりです!」と言っちゃおう。
むしろ“もっとパークを楽しんでもらえるように”と気遣ってくれるのか、うれしくなるような声掛けをしてもらえたことが何度もあった。
たとえばディズニーシーでぶらぶらしながら写真を撮っていたとき。
あるアトラクションの出口だと気づかずに近づいたわたしに、キャストさんが「中に入ってみませんか?」と提案しにきてくれた。内装の解説を聞くのは楽しくて、順路とは逆側の通路から入ってゆっくり見学できたのもレアな経験で思い出深い。
(同じ対応をしてもらえるかはわからないので、念のためエリアについては伏せておく)
ディズニーランドのとあるレストランに並んでいたときは、こっそりシールを渡してくれた。前の子どもにもあげていたから、もしかしたら子ども用だったのかな?
これが大人も童心に戻って楽しめる夢の国…!と感動して、待ち時間さえも楽しい気持ちでいっぱいに満たされる。元々大好きだったこのレストランをもっと好きになった瞬間。
ディズニーリゾートの魔法のひとつは、キャストさんが使えるに違いない。
ひとりでインパしてちょっと困ったこと
楽しいことがたくさんのひとりディズニーだけど、やっぱりちょっと不便なことや困ったこともあった。人によっては気にならない項目もあると思うから、ひとりで行くか悩んでいる人は参考にしてみてほしい。
- カチューシャやファングッズをつけるのにはちょっと勇気がいる
- 自撮りや記念撮影しにくい場所もある
- ひとりだと乗りにくいアトラクションもある
- パレード待ちやアトラクションのスタンバイ中はトイレに行きにくい
- フードやドリンク調達で長時間待つとタイムロスが発生する
まとめると、思い出作りをしたいときや、効率よく手分けして回りたいときには不向きかもしれない。
カチューシャなら「今は友だちと別行動してるだけですが何か?」みたいな顔でシレッとつけてしまえば大丈夫。最初はわたしも勇気がいったし、“周り全員カップルです!”みたいなときはやや気後れしてしまうけど、まぁなんとかなる(もっとひとりのプロになりたい)。
ディズニーシーのゴンドラやアクアトピア、ディズニーランドのジャングルクルーズあたりは乗るのに勇気が必要だった(アクアトピアは通行人のいない逆サイドを選べば見られている感が減って平気かも)。
そういえばジャングルクルーズに乗りたすぎて、でも周りがグループだと気まずくないかな…とためらっていたとき、颯爽とひとりで乗り場に突入したお姉さん。あなたに背中を押されてひとりデビューできた人間がここにいます!大感謝!
わたしもこの記事で誰かの背中を押してあげられていたらいいな。
アトラクションのほかには、ごはんの調達も要注意。
特にクリスマスやハロウィンの時期は、入園者数の制限が緩和された今はとにかく混む。イベント当日が近づくにつれて、土日や連休だけでなく平日までレストランの事前予約(プライオリティーシーティング=PS)が瞬殺になったほどだ。
PS対象のレストランやカフェが予約で満席なので、予約いらずのレストランやフードワゴンは当然並ぶ。時間帯や人気具合によっては45分以上の待ち時間が発生。サクサク食べて次の行動!とはいかない。
「ごはん食べたいけど、買うまでの時間を考えると次のパレードやショーに間に合わない!」
ふたりで行ったときですらこうなったので、ひとりディズニーのときはスケジュールに余裕をもったほうがよさそう。ごはんを諦めるか、いっそ一度外に出て食べてくるか…。
ただし2023年11月に一部対象店舗で「ディズニー・モバイルオーダー」が実装されたので、並ぶ時間は少し対策できる予感!(朗報!)
ひとりディズニーってやってみると楽しい!
メリットもデメリットもあるひとりディズニーだけど、実際やってみると思ったより気楽だし気軽だし何よりも自由で、わたしは性に合っていた。
誰かと行くのももちろん楽しいけど、あえてひとりでインパしたくなるときもある。仕事終わりに急に行きたくなっても、週末突然思い立っても、チケットさえ空きがあればすぐに“夢が叶う”のも抗いがたい魅力だ。
みんなはひとりディズニーしたことある?
どのくらいの頻度で行くもの?
わたし自身も行く前は周りの目が気になっていたけど、「ひとりは絶対ムリ!」な人もいれば「ひとりの方が楽しい!」という人もいるし、感じ方は本当に人それぞれだから全方位を気にしてもしょうがない。
誰かと一緒に行ったときを思い返しても、他のゲストのことなんて覚えていないよね。もしひとりの人を見かけても、「ひとりで来るぐらい大好きなんだな」って思うだけ。推し活を応援したくなる気持ちに似ているかも?
大好きな場所だからこそ、変に思われるかもなんて身構えず純粋に楽しむのがいいよね!
さあ、次はいつディズニーの魔法を浴びに行こうかな?