コインを入れ、ハンドルを回す。それだけなのにワクワクする。
カプセルトイが出てくるガチャガチャには、大人でもついやってみたくなる魅力がある。
ガチャガチャの機械だけを集めたコーナーを街で見かけることも増えた。
もともと収集癖のあるわたしだけれど、なぜこうも回したくなるのか、実際に引いた商品を紹介しながら考えてみよう。
わたしのこと
- 年齢・性別:30代、女性
- 職業:ライター、編集者
- ライフスタイル:誰かと同居、インドア派、リモートワーク/収集癖が止まらないタイプのオタク。キャラものに目がない。
大人になった今、再びカプセルトイが楽しい
思えば子どもの頃から、駄菓子屋さんに売っているランダムブロマイドや、ゲームセンターにあるカードダスの機械でカードセットを引いたりするのが好きだった。
当時ハマっていたアニメ作品のもので、後者は本来はカードゲームをプレイするためのパーツだったと記憶している。わたしにはルールを覚えるのが難しかったので、自分の中ではただコレクションするためだけのファングッズとして位置付けていた。
年齢が上がるにつれていつの間にかカードへのコレクター熱も続かなくなり、別のものに興味は移っていったけれど、「ランダムに出てくるものを引く」という行動は幼少期から馴染みのあるものだ。それから大人になった今、今度はカプセルトイにハマっている。
ハマっているといっても自分から積極的に新作の発売スケジュールを調べたり販売情報を漁ったりしているわけではなく、街でたまたま見かけたものやSNSで流れてきて「これいいな」と思ったものを回しているだけなので、極めている人と比べたら熱量が高いわけではないだろう。
それでも、ガチャガチャを回してカプセルを手に取る瞬間には、毎回ワクワクせずにはいられない。
ハマったきっかけというほど明確なシチュエーションがあるわけではないけれど、探さなくても外出先で自然と設置されているものが目に留まるようになったのは大きい。ガチャガチャの機械がずらりと並んでいる様は視覚的にも目を惹く。
テレビ番組でガチャガチャ専門店の特集が組まれるくらいには、トレンドになっているのを感じる。そこでどんな商品があるのか興味が出て眺めるうちに、「これかわいいから回してみよう」「こんな商品もあるんだ!」「ほかにも面白い企画はあるかな?」と気にすることが増えていった。
特に最近のカプセルトイのクオリティの高さには驚かされることが多い。
細かいディティールや彩色に、テーマの幅広さ、面白さ。本物の食品や製品をそのままミニチュアにしたかのようなカプセルトイも数多く見かける。大人でも回したくなるような商品が、どんどん登場しているのだ。
回したくなるガチャガチャの共通点
先週見かけた商品が、今週はもう入れ替わっている。カプセルトイの機械の前を通るとラインナップをチェックせずにはいられなくなったわたしは、新商品が登場するスパンの短さにも衝撃を受けた。
ほしいと思った商品は、わたしと同じように他の人も引きたいと考える。そういう前提で「出会ったタイミング」でガチャガチャを回さないと、後から「やっぱりほしい!」と思ったところで機会を逃してしまうのだ。
まさに一期一会。自分の心が反応した商品は、その場でゲットするに限る。
ではどんなガチャガチャなら、わたしは回したくなるのだろうか?改めて考えてみると、こちらの条件のどれかに当てはまっていることがほとんどだった。
- もともと好きなキャラクターや作品、ブランドのもの
- 人気メーカーのアイテムや食品がミニチュア版になったもの
- 企画として面白いもの、テーマが刺さったもの
- ディティールのクオリティが高いもの
1つだけでなく、複数の条件を満たす商品もある。みなさんにも共感できる項目はあるだろうか?
お気に入りのカプセルトイを紹介
せっかくなので、実際にわたしが引いたカプセルトイの中から、特に気に入っているものをピックアップしてみた。なおコンプリートしたものもあるが、写真は一部のみ掲載。その理由については後述する。
サンリオキャラクターズ 寿司-sushi-
(C) 2024 SANRIO CO.,LTD.TOKYO JAPAN (L)M
引いた理由:もともと好き×テーマが刺さった
な…何?インパクトがすごい。なんか寿司ネタを背負っちゃってる。なんで?
トンチキ好きの血が騒ぐ。これは回すしかない。寿司のフォルムって美しくないですか?
シナモン寿司の爆誕である。
どれもかわいいので、マイメロディ様とポチャッコくんが出るまで粘ればよかった…。次の人が引きたそうにしていたので、シナモン×2で被ったところで撤退。被れば1体を保管用にできるので、心置きなくもう1体を飾れる&使えるから大勝利ではある。
余談だが、シナモロール(オリジナル)を見ることに罪悪感すらあったわたしが、別の世界線で生きる「アイシナモロール」に出会ってシナモンファンになるまでの記事はこちら。
サンリオキャラクターズ カセットテープチャーム
引いた理由:もともと好き×テーマが刺さった
こちらも同じくサンリオのカプセルトイ。令和の時代にカセットテープという、計算されたエモさにまんまと釣られた。
このシリーズはわたし的にマイメロ様が本命で、一発で引けたので一度撤退。しばらくしてもう1回やりたくなり、奇跡的に残っていたので再チャレンジした。300円で全8種類なので、今思えばもう少し回してもよかったかな。たとえばシナモンくんが出るまでとか…。
Coleman キャンピンググッズマスコット3
引いた理由:もともと好き×人気メーカーのミニチュア
特に普段からキャンプを嗜むわけではないのに、キャンプグッズやアウトドアアイテムにはなぜか心惹かれるものがある。機能美を感じられて好きなのかもしれない。
中でも「Coleman(コールマン)」は好きなブランド。ディティールもどれもかわいくて、コンプリートするまで回してしまったガチャガチャのひとつ。
BRUNO ミニチュアコレクション4
引いた理由:人気メーカーのミニチュア×クオリティの高さ
あこがれアイテムといえど、本物の家電を購入するとなればお値段は相応。ミニチュアなら気軽に集めて手元で愛でられるのがありがたい。
なんとフタが開いてクロワッサンを入れられる!子どものころ、ごっこ遊びやおままごとが大好きだったわたしにとって、心くすぐられるカプセルトイである。
ハリー・ポッター ミニチュアコレクション2
引いた理由:もともと好き×クオリティの高さ
「ハリー・ポッター」シリーズに登場する、魔法界のアイテムを集めたシリーズ。
値段に対して細やかな細工と着色が施されていて、ラインナップにハズレがない。どれが出ても嬉しいし、被ってもさほど損した気持ちにならない。コンプリートしたくなるタイプのカプセルトイだ。
WIZARDING WORLD characters, names and related indicia are (C) & (TM)Warner Bros. Entertainment Inc. Publishing Rights (C) JKR. (s23)
なかでも「夜の騎士バス(ナイトバス)」にテンション爆上がり。豊島園の跡地にオープンした「スタジオツアー東京」でも、映画を再現して展示されている魔法の乗り物のひとつで、すでに2回遊びに行っているわたしにはタイムリーなアイテムだった。
ホビーガチャ ハリー・ポッター 魔法の箒
引いた理由:もともと好き×クオリティの高さ
ハリー・ポッター関連アイテムが続くが、どのシリーズも質が高いため捨てがたく、こちらも紹介する。
ニンバス2000、ファイアボルト…。映画や原作小説を履修した方なら、心踊るワードのはず。印象的な活躍シーンを思い浮かべながら、ゆっくりじっくり眺めたくなる。
極め付けはクィディッチ用の道具が詰まったトランク。細かすぎるパーツと再現度に大興奮。
コンプする?ブラインド商品との付き合い方
ガチャガチャの楽しさであり、お目当てのアイテムがある人にとってはもどかしさにもなる要素は、なんといってもそのランダム性だろう。
カプセルが残り少なくなっていて、キャラクターに色が振り分けられているケースだと「次に何が出てくるのか」なんとなく当たりをつけられる場合もあるが、そうでない場合は運に賭けるしかない。
わたしもどうしても欲しいアイテムがあるときは、出るまで回すこともある。ガチャガチャに限らずオタクをやっているとブラインド商品やトレーディングアイテムが数多く出るので、本当に欲しいかどうかの見極めや引き際も大切だと思う。
余談だが、わたしはそんなに苦労してまで手に入れたアイテムだとしても、あまり部屋に飾ることはない。ゲットしたらその時点で満足することが多く、なんならどこにしまったのか行方不明になることもしょっちゅう(コンプリートしたガチャガチャの写真がないのはそのためである)。
我ながら適当すぎて引くけれど、多分わたしはモノそのものよりも、それを手に入れるまでの体験(ワクワクする気持ち)を楽しんでいるのかもしれない。これは今回改めて掘り下げてみて気づいたことで、新鮮な驚きがあった。
カプセルトイはちょっとしたワクワクをくれる存在
数百円でガチャガチャを回せて、「何が出てくるんだろう」とワクワクする気持ちを楽しめる。運試し感覚にも近いし、「今のわたしにご縁のあるアイテムやキャラクターはどれだろう?」という占い気分も味わえる。
思い立ったときに「ガチャガチャをやろう」と出かけるというよりは、たまたま通りかかったときに目に留まったものがあれば回してみる。そんな風に気軽な娯楽として楽しむのがわたしにとっては面白い。
全種類コンプリートしたくなるような企画やデザインだと、つい熱くなって連続で回すこともあるけれど、あまり構えずに1回挑戦するだけでも充分に楽しい。
日常にちょっとした冒険心をくれる存在が、わたしにとってのカプセルトイなのかもしれない。
最近ではガチャガチャ専門スペースが設けられているところもあるほど、需要が高まっているのを感じる。都内ではショッピングモールや映画館といった商業施設だけでなく、駅の通路でもよく見かけるようになった。
販売元のメーカーサイトを見るとどこに設置される予定かチェックできる場合があるので、どうしても欲しい商品や気になる商品があれば、ぜひ探してみてはいかがだろうか。